阪本奨悟主演、西田大輔作・演出。音楽劇『まほろばかなた』開幕!「いろんな角度から楽しめる群像劇になっている」
2022年10月28日(金)より天王洲 銀河劇場にて、音楽劇『まほろばかなた』が開幕した。
本作は、西田大輔が描く、『まほろば』を目指した志士たちの 熱き群像・音楽劇。主演を阪本奨悟が務め、糸川耀士郎、和合真一、廣野凌大、松田凌ら“芝居”と“音楽”に熱意を持った俳優陣が集った。
今回は、作・演出の西田大輔、阪本奨悟、糸川耀士郎、和合真一、廣野凌大、松田凌が登壇したオフィシャル会見の様子とゲネプロの舞台写真をお届けする。
2022年版の今作の完成形を見た印象について作・演出の西田は「僕自身、俳優が変われば物語が変わるということを常々思って演出してきたのですが、予想を上回り、初演とはまったく違う新しい音楽劇ができたなと。俳優たちと一緒に作ってきて、ある意味別作品になったような気がしています。2014年の音楽劇はアーティストの皆さんと一緒に作ったのですが、今回このメンバーで作って大地が見えるような作品になったと改めて感じて、とてもワクワクしています」と語った。
今回演じる役柄について阪本は「今回、演じる高杉晋作は飄々としていて、一見、掴みどころのないような雰囲気を持っているのですが、内心は熱く「まほろば」を目指す気持ちに溢れていて。その気持ちが長州の面々に影響を与えて動かしていく、すごく興味深く面白い役どころだなと思っています」と思いを述べた。
糸川は「いろんなタイプの登場人物がいる中で、山縣狂介はまっすぐで猪突猛進なイメージです。純粋に気持ちでぶつかっていくようなキャラクターなので、お客様も感情移入して観ていただけるんじゃないかなと思います」と語った。
和合は「大村蔵六は、今回は山縣狂介とペア的な役割なんですが、非常に落ち着いていて、みんなの保護者的な役割を担っています。そして今回の物語では医師の部分と、軍師としての部分も描かれるということで、そういった二面性もお楽しみいただけるんじゃないかなと。非常に真面目な役ですので、和合真一を押し殺して演じている姿を見ていただければと思うのでよろしくお願いします(笑)」と笑いを誘う。
廣野は「伊藤春輔役という役は、一番自分の欲に忠実で、持ち前の対応力でいろんな場面をくぐり抜けていき、のちに初代総理大臣になる伊藤博文の役です。自分も女の子がすごく好きなので(笑)、そういった自分のいろんなものとリンクさせて役を作り上げました。すごく愛すべきキャラクターとなっていますので、ぜひお楽しみください」と自身と役柄を重ねた。
松田は「幕末を生きた志士たちの中でも、桂小五郎のような生き方をした人はなかなかいないんじゃないかなと。桂小五郎の人生の中でもすごく濃密な時を今作では描いているので、そういった桂の葛藤や苦悩などにも注目していただけたらと思います。今回たくさんの魅力的な役が登場しますが、その登場人物たち皆を思って生きている人物です。彼に重ねて自分もそんな風に板の上に立てたらと思うので、ぜひ注目していただけたらと思います」と役への取り組みについて語った。
最後に今作にかける意気込みと観に来てくださる方へのメッセージとして松田は「西田大輔さんが生み出してくれたこの作品は、 女性がとてもかっこよく美しく描かれています。僕たちが演じる人物たちは歴史の中で本当に偉人と呼ばれるような人たちなのですが、彼らがどのようにして偉人になったのか、そしてそれを支える女性たちはどのようにして生きていたのかという部分を見ていただけると、男女問わずどんな方でも胸を打つ作品だと信じております。実際に自分は山口県の萩市という場所を訪問したのですが、桂小五郎は自分の家に「死して後已む」という言葉を残していまして、それは死ぬまで努力を続けるというような、様々な意味を込められてるのですが、その彼の言葉に泥を売りたくないという一心で演じさせていただきたいと思っています」と思いを述べた。
