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坂東龍汰、近藤公園、綱啓永、正名僕蔵、新納慎也、相島一之出演。『う蝕』開幕!「こんなにもお芝居のことを考え戯曲と向き合った日々はありませんでした」

REPORT

2024年2月10日(土)より、シアタートラムにてう蝕が開幕した。

立場や事情の異なる人々の葛藤を対話中心に描き出す作劇に定評のある横山拓也と、公共劇場から商業演劇まで幅広く活動し今最も勢いのある劇作家・演出家のうちの一人である瀬戸山美咲の強力タッグがついに実現。

フランツ・カフカ、サミュエル・ベケット、別役実の作品をモチーフの参考として濃密な会話劇を練り上げ、坂東龍汰、近藤公園、綱啓永、正名僕蔵、新納慎也、相島一之 という実力派の俳優6名が、被災した島で遺体の身元確認のため集められた歯科医師たちをめぐる不条理劇を創出する。

今回は、作・横山拓也、演出・瀬戸山美咲、出演の坂東龍汰、近藤公園、綱啓永、正名僕蔵、新納慎也、相島一之のコメントと舞台写真をお届けする。

コメント

【作】 横山拓也

僕がこの作品を書いているときに一番「不条理」に感じたことは、登場人物の歴史が全然見えてこないところでした。本当にこの人たちはここに存在するのだろうか…。手がかりの少ない人物たちに命を吹き込んでくれた 6 名の俳優の皆さん、ありがとうございました。そして、能登半島地震を受け、台本に大きく手を入れさせてもらうことなりましたが、改稿作業に粘り強く付き合って、上演にまで漕ぎ着けてくれた演出の瀬戸山さんにも心から感謝しています。現実と作品の距離を的確に見つめながら、ちゃんとエンターテイメントになっているのがすごいです。

【演出】 瀬戸山美咲

俳優の皆さんと、横山さんの意欲的な戯曲を探検してきました。少し不思議で少し残酷で少し優しい横山さんの世界。たくさんの鉱脈をみんなで見つけることができたと思います。現実の出来事に心を寄せながら、自分たちの立つ場所を確認してつくってきました。初日を迎えた今、演劇だから語れることがあると改めて感じています。わかると面白い、わからないことも面白い、そんな作品になったと思います。個性際立つ俳優の皆さんの競演をじっくりお楽しみください。

坂東龍汰

無事に今日を迎えられたことにまず感謝をしています。
こんなにもお芝居のことを考え戯曲と向き合った日々はありませんでした。
素敵なキャストとスタッフの皆様に支えてもらいここまで来れたと思っています。
真剣に心を使ってお芝居をしています。
それが見てくださる方に伝わるように一生懸命頑張りますので千秋楽までよろしくお願いします。
ワクワクを絶やさずに!

近藤公園

「あぁでもない、こーでもない!」と、皆で作品と格闘する日々は本当に濃密で、「これぞ演劇!」と何度も胸が熱くなりました。この時期に、この不条理を抱えた作品を上演するにはその熱量が必要不可欠だったと思えるし、そのがむしゃらになって作り上げた演劇には、“何かしら”の力が宿っていると信じています。日々、この作品に込められた“何かしら”を観客の皆様に手渡すように、舞台に立てたらと思っています。

綱啓永

無事に初日を迎えられて、今はワクワクと安堵の気持ちで一杯です。
稽古初日から最後まで、僕にとって本当に贅沢すぎる時間で、本当にここまでの充実を噛み締めています。
横山さんにあて書きして頂き、瀬戸山さんの丁寧な演出により出来上がった剣持を、最後まで魂込めて演じます。
カンパニーの皆様、ファンの皆様、そして劇場で観劇してくださる皆様への感謝を忘れずに、千穐楽まで突っ走ります。
男 6 人で男臭く創り上げる「う蝕」の世界。
この戯曲をこのタイミングでやる意味をしっかり心に秘めて、観劇してくださった方へ何か大事なモノを受け取ってもらえたら幸いです。
「う蝕」宜しくお願いします!

正名僕蔵

いかがでしたでしょうか……?
と、ご来場の皆様お一人お一人にご感想もしくはご意見を根掘り葉掘りお聞きしたい……、そんな心境です。
いかがでしたでしょうか……?
もちろん主語は“わたしは”ではなく、“われわれは”です。横山さんが書かれた台詞のひとつひとつを、瀬戸山さんを中心にみんなでディスカッションを重ねながら形にしていくなかで、今回、いち役者の範疇を越えてこの作品に関わった、そんなところがあります。だからでしょうか、お客様に対しても何か範疇を越えて関わりたい、そんな心境です。鬱陶しいやもしれませんが。
いかがでしたでしょうか……?

新納慎也

日々テレビという箱に映るリアルな瓦礫の山。
舞台上の箱が開くとそこは瓦礫の山に見える。
リアルなのかどうかわからない箱の中の虚構の世界。
僕たちはこの箱の中の虚構の世界からリアルを伝える。
図らずもこのタイミングで上演することになった作品ですが、今だからこそ観客の皆様にビビッドに感じていただけることも多いと思います。
初日の幕が開き、お客様が何をどう感じてくださるのか不安もありますが、僕は今だからこそ演劇に出来ることを信じて、日々繊細に演じていきたいと思います。被災地に想いを寄せて。

相島一之

演劇を作ることの大変さと面白さ、そして演劇とは一人ではなくみんなで作るものなんだということを改めて実感させてもらった稽古期間でした。僕らが稽古場で立ち上げた一本のお芝居が、劇場でお客さんの前で演じられてようやく演劇として完成します。思いおこせばコロナ禍のもと無観客でお芝居をするという本来あるべきではない姿の演劇もありました。だからこそこうしてみなさまに観ていただけることの喜びを噛み締めています。トラムならではの濃密な空間を僕らと一緒に楽しんでいただけたら幸いです。本日はありがとうございました。

舞台写真

撮影:細野晋司

公演概要

『 う蝕 』

【作】 横山拓也 【演出】 瀬戸山美咲

【出演】 坂東龍汰 近藤公園 綱啓永/正名僕蔵 新納慎也/相島一之

【美術】 堀尾幸男 【照明】 齋藤茂男 【音響】 井上正弘 【衣裳】 髙木阿友子
【ヘアメイク】 大宝みゆき 【演出助手】 須藤黄英 【舞台監督】 田中直明

【日程】 2024 年 2 月 10 日(土)~3 月 3 日(日)
【会場】 シアタートラム

<兵庫公演>
【日程】 2024 年 3 月 9 日(土)・3 月 10 日(日)
【会場】 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

<愛知公演>
【日程】 2024 年 3 月 16 日(土)
【会場】 Niterra 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール

【『う蝕』 公式 X(旧 twitter)】 : @ushoku_sept
【『う蝕』 公式 Instagram】 : ushoku_sept

【世田谷パブリックシアター公式 twitter】 @SetagayaTheatre
【『う蝕』公式ホームページ】 https://setagaya-pt.jp/stage/2132/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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