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古川雄大・京本大我W主演。ミュージカル『モーツァルト!』製作発表記者会見レポート!

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2024年 8月19日より帝国劇場を皮切りに上演されるミュージカル『モーツァルト!』。

「才能が宿るのは肉体なのか?魂なのか?」という深遠なテーマをベースに、その高い音楽性を重層的な作劇で“人間モーツァルト”35 年の生涯に迫り、2002 年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けてきた本作品が、約 3 年ぶりに帝国劇場に帰ってくる。ミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)、シルヴェスター・ リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビによる作品で、数々の名場面と名曲で紡がれる大ヒットミュージカル。

タイトルロールであるヴォルフガング・モーツァルト役を演じるのは、2018 年より同役を務める古川雄大。 2023 年には『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』で初の帝劇単独主演を果たし、舞台のみならず映像作品にも次々と出演。本年で同役 3 シーズン目となる。そして、今回が初登場となるもう 1 人のヴォルフガング・モーツァルトは京本大我。テレビドラマや映画での活躍を続けながら、『エリザベート』『NEWSIES』など着実に舞台でのキャリアを積み、本作品で満を持しての帝劇初主演となる。

今回は、古川雄大と京本大我が登壇した製作発表記者会見の様子をお届けする。

会見の最初には、アンベールにて本作のビジュアルが初解禁された。ビジュアルを見て古川は「すごい迫力ですよね。 未だかつてこんなにヴォルフガングが前面に出ているものはなかったんじゃないでしょうか」と印象を語り、

京本も「ずっと憧れていた作品で、まさか自分がやらせていただけるとは思っていなかったので、改めてこうやって視覚的に見ると圧倒されて感動しますね。雄大くんと並んでまたご一緒できるのもすごく感慨深くて嬉しいです」と生き生きと話した。

その後は、古川雄大と京本大我から挨拶があり、古川は「僕自身、この作品に参加するのは3回目ですが、いろいろなミュージカルをやらせていただく中でも、特に大好きな作品の一つです。作品の世界観はもちろん、楽曲も含め、ヴォルフガングの一生を描くという点で、役者としてとても魅力ややりがいを感じています。初めて参加させていただいた時は、とにかくあがいてなんとかやり切りました。2回目は技術的にも少し余裕が出てきて自分の中で掴んだものがあったのですが、いろいろな関係者の方から初演の方が良かったよという声をいただきまして。僕の掴んだものはなんだったんだろうと(苦笑)。

でもきっとヴォルフガングという役は、なにか足りないものを目指して追い求めている姿が反映されて役に生きたのかなと感じているので、今回で3回目ですが自分を追い込んでいこうかなと思っています。3回目にして自身ベストのヴォルフガングを作れるように頑張りたいです。

そして今回、歴代5人目のモーツァルト、京本大我くんと一緒にやらせていただきます。長く上演されている作品ですが、まだ5人目なんですよね。多分、僕を含め先輩方が席を譲らなかったからだと思うんですけど(笑)。 それだけ魅力のある役なので、どきたくない気持ちもわかりますが、念願の5人目ということで、 ルドルフとしてWキャストをやらせていただいたり、トートとしてルドルフと向き合ったりしながらお芝居をさせていただき、彼の素晴らしさや魅力はわかっているので、きっと最高のヴォルフガングを作ってくれるんじゃないかと思っています。 稽古場でもたくさんの刺激をいただきたいなと思ってますし、僕も彼に刺激を与えられる存在でありたいなと。ともに切磋琢磨して頑張っていきたいと思っています」と三度目の出演となる本作への思いを語った。

京本は「僕は約10年前にミュージカル『エリザベート』という作品で、初めてミュージカルに挑戦させていただいて、その時に難しさや過酷さを知りながら、同時にミュージカルの面白さや奥深さも感じました。いろいろな作品をもっと勉強してみようと思った時に出会ったのがこの『モーツァルト!』という作品で。まだまだ魅力的な作品ってたくさんあるんだなと感じました。 

その時は(井上)芳雄さんや(山崎)育三郎さんがやられているものを観させてもらったのですが、いつか自分もモーツァルトが務められるぐらい、ミュージカルを頑張ってみたいと、10年前にぼんやりと大きな夢を胸の奥で抱きました。

それからコツコツ毎年舞台に挑戦させていただき、自分の中で戦いながらやらせていただいて。 ついにこうして20代ラストの年に『モーツァルト!』という作品に挑戦する機会をいただけたことを本当に光栄に思っています。

