ミュージカル「SPY×FAMILY」が開幕! 「日本発、海外にまで届く作品にしたい!」
3月8日に東京・帝国劇場にてミュージカル「SPY×FAMILY」が初日を迎えた。
本作は、遠藤達哉のマンガ「SPY×FAMILY」(集英社「少年ジャンプ+」連載)のミュージカル版。“黄昏”のコードネームを持つスパイの男ロイド・フォージャー、超能力者の少女アーニャ、殺し屋の女ヨルの3人が、お互いの正体を隠しながら“仮初めの家族”になる物語が描かれる。
ゲネプロに続いて行われた会見にはロイド役の森崎ウィンと鈴木拡樹、ヨル役の唯月ふうかと佐々木美玲(日向坂46)、さらにアーニャ役の池村碧彩、井澤美遥、福地美晴、増田梨沙が登壇し、本番に向けての意気込みや稽古中のエピソードなどを語った。
司会者の「今から質問します」という呼びかけに「うぃ!」とアーニャになりきって返事をする子役たちに、取材陣から「カワイイ~」の声が起こる。
まず最初に「今の気持ちを色に例えると?」という質問に森崎は「白です。これからお客様と作り上げることで新しい色に染まっていく作品だと思うので」と回答し、鈴木は「色と言っていいか分からないですが春色です。季節も春ですし、アーニャが入学するというお話なので入学・進学のシーズンを感じさせる、この時期にぴったりな作品になっていると思います」とコメント。
アーニャ役の4人が手を叩きながら「すぱらしい!(アーニャ語で“すばらしい”の意味)」を連発すると、鈴木が「あざざます(アーニャ語で“ありがとうございます”)」と答え、会場は一気に「SPY×FAMILY」愛あふれる雰囲気に包まれた。
「ジャジーな楽曲がカッコ良くてブラウンの印象があります。あとヨルさんは赤のイメージなので2つを混ぜた赤茶です」と答えた唯月。
「ずるいかもしれませんが、虹色。これからいろいろな色になって、パッと明るい気持ちになるような舞台にできたらいいな」と笑顔を見せた佐々木。
4人の子役たちも、
「水色。たくさんの人が元気になれて、頑張ろうって気持ちになれるからいいなって思いました」(池村)
「虹色です。みんながニコニコになれるように虹色にしました」(井澤)
「私も虹色です。オーケストラの人たちと、舞台の上にいるみんなが、カッコよくてキラキラしているから、早くお客さんに見てほしいなと思って虹色にしました」(福地)
「私は黄色です。ワクワクな気持ちと、アーニャの元気な感じが黄色かなって」(増田)
と理由と共に回答し、しっかりした受け答えに、大人キャストも思わず拍手。
続いて「今、身に着けている衣装はどんなシーンで着ているのか説明とお気に入りポイントを教えて」との質問があり、トップバッターの森崎は促されるままステージ前に出て照れくさそうにターンし「2幕のフィオナの回想シーンで、昔二人でミッションを行っていた時の戦闘服です」と説明する。
対照的に「ロイドの普段着です。ユーリを家に迎えるシーンで、部屋着として登場します。普段はこういう感じでヨルさんと一緒にリラックスして過ごしてますよっていうのを表現している服ですね」とターンの後にドヤ顔で表情とポーズを決めた鈴木。
「2幕のイーデン校受験時の三者面接で着ているワンピースです」と優しい雰囲気で微笑む唯月。同じくイーデン校受験時の別パターンの衣装姿の佐々木は「ボタンがいばら姫のトレードマークのバラなんです。ふーちゃん(唯月)の着てる衣装にも同じボタンがついているので、ぜひそこにも注目していただけたら」とアピール。
アーニャになりきって元気なバンザイポーズを決めた池村は「フィオナさんが登場するシーンで着ているお洋服で、コートの水色が綺麗でいいなって思いました。あとマフラーがふわふわで猫ちゃんの尻尾を触ってるみたいでいいなって思いました」とコメント。
井澤は「ちちとははと一緒におでけけ(アーニャ語で「おでかけ」の意味)する時の衣装です。リボンがかわいくてお気に入りです」と笑顔を見せ、福地は「イーデン校を受験する時のお洋服です。銅像に敬礼をするシーンがお気に入りです」と胸に手を当ててポーズを決める。増田も「この衣装はイーデン校を受験する時に、ドブで溺れている少年が出てくるシーンと、三者面談で着ている服です。赤いリボンが可愛くて好きです」と詳細な説明の後にスカートの裾をつまんでエレガントに挨拶。4人4様のキュートな魅力にあふれたアーニャに取材陣はノックアウト寸前だった。