廣野は「伊藤春輔を演じて感じたことは、僕らの中に受け継がれている大和魂みたいな、日本人特有のソウルみたいなものが、これでもかというくらい詰まっている作品だと思いました。それを音楽が助長して、照明が彩って、演者たちの解釈で演じて、そういったものが重なって一つの作品になっています。 普段この時代のことを考えることはあまりないですが、演じていると先人へのリスペクトが強まるというか、改めてこうやって国は作られて、こういう魂の上で僕らは今を生きているんだなと。生に対する感謝が出てくるとても素晴らしい作品だと思うので、ぜひ皆さんご観劇ください」とアピール。
和合は「今回はみんなが大好きな幕末の世界で、有名な登場人物がいっぱい出てくるんですが、そういった中に人間ドラマやそれぞれの葛藤があったり、ラブロマンスなんかもあったりして。ここにいるみんなにはラブロマンスがあるんですけど、僕だけ今回それがなくて。描かれた時代的なものもあるので致し方ないですが、本当はしたかったです(笑)。なので、今回はそれ以外の部分で頑張っていこうと思っています。それぞれのキャラクターに感情移入をして、物語全体を一人一人の立ち位置や視点で楽しんでいただくのが、非常に大切なことかなと思います。それと、今回は音楽劇なので、西田さんの書き起こした詞の部分にも注目していただけたら、この時代のいろいろな部分が見えてくるんじゃないかなと思っております」と茶目っ気まじりに語った。
糸川は「泣ける作品っていっぱいあると思うんですけど、この作品は笑いながら泣けるのが素敵だなと僕はすごく思っていて。観ていただければ、僕のこの言葉が理解できるような作品になっていると思います。ぜひ一人でも多くの方に観ていただいて、泣きながら笑ってほしいなと思います」と意気込んだ。
阪本は「今作は激動の時代を描いたものにはなっていますが、だからこそ歴史に名を残す人物が多数登場したり、それぞれ長州側の意見だったり幕府側の思想だったり、それを俯瞰で見ている女性たちの思いだったり。そういったいろんな角度から楽しめる群像劇になっていると思います。この現代に生まれて、2022年を生きている僕でも100年以上も前の人が命を惜しまず、自分の思想を貫くために戦いに出る姿には、すごく胸を打たれるものがあって。
長州の方々の思いを今回僕たちが代表して演じさせていただきますので、すごく重要なバトンをいただいたという気持ちでお客様にお届けできたらなと。何より今回のタイトルでもある「まほろば」という言葉は、本当に哲学的な言葉だと思っているのですが、「まほろば」がいったいどんなものなのか、観る方によっても考え方が変わるとは思うので、そこにも注目して観劇してもらえたら、さらに楽しんでいただけると思います」と作品への思いを熱く語った。
作・演出の西田は「もちろんみんなには良いお芝居をしてほしいというのはありますが、それよりも、一人の人間として胸が震える気持ちってなんだろうということを大事にしてほしいと、稽古からずっと伝えてきました。この5人をはじめとした俳優たちが、ここまで繊細に作り上げてくれてものすごく尊い時間だったなと思っています。YOSHIZUMIさんの音楽が、物語と同時に心情やそこにかける歴史感というものを美しく彩ってくれていますし、 僕自身がこの本を書いていますが、0から1をみんなで一緒に作り上げてきたので、ある意味全員が原作者だなと思います。こういうオリジナルの音楽劇がたくさんの方に届くように心から願っております」とメッセージが語られオフィシャル会見は終了した。
撮影:近藤明子
公演概要
音楽劇『まほろばかなた』
作・演出: 西田大輔
音楽監督:YOSHIZUMI
公演日程:
天王洲 銀河劇場
2022年10月28日(金)~11月6日(日)
キャスト:
高杉晋作 役:阪本奨悟 山縣狂介 役:糸川耀士郎 大村蔵六 役:和合真一 伊藤春輔 役:廣野凌大/
勝海舟 役:根本正勝/お雅 役:富田麻帆 文 役:田上真里奈 おうの 役:本西彩希帆
すみ子 役:平井琴望 幾松 役:律/吉田松陰 役:中村亀鶴/桂小五郎 役:松田凌 ほか
公式サイト: https://www.marv.jp/special/mahorobakanata/
公式Twitter: @mahorobakanata
©音楽劇『まほろばかなた』2022