そして今回は、僕が初めて出演した『エリザベート』でWキャストとして一緒にやらせていただいた古川雄大くんが一緒にヴォルフガングをやってくださるということで、すごく心強いですし、僕にとって本当にお兄ちゃんのような存在で、10年前からたくさん甘えて引っ張っていただいたので、ちょっとは大人らしくなったところを見せたいなと思いつつも、多分まだまだ頼ってしまうところもあると思います。

ヴォルフガング・モーツァルトという役はすごく過酷と聞いているので、大変なこともあるかと思いますが、稽古場も自分らしく楽しく役と向き合って自分らしいヴォルフガングを作り上げていけたらいいなと思っています」と本作への意気込みが語られた。

Wキャストなどで共演経験もある二人だが、お互いの印象とリスペクトしている部分について古川は、「芸能界にいると、美しい人やカッコいい人をたくさん見てきましたが、もう特に美しいですよね。でもその美しい容姿とは真逆に、努力家でとてもストイックな一面があって。もちろん同じ役をやらせていただく中で感じることもありましたし、彼が主演している作品を観た時に、改めて彼の成長というか、見えないところでどれだけ努力しているのか、ステージ上からすごく伝わってきたんです。この見た目があったらもっと調子にのっていいと思うんですよ。でもそれだけじゃない彼の努力みたいな部分を僕は尊敬しています」と京本へのリスペクトを見せ、

京本も「本当に嬉しいですね。僕も全く同じような気持ちで、やっぱり雄大くんの美しさ、羨ましいぐらいカッコいいじゃないですか。以前の『モーツァルト!』のビジュアルも大好きですし。でも雄大くんの中身もストイックで、お芝居もすごく繊細で、細かいところまでこだわって突き詰めている印象があります。でも男らしさもしっかり兼ね備えているので、僕の憧れというか理想的な男性です。だけどほんわかしているところもあるので、そこも素敵なギャップだなと思います。10年前に初めてお話しした時は、急に「チョコレート食べる?」とチョコレートをくれて緊張が和らぎました(笑)。そういう素敵なお兄ちゃん的な面もありながら、 気づいたら筋トレをしていたり、マイペースなところもすごく魅力的で、観察してても楽しい素敵な先輩だと思っています」と古川への信頼を示した。

本作は、帝劇クロージングラインナップの1つということで、帝劇への思いやエピソードについて古川は、「僕は2012年に『エリザベート』のルドルフ役で初めて立たせていただいたのが帝劇との出会いです。『エリザベート』に出させていただいたことで、トートという役に憧れを持ちまして。さっき大我くんがモーツァルトに憧れていると言っていましたが、僕もトートという目標ができたんです。ただ、それは自分が目指せるところではないと思っていたので誰にも言えなかったのですが、密かに思っていました。 そしてありがたいことに帝劇に何度も立たせていただき、たくさん成長をさせていただいてなんとかたどり着いたので。自分を育てていただいた場所だと勝手に思っていて、とても恩を感じている場所ですね」と語り、

京本は「僕も恵まれているというか、小さい頃から先輩の作品などで、帝国劇場に立たせていただいていて。仕事とはということもわからないぐらいの状態で、後ろの方でわーっと踊ったり、子役みたいな感じで出させていただいたこともあって。そういう意味では思い出がたくさん詰まっているのですが、やっぱり『エリザベート』という作品で20歳の時に帝劇に立った時に、今まで見ていた帝劇と景色が違う感じがして。お客さんの層も違うのかもしれないですが、 帝劇ってこういうことなんだと改めて思うくらい、すごみみたいなものをその時に感じました。

それから、芳雄さんや城田優さん、もちろん雄大くんもですが、先輩方が優しく気にかけてくれて、20歳の若造の僕に話しかけてくださったり、ご飯に誘ってくれたりして、それこそ雄大くんとも地下のお蕎麦屋さんに2人で食べに行ったり。ステージだけではなく、周りのお店や楽屋など、いろいろなところに思い出が詰まっているので、一言では表せないくらい感謝しています」と帝劇への思いを述べた。

