古川雄輝×長野凌大(原因は自分にある。)インタビュー 『普通の恋愛』 「それぞれの“普通”があっていい」(前編)
現在、CBCテレビ「ドラマトリップ」枠、MBS、BS朝日、TOKYO MXにて絶賛放送中のドラマ『普通の恋愛』。
本作は、SNS総フォロワー約40万人の漫画家・直正也氏が描くBLコミックの実写化。過去のトラウマから「誰かと共に生きる未来など来ない」と周囲と深く関わることを避けてきた36歳の上司・文原一良(ふみはら いちろう)(古川雄輝)と、これまで人に恋愛感情を抱いたことがない24歳の部下・東慶伊(ひがし けい)(長野凌大)。
共通の趣味である映画をきっかけに付き合うことになった12歳差のふたりが、世間の目や過去の恋愛、家族への告白など、同性同士だからこそ直面する現実的な壁に不器用に向き合いながら、自分たちにとっての幸せを見つけ出すまでを描いたドラマとなっています。
THEATER GIRLは、本作でW主演を務める古川雄輝さんと長野凌大(原因は自分にある。)さんにインタビュー。前編では、出演が決まったときのお気持ちや原作・脚本の印象、それぞれが演じる役柄との共通点や役作りについて。さらに、初共演を経て感じたお互いの印象や、撮影を通して築かれた関係性についてもお聞きしました。
主演として出演させていただけることがとても光栄
――本作へ出演が決まったときはどのようなお気持ちでしたか。
古川:今回主演として出演させていただけることを、とても光栄に感じました。原作と脚本も読ませていただいたのですが、とても面白くて。一良という役は繊細で穏やかな人物でありながら、心情が細やかに描かれているので、どのように表現していくかを楽しみにしながらクランクインを迎えた覚えがあります。
長野:僕も主演を務めさせていただける機会は多くないので、率直にうれしかったです。さらにご一緒するのが古川さんだと聞いて、これまでテレビで拝見していた方と共演できるとは思っていなかったので、うれしさと同時にプレッシャーも感じました。ただ、それ以上に喜びのほうが大きかったです。

――原作や脚本を読まれた印象はいかがでしょうか?
古川:さまざまなテーマが含まれている作品だと感じました。特にキャラクターそれぞれの心情がとても丁寧に描かれているので、演じる上で大きな魅力がありますし、純粋に読んでいて引き込まれて。しっかりと表現できるよう、役作りに取り組もうと思いました。
長野:僕も同じような印象を受けました。自分が演じる慶伊を含め、登場人物全員が葛藤や悩みと向き合いながら前に進んでいく物語だと感じて。それぞれの繊細な心の動きを丁寧に表現することが重要だと感じましたし、俳優の表現次第で見え方が大きく変わる作品だなと。だからこそ演じるのが楽しみになりましたし、難しさも感じたので、しっかりと準備して臨みたいと思いました。
「大切な人を強く思う気持ち」に共感した
――それぞれが演じる役柄の印象やご自身との共通点、共感できるポイントを教えてください。
古川:一良はとても穏やかで周囲への気遣いができる人物です。ただ、その気遣いは人との距離の取り方が少し苦手だったり、愛想笑いをしてしまったりする面から来ている部分もあると思っていて。また、人の目を気にするタイプでもあるのですが、僕自身も最近は周囲の目を意識するようになってきたと感じています。
長野:慶伊は少し天邪鬼なところがあって、文さんに見せる姿と周囲に見せる姿が異なる人物です。心を開いた相手には人懐っこい点は自分と似ていると感じました。また、あまり言葉にはしないものの、人をとても大切にする性格でもあります。自分にとって大切な人を強く思う気持ちは僕自身にもあるので、その部分にも共感しました。

――役作りで意識したことや、こだわった点についても聞かせてください。
古川:今回の作品では、本読みの段階でなかなか明確なOKをいただけないままクランクインを迎えました。そのため難しさも感じながらのスタートだったのですが、監督としっかり話し合いを重ねながら役を作っていきました。
特に求められていたのは「穏やかさ」です。ただ、この穏やかさがとても難しくて。表面的には気遣いができる人物でありながら、実は人との距離感が分からず、愛想笑いでやり過ごしている部分もある。そのニュアンスをどう表現するかが大きな課題でした。
さらに、その人物像を踏まえた上で「なぜ東が一良を好きになるのか」というところまで説得力を持たせる必要があるとお話をいただいて、そこを軸に役作りを進めていきました。初日以降は大きな演出の修正が入ることはあまりなかったのですが、この穏やかさの表現が最も苦労したポイントでした。
長野:僕が演じる慶伊にとって、文さんとの出会いはとても大きな出来事です。それまで人を本気で好きになったことがなかった彼が、文さんとの出会いによって「人を愛する」という感情を知り、少しずつ心を開いていく。その過程は、慶伊の人生における大きなターニングポイントだと捉えていました。
ドラマでは、その価値観の変化や心の動きを丁寧に描いているので、出会う前、出会った直後、その後の緩やかな変化といった時系列をしっかり意識することが重要だと感じて。シーンは必ずしも順番通りに撮影されるわけではないので、撮影ごとに「今の慶伊はどの段階にいるのか」という温度感を監督と共有しながら演じていました。

