浜中文一、桜井日奈子W主演。浪花節シェイクスピア「富美男と夕莉子」ゲネプロ&取材会レポート!
5月4日より東京・紀伊國屋ホールにて、浪花節シェイクスピア「富美男と夕莉子」が開幕した。同月29・30日には、大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。
本作は、ウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をもとにした作品で、舞台を猥雑さあふれる昭和の大阪に置き換えて、紋田富美男と九羽平夕莉子の物語を大阪弁で紡ぐ。
時代は昭和。大阪の架空都市である浪花坂にて。
任侠一家の「門田木家」の息子・富美男と、対立する「喜矢平家」の娘・夕莉子が命を落とす。彼らの友人たちは、ふたりが交わしていた交換日記から、なぜふたりが死ななければならなかったのかを探っていくこととなる。やがて、ふたりが出会った夏祭りの夜まで遡っていくが…。
脚本・演出は、舞台「刀剣乱舞」「鬼滅の刃」など、大ヒット作品を生み出す末満健一が務める。出演者にはW主演の浜中文一、桜井日奈子のほか、松島庄汰、近藤頌利、板倉チヒロ、幸田尚子、緒方晋、高木稟、明星真由美、オクイシュージらが名を連ねた。
今回は、ゲネプロと 脚本・演出の末満健一・浜中文一・桜井日奈子が登壇した取材会の様子をお届けする。
取材会レポート
初日を迎えるにあたっての今の気持ちを聞かれると、浜中は「稽古が始まって1週間くらい簡単に通し稽古をしていたこともあって、そこから考えると、だいぶ時間があったなと。ようやく始まるんだという気持ちです。でも、やっぱりまだドキドキしている部分もあります」と率直に述べた。
続けて、桜井は「これから本番なのですが、ゲネプロで力を使い果たしてしまったような。ワーッとみんなで世界観に持っていけたのかなと思っています。ずっと本番を迎えるまで楽しみにしていたので、とても嬉しいです」と述べた。
末満は「ベテランの方々もいらっしゃって、若手のエネルギーもあって、ただただ楽しい稽古場でした。本番でもそれが出ていたかなという感じがしています。
悲劇として有名なロミオとジュリエットですが、こんなにも元気になれて、こんなにも恋がしたくなる、そんな作品になったのではないかなと思っています。流行りのマッチングアプリにも負けないかなと(笑)。それをお客さんに届けられるのが、すごく楽しみです。
ただ、今になって、シェイクスピアに怒られないかと思っています。でも、シェイクスピア作品のファンの方々にも見ていただきたいです。これを見て、どう思われるのか興味深いです。
二人の役名は20種類くらい考えて、ロミオとジュリエとかも候補にありました。だけど、なんとなく語尾を合わせたりして、ちょっとマヌケな感じがいいのかなと思って」と作品名でもある役名についても語った。
初共演となる浜中と桜井の初対面は、ポスターにもなっているビジュアル撮影だったようで「僕たちは、初マッチングですね! 僕もひなちゃんも人見知りで「初日で抱き合うのきついよね」って話していました。なかなか初マッチングで抱き合うなんてないですよね、難しいですよね(笑)。パンフレットのなかにある笑いあっている写真も、初マッチングの時でした。よく撮れてるでしょ?(笑)
でも、そこまで人見知りな感じはなくて、一緒にお芝居をやっていても面白いし、パワーもあって、ひなちゃんとお芝居しているとつい笑ってしまいますね。
もちろん可愛いですよ。可愛いだけじゃなくて、ちょいちょいボケてくるんです。マスクしながらの稽古で向き合っている時に「今、マスクのなかで口どうなってると思います? ほんまは、しゃくれてるんです」って言ってきたり。可愛いですよね」と暴露すると、桜井は「言わないでほしかったー!」と照れる一面も。
加えて、桜井は「人見知り同士で、最初のポスター撮影の抱き合っている時は息ができなかったです。でも、稽古場での席がずっと隣で「昨日なに食べた?」「昨日は何時に寝た?」とかそういうところから会話が……あれ、今、私、関西弁になってます!? どうしよう、戻ります(笑)。