また「同じ役を演じる人をどう呼んでいるの? Wキャスト、クアトロキャストで良かったなと思うことは?」と聞かれた森崎は「先輩なので、初めは“鈴木さん”と呼んでいましたが、今は“拡樹くん”です。今回、拡樹くんと一緒にWキャストができたことを本当に嬉しく思っています。自分が稽古をしていない時に稽古をしている相方を見ているだけでも、もらえるものがたくさんありますし、立ち位置の変更を丁寧に伝達をしてくださるんです。僕だけじゃなくて、カンパニー全体のことがちゃんと見えていて、見えないところでフォローしてくださるんですよ。座長としてのあるべき姿や役者としての現場での居方など勉強になりました」と鈴木を尊敬のまなざしで見つめる。
照れた表情を浮かべる鈴木は「Wキャストは良い点も悪い点もあると思うんですけど、今回二人で一緒に作り上げてこれて良かったです。Wキャストの場合は稽古時間が二分割されてなかなか稽古ができなかったりするのですが、一緒にやることによってその時間を埋められたのかなと思います。今回ウィンくんじゃなかったらどうなっていたんだろうって思うぐらい、本当に感謝しています。これから個々で舞台に上がるんですけど、気持ちは同じくして毎回頑張ります。またどこかで共演できたらいいねなんて話もしているので、そういう日が訪れたら嬉しいです」と、互いに信頼を寄せる姿が印象的だった。
唯月は「彼女にはいろいろなあだ名があるので、私だけのニックネームを作りたくて“みれたん”と呼んでいます。みれたんは心が綺麗で、そこにいるだけで癒やしてくれる空気清浄機のような人。出会えて良かった。これからも仲良くしてください!」と答え、その独特な表現が笑いを誘っていた。
佐々木は「私は初めてのミュージカルなんですけど、メイクや舞台のことをふうちゃん(唯月)に教わりました。自信をなくした時に、みれたんらしくがんばる姿が素敵だからと連絡をもらって、本当にうれしかった」というエピソードに、二人の絆の強さが感じられたのだった。
アーニャ役の4人は、それぞれ「あおちゃん(池村碧彩)」「みーちゃん(井澤美遥)」「けんしん(福地美晴)」「りさきち(増田梨沙)」と呼び合い、休憩時間には折り紙や追いかけっこ、「ボンドマンごっこ」をしているのだそう。
ちなみに「けんしん」の理由は、(戦国武将の)上杉謙信が好きだからなのだとか……シブい(笑)。
会見の最後には、キャストを代表してロイド役の森崎と鈴木から挨拶。
森崎「今日からミュージカル『SPY×FAMILY』が初日を迎えます。今日この日を迎えられることを改めて感謝しております。そして、このミュージカル『SPY×FAMILY』という素晴らしい原作を、日本発のオリジナルのミュージカルとして 世界へ向けて発信していけたら……。カンパニー一同、兵庫、福岡、大千秋楽まで全速力で突っ走ってまいりますので、最後まで応援よろしくお願いします!」
鈴木「日本で生まれたミュージカルを作る作業に臨んできました。挑戦する舞台だと思ってます。アニメ文化は、日本が誇る世界でも通用するコンテンツなので、この作品がいずれ海外にまで届くような作品になることを願っております。皆さんどうぞミュージカル『SPY×FAMILY』の名前を覚えてください。よろしくお願いします」
ミュージカル『SPY×FAMILY』東京公演は3月29日まで帝国劇場にて上演。その後は4月11日から4月16日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール、5月3日から5月21日まで福岡・博多座で上演される。
チケットや出演キャストの情報は、公式サイトをチェック!
取材・文:近藤明子
公演概要
ミュージカル『SPY×FAMILY』
【東京公演】2023年3月8日(水)~3月29日(水) 帝国劇場
【兵庫公演】2023年4月11日(火)~4月16日(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール
【福岡公演】2023年5月3日(水)~5月21日(日) 博多座
原作:遠藤達哉(集英社「少年ジャンプ+」連載)
脚本・作詞・演出:G2
作曲・編曲・音楽監督:かみむら周平
【出演】
森崎ウィン/鈴木拡樹、唯月ふうか/佐々木美玲
池村碧彩/井澤美遥/福地美晴/増田梨沙【アーニャ役】
岡宮来夢/瀧澤翼、山口乃々華、木内健人、鈴木壮麻、朝夏まなと ほか
《ミュージカル「SPY×FAMILY」公式サイト》
https://www.tohostage.com/spy-family/
《ミュージカル「SPY×FAMILY」公式Twitter》
@spyfamily_stage
≪「SPY×FAMILY」集英社公式サイト≫
https://www.shonenjump.com/j/rensai/list/spyfamily.html
≪アニメ「SPY×FAMILY」公式サイト≫
https://spy-family.net/
©遠藤達哉/集英社