ヴォルフガング・モーツァルトの役作りや印象について古川は、「もう天才ですよね。天才って何かに秀でていて他が劣っているじゃないですか。まさにヴォルフガングは音楽以外は全くダメな人なんですよ。直感で動いてしまう人で、何も考えずに行動してしまう。でも、そこが彼の魅力でもありダメなところでもあるんです。天真爛漫な部分もありながら、父やそれぞれの役との関係性がしっかり描かれていくので、普通のアプローチとは違い自分で課題を課していくというか、役だけではなく古川雄大自身も、初演の時のような切羽詰まった感じでとことん追い込む。ちょっと妥協したくなりますけど、それくらいしないとやっぱりいいものができないと思うので甘えずにいけたらと思います」と語り、

京本は、「この役に限らず、役作りって終わりはないと思うんですが、やっぱりこの役は肉体面においても精神面においてもかなり鍛え上げておかないといけないなと思っています。本番期間も長いですし、役と向き合っていく上で、京本大我としての強さも持っておかないと自分がダメになってしまう怖さもあるので。いろんなことに気をつけながら向き合っていきたいなと。

幼少期に奇跡の子と呼ばれるくらい天才なキャラクターですが、天才の役を天才が演じるってなかなか難しいと思うんです。なので、僕みたいな特別秀でていない人間がコツコツ積み上げて作り上げる面白さは絶対にあると思っています。グループのメンバーにも天才だなと思うメンバーがいるので、そういうキャラクターを日々勉強して、いろんなことを吸収しながら、ヴォルフガングという役に少しでも奥行きをつけながらやっていけたらいいなと思っています」と役への向き合い方について話した。

その後は、囲み取材が行われ、「自分自身を追い込む」という話があったが、具体的に何をしているかという問いに古川は、「もちろんトレーニングはしていますが、自分の中で何個かプランがあって、それがかなりきついんです。例えばフェイクとか歌の攻めるポイントを何ヵ所か作っているのですが、実はまだそれをやる実力がついていなくて、どう持っていこうかと悩んでいるところです。

お芝居の部分でもプランを立ててやってしまうことが多かったりするのですが、今回は市村(正親)さんもいらっしゃいますし、(山口)祐一郎さんもまたやってくださるということで、思う存分安心して、むしろ何も考えずにやってみようかと思うくらい、ちょっと方向性を変えていこうかなと、今ふわっと考えています。本番どうなっているかは、まだなんとも言えないですが、もっとポイントを作っていけたらと思います」と話した。

先ほどSixTONESのメンバーに天才がいると話していたが、それはどのメンバーかという問いに京本は、「みんな天才ですけど、特に常に横にいるジェシーですね。 ジェシー自身は自分のことを天才じゃないと言うんですけど、僕からすると才能の塊というか。フィーリングでやることがカッコよかったり、音楽的なレベルの高さもそうですけど、常に横にいるからこそ感じるというか。もちろん彼も努力をたくさんしていますけど、僕が見ていて、これは元々持ち合わせているものだなと。 そういうのを見るとやっぱり僕もより頑張ろうと思います」と語り、

ジェシーも主演舞台に出演していた経験があるが、お互いに舞台の話はするのかという問いには、「彼が出ていた作品を僕も観させていただいたんですが、やっぱり彼にしかできないなって。10年近くミュージカルをやっていたとしても、僕が挑戦したらあそこまではできないなと思いましたし、僕がグループのミュージカル担当と思っている訳でもないので、いろんなメンバーが様々な舞台にこれからも触れて、いい刺激をお互いに送り合っていけたらなと。僕もドラマや映画に最近挑戦させていただいていて、 メンバーも見てくれて嬉しかったりしますし、それぞれをリスペクトし合えていけたらいいなと思います」とメンバーへの信頼を見せた。

それから古川へ、過去二回の出演でできなかったことは?という質問へ。

古川は「歌の部分ではめちゃくちゃあります。今までに中川さんであったり、素晴らしい方々が演じてきているので、自分ももっとこういう風に声が出せたらいいなと思ったりもします。ただ、たくさんの方に初演の方が良かったと言われているように、上手さや貫禄なんてものは多分この作品にはいらないと思うので、それを今回見つけたいですね。」と語った。

今回が初出演となる京本に、出演経験のある古川に今のうちに聞いておきたいことを問われると、「聞いておきたいことはたくさんあります。やっぱり雄大くんのヴォルフガングは美しくて芯の強さもあってすごく魅力的なので、決して真似をする訳ではないですが、素敵なところは勉強させてもらいたいなと思っています。あとはやっぱり長期の本番期間になるので、体調管理についても聞きたいです。『エリザベート』の時は、地方公演中に一緒にカラオケに行って、高音対決でX JAPANを歌って絶対に地声で歌わなきゃいけないゲームをしていたんですけど。そんなことは今回は絶対にできないので(笑)。喉を痛めることは封印しつつ、雄大くんとはWキャストなので本番中は会わないんですが、裏でも楽しくできたらいいなと思います」と過去の古川とのエピソードを交えて話した。