私は岡山なのですが、今回はほとんどのメンバーが関西出身の方が多くて、イントネーションを間違えてもすぐに直してくれるので。
あとは、普段からこの現場では関西弁を使うようにしていたので、染まっちゃいました。関西弁は心地いいです。たまにまだ間違えることもありますが、ちょっと人見知りのフィルターが1つ剥がれる感じです」と関西弁の演技についても語った。
一方で、関西出身の浜中は「今回の関西弁は少し昔の関西弁なので、イントネーションがこれで正解なのかな? と分からなくなることもありました。でも……僕は標準語もいけるので。どちらでも構わないです」と突然標準語に切り替えると同時にクールな表情を見せ、会場は笑いに包まれた。
そんな表情を見せた浜中は、本作がラブストーリーであることについて「ガチガチの恋愛系は恥ずかしくて、きっと無理です(笑)。
でも台本を読んでいても、演じていても、キュンとするというか、恋をしたくなるというか。「恋っていいんだな、恋って生きる原動力になるんだな」と思えるような作品ですね。
昔は一目惚ればかりしてましたね。街を歩いてたら一目惚れ、一目惚れ、一目惚ればかりでしたよ(笑)」と暴露。
桜井と末満に一目惚れはありかなしかを聞くと、二人に「ない」と即答され、客席に問いかけるもあり派の人はおらず、「俺だけ!?まあ、俺も昔の話ですけどね」と驚いた表情を見せていた。
お笑いの要素も入った本作において、現場で笑いのノリを習得したという桜井は「浜中さんは飄々とされていて、パッとボケる印象。フザケている感じを出さずに突然フザケる。
あとは、関西の方は恥ずかしい時にボケる印象もあったので、本心が出ないようにフザけるみたいなマインドがあれば、いけるかなと思っていました」と自分なりの考えを語った。
最後に、本作を楽しみにしている方へのメッセージとして、浜中は「難しいお芝居ではないので、普段あまりお芝居を観劇されない方も気負わずに、ぜひ観に来て、恋を始めてみようかなと思っていただけるように頑張ります。みなさん楽しんでください」と、桜井は「ロミオとジュリエットが原案と聞くと、若い二人の恋愛なんでしょと思っている方もいるかと思います。もちろん本気で恋をしているのは変わらないのですが、本気でフザケている舞台になっているので、笑いたい方はぜひいらしてください。楽しくお届けできると思います」と、末満は「シェイクスピアと言うと、難しい・悲しい・苦しい・残酷といったイメージがあると思うのですが、出来上がった時に世界一優しいシェイクスピア作品になっていると思いました。不思議と、シェイクスピアの原案の方もちゃんと伝わるような作品になっているので、シェイクスピアに触れたことがない方々にもお楽しみいただけたらと思います」も語った。
文・撮影:水谷かな子
近藤頌利さんインタビュー(前編)はこちら
近藤頌利さんインタビュー(後編)はこちら
公演概要
浪花節シェイクスピア「富美男と夕莉子」
原案:ウィリアム・シェイクスピア
脚本・演出:末満健一
出演:
浜中文一
桜井日奈子
松島庄汰
近藤頌利
板倉チヒロ
幸田尚子
緒方晋
高木稟
明星真由美
オクイシュージ
他
<東京公演>
日程:2022年5月4日(水・祝)~17日(火)
会場:紀伊國屋ホール
<大阪公演>
日程:2022年5月29 日(日)~30日(月)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
公演問い合わせ:メディアミックス・ジャパン
http://www.mmj-pro.co.jp/contact/stage (平日11 時~17 時)
チケット料金:<東京・大阪共通>¥9,800(税込・全席指定)
チケット好評発売中:
1.楽天チケット
詳しくはこちら ※PC/スマートフォン共通
2.キノチケットカウンター
紀伊國屋書店新宿本店5F(店頭販売10:00〜18:30) ※東京公演のみ取り扱い
3.キノチケオンライン
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