関ジャニ∞安田章大主演。『少女都市からの呼び声』開幕!「今しか見られないものになっていると思います」
2023年7月9日(日)より東京・THEATER MILANO-Zaにて、THEATER MILANO-ZaオープニングシリーズCOCOON PRODUCTION 2023『少女都市からの呼び声』が開幕した。
本作は、1969年初演の『少女都市』を改作し、1985年、新宿スペースDENにて劇団状況劇場が初演。その後1993年、劇団状況劇場出身でもある金守珍が、自身が主宰する新宿梁山泊公演で上演し、文化庁芸術祭賞を受賞した。フランスのアヴィニョン演劇祭をはじめ、カナダやアメリカ、オーストラリアなどでも上演され、海外でも高い評価を受けている。
今回演出を務めるのは、前出の劇団・新宿梁山泊主宰の金守珍。主演を務めるのは関ジャニ∞の安田章大。アーティストとしてはもちろん、俳優としてもドラマ・映画・舞台で活躍し、昨年上演された『閃光ばなし』以来の舞台出演となる。
ヒロインは元宝塚歌劇団雪組トップ娘役で、本作で初のストレートプレイに挑戦、その透明感溢れる歌声と佇まいは、まさにガラスの肉体を持つ少女・雪子にぴったりの咲妃みゆ。 そして、舞台はもちろん、多数の映画やドラマでも強烈な個性を放ち、教育番組や音楽バンドでの活躍などさまざまな顔を併せ持つ三宅弘城が共に、唐作品に初挑戦する。さらに、19年の『唐版 風の又三郎』で唐作品に初参加し金演出に感銘を受けたことで72歳にして初テント芝居に挑戦、表現者として飽くなき探求心を持ち『泥人魚』(21年)ではより深い造詣を示した風間杜夫が作品の屋台骨となり支える。
今回は安田章大、咲妃みゆ、三宅弘城、風間杜夫、金守珍が登壇した囲み取材の様子と舞台写真をお届けする。
舞台の出演について聞かれた安田は「嬉しい限り。表情を見てもらえれば一番伝わると思うんですが、幸せ。金さん、風間さんと先輩たちが受け継いでいる唐さんのエネルギーを受け継いでいく中間の年齢になっていると思うので、それを次に繋ぐという意味で入れている自分はとても幸せな状況にあるんだなと実感している」と話した。
演出を務める金は「唐作品はアングラとして世の中に伝わっているが、唐さん本人はアングラと名乗ったことはないんです。世間がアングラと揶揄していた。風俗として消えるものだと。それが文化として残る、この作品がその出発点。『少女都市からの呼び声』は僕、40年くらいやってきてやっと答えが見つかって、完成品。自信を持って皆さんにお届けします。次の世代という意味では安田君がこれを受け入れたことが大きな転換点になると思う」と話した。
風間は「唐戯曲っていうのは、一編の詩のようなところがあって。その詩の世界を可視化する金守珍の演出力に圧倒されている」と話し、9年前に親子役を演じてから「やっさん」という愛称で呼ぶ安田のことを「ひと回りも二回りも大きくなって、芝居に対する構え方がもう、素晴らしい成長で頼もしいです」と話した。
咲妃は安田のことを「もともとストイックな方という印象を持っていたんですけど、その印象はやはり変わりません。さらに目配り気配りが大変行き届いていらっしゃり、お人柄としてもすごく尊敬しています」と話し、安田が共演者から信頼を寄せられていることが伝わってきた。
三宅は「初演は唐さんが麿赤兒さんに当て書きしたフランケ醜態という役。その後、ほぼ40年、1回くらいですよね、金さんがやらなかったのは。その重圧にほぼ押しつぶされていたんですが、安田君と咲妃さんと風間さんのお力を借りながら、金さんの演出のもと、なんとかちょっとだけ僕なりのフランケができたのかと。あとはこのTHEATER MILANO-Zaで『少女都市からの呼び声』をお客さんと一緒にどんどん育てていきたい」と意気込みを述べた。
演じる上での苦労について聞かれた安田は、「なんて素敵な戯曲なんですかって話ですから。やっぱり理解し切れない部分もあるでしょうし、誤読してしまう部分もあるでしょうし。なんせ唐十郎さんの脳みその中をのぞいているわけですから。でもそれがすごく楽しい。儚く美しく、その先にある唐さんの世界観をのぞけるので」と話し、とても充実していると伝えた。
また、「ジャニーズ事務所って大きな事務所ですから、唐十郎さんという世界を広げていくためにはとても素敵な大きな場所であり、届けられる立ち位置にいるんだなと考えていて。これからは金さんや風間さんたちと僕たちで唐さんの凄さや大切さを途切れさせないようにしていこうと今回改めて決めました。だから今回の作品で終わるのではなく、すぐまたやってやろうと思ってます」と作品に対する思いも語った。
最後に安田が「今まであった作品が少しずつ色を変えながら、エンターテインメント性を含みつつ、過去の大事なものも残しつつ、進化しつつ変化していく。そうすることによって文化というものは廃らないでしょうし、これからも語り継がれるのかなと思っている。今回がスタートなので、2回目3回目と続けていくための準備、そして皆さんに対しての僕たちの誠心誠意というものを受け止めてもらえればと思います。とにかく唐十郎さんの世界、そして金さんの演出の世界を楽しんでいただきたい。今しか見られないものになっていると思います」と締めくくり、囲み取材は終了した。
文:岡田美奈子
囲み取材撮影:大久保恵造
舞台写真撮影:細野晋司
公演概要
THEATER MILANO-Zaオープニングシリーズ/COCOON PRODUCTION 2023
『少女都市からの呼び声』
作:唐十郎
演出:金守珍
出演:
安田章大、咲妃みゆ、三宅弘城、桑原裕子、小野ゆり子、細川岳
松田洋治、渡会久美子、藤田佳昭、出口稚子、板倉武志、米良まさひろ、
宮澤寿、柴野航輝、荒澤守、山﨑真太、紅日毬子、染谷知里、諸治蘭、本間美彩、河西茉祐
金守珍、肥後克広、六平直政、風間杜夫
【東京公演】
2023年7月9日(日)~8月6日(日)
THEATER MILANO-Za(東急歌舞伎町タワー6階)
【大阪公演】
2023年8月15日(火)~22日(火)
東大阪市文化創造館Dream House 大ホール
企画・製作:Bunkamura
公式サイト: https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/23_shojotoshi/