仲の良い二人だが、どうやってその距離を縮めてきたのかという質問に古川は、「久々に会って、また雰囲気が変わったなとすごく感じました。割とお芝居にまっすぐになるタイプだと思うんですが、座長などを経験された中で、すごく視野が広がったというか。今まで楽屋ではあまりなかったのですが、さっきもたくさん話しかけてくれてすごく成長したんだなと勝手に感じていました」と感慨深く話した。

二人でいるときはどんな会話をしているかという問いに京本は、「『エリザベート』の時は、僕が現場に入ったら雄大くんが昼公演を終えている感じだったのですが、さまぁ〜ずのDVDを見られたりしていました」と語り、

古川も「くだらないことを話したり、あとは、SixTONESのメンバーの方と共演することが多いのでそういう話もしますね。そういう共通点もあり、『やっとここで共演できるね』って話をして。 この記者会見のお陰でさらにぎゅっと距離が縮まりました」と話し

京本も「うちの北斗やジェシーと映画やドラマで共演されているので」と古川との共通点について触れた。

今回が初参加となる京本へ何かアドバイスはあるかという問いに古川は、「もう何もないです。彼は『天才じゃない』と言っていますが天才なんです。謙虚なんですよ。僕があんなに苦労したルドルフのナンバーを軽々とやっちゃうし。だからもうアドバイスはありません。刺激をたくさんいただきたいですね」と京本への信頼を見せた。

最後にファンの方へ向けてメッセージが語られ古川は、「今回5代目のモーツァルトが誕生して、キャストも変わっています。コンスタンツェが真彩(希帆)さんになったり、 ナンネールも大塚(千弘)さんになったりと、また新しく変わったモーツァルトの座組ですが、今まで愛してくださった方はその変化を感じていただけたらいいなと思いますし、このカンパニーならではの色をお届けできるように頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」と、

京本は、「初めての挑戦ということで、ここまでいろいろ経験をさせてもらったことも大事にしつつ、ただ自分としては、新鮮にいろんなことを取り込んでいく勇気やそういう思いも大事にしたいです。当時、(山崎)育三郎さんもすごく大変だったとおっしゃっていたくらいこのヴォルフガングは難しい役なので、先ほど雄大くんが自分を追い込むとおっしゃっていましたが、僕は自分を追い殺すつもりで、壊れる寸前まで痛めつけながらやらないと、皆さんに感動していただけないと思うので。共演者の皆さんや演出家さんに支えてもらいながらも、自立してしっかり自分の足でこの役をステージ上で演じたいと思います。どうか、お時間のある方は観に来てください」とそれぞれメッセージが語られ、取材会は終了した。

文:THEATER GIRL編集部
撮影:くさかべまき

公演概要

ミュージカル『モーツァルト!』

キャスト:
ヴォルフガング・モーツァルト/Wキャスト 古川雄大 京本大我
コンスタンツェ(モーツァルトの妻)   真彩希帆
ナンネール(モーツァルトの姉)     大塚千弘
ヴァルトシュテッテン男爵夫人/Wキャスト 涼風真世 香寿たつき
コロレド大司教             山口祐一郎
レオポルト(モーツァルトの父)     市村正親

セシリア・ウェーバー(コンスタンツェの母)未来優希
エマヌエル・シカネーダー(劇場支配人) 遠山裕介
アントン・メスマー(医師)       松井工
アルコ伯爵(コロレドの部下)      中西勝之

ほか

脚本/歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション:ウィーン劇場協会

演出/訳詞:小池修一郎(宝塚歌劇団)

製作:東宝

2024年8月19日(月)~9月29日(日)

【一般発売開始2024年7月13日(土)】
平日:S席17,500円 A席11,000円 B席6,000円
土日祝日・千秋楽:S席18,500円 A席12,000円 B席7,000円
(全席指定・税込)

ツアー:
2024年10月8日(火)~27日(日)梅田芸術劇場メインホール(大阪)
2024年11月4日(月)~30日(土)博多座(福岡)

公式サイト:https://www.tohostage.com/mozart/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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