「この作品を良いものにしたい」という熱量が伝わってくる環境
――撮影を振り返って、現場の雰囲気や印象的だったエピソードを教えてください。
古川:現場はとても良い空気感でした。各部署のスタッフの皆さんが「この作品を良いものにしたい」という思いを強く持っていて、その熱量が伝わってくる環境だったと感じています。そういった職人気質の方々とご一緒できたことは、とても幸せでしたし、真剣に楽しくいいものを作ろうという思いが詰まったいい空気感の現場でした。
印象的な出来事としては、長野くんが僕の隣にちょこんと座ることが多かったことですね。
長野:そんなに印象的ですか!?
古川:印象的だったよ。
長野:現場全体として穏やかな雰囲気で進んでいて、時間の流れがゆっくり感じられる心地よさがあって。その中でも各部署の方々がそれぞれの持ち場で情熱を燃やしていて、言葉にせずとも切磋琢磨している空気があったと思います。
その環境にいることで、自分もより良い芝居をしなければと自然に思えましたし、俳優としてとても恵まれた現場だったと感じています。
印象的なエピソードとしては、監督の存在も大きかったです。石橋監督がとても熱心に芝居を見てくださる方で、テストの段階から作品に引き込まれてしまうことがよくありました。
通常はテストと本番があるのですが、テスト中に本番だと勘違いして「OK」が出ることもあって(笑)。それが初日から何度も続いて、10回を超えたら差し入れを、という話になったんです。結果的に僕がいない日に10回に到達したそうで、実際に差し入れをいただきました(笑)。
初日には「用意、カット」と仰っていた場面もあって、撮影が始まらないこともあって(笑)。とてもチャーミングで、現場を和ませてくれる監督だったのが印象に残っています。
――撮影中、 長野さんは常に古川さんの隣にいらっしゃったとのことですが、それは意識されていたのでしょうか?
長野:まったく意識していませんでした(笑)。たぶん古川さんの隣にいれば大丈夫だ、という安心感があったんだと思います。現場で遅れることもないですし、出損ねることもない。撮影が進むにつれていろいろなお話もさせていただいて、単純に居心地が良かったので、自然と引き寄せられるように隣にいたのかなと思います。
古川:そうやって隣に来てくれるのはありがたかったです。役柄的にも、撮影外でもある程度の(近い)距離感が必要だと思っていたのですが、僕は後輩に少し怖がられてしまうこともあって、普段はあまり隣に座ってくれないことが多いんです。でも長野くんは2日目くらいには自然と隣に座ってくれて。特に会話がなくても、ちょこんと隣にいる感じが印象的でした。
人懐っこさがあるので、こちらとしても助かりましたし、そのおかげで役としての関係性も良い方向に進んだと感じるので。今でも隣に座っていて違和感がないのは、役を演じる上でもとても良いことだと思いました。
――具体的に「可愛いな」と感じたエピソードはありますか?
古川:2日目に「お疲れさま」と声をかけたら、斜め45度くらいの角度で両手を振って返してくれて(笑)。ああいう反応は初めてだったので印象的でしたね。
長野:そんなに印象的でしたか(笑)。
古川:距離があったらできないことだと思うので。だからこそ、すぐに打ち解けられるなと感じましたし、さらに良い関係で役を作っていけると思いました。
――最初の印象はいかがでしたか?
長野:最初は「不思議な方だな」という印象でした。これまで出会ったことのないタイプで、何を考えているのか分からない部分もあったので、どうなるのだろうと感じていて。ただ、それは本読みの時くらいまでで、その後はずっと居心地が良くて、今では兄のような存在に感じています。
――かなり懐いていらっしゃるのですね。
長野:はい、すっかり懐いています(笑)。古川さんのおっしゃることは全部信じてしまうくらいです。

もしプライベートで1日過ごすとしたら……!?
――もしプライベートで、お二人で1日過ごすとしたら、どのように過ごしたいですか?
古川:食事だけじゃなくて1日となると、何かしらアクティビティが必要だね。
長野:確かに。普段、そういうことはされますか?
古川:しないね(笑)。
長野:失礼ですけど、あまりやらなさそうですよね(笑)。1日単位で誰かと一緒に過ごすイメージがあまりなかったです。
古川:でも、俳優同士でそういうことをしたことはあるよ。二人で遊園地に行ったこともあるし。
だから遊園地はいいんじゃない? 二人で行っても楽しめますし、食事もできるし。そしたら一日終わるし(笑)。
長野:それ消費しようとしているじゃないですか(笑)。
古川:いやいや(笑)、ご飯も食べられるしね。
長野:たしかに。でも遊園地、いいですね。なんだか認めてもらえた気がします(笑)。
――長野さんは、古川さんとやってみたいことはありますか?
長野:少し夢の話になるのですが、僕はいつか車を持ちたいと思っていて。古川さんが車に乗られているので、そのときに、古川さんに一緒についてきていただいて、僕の車を選ぶところから試乗、契約までご一緒していただきたいです。
古川:車を買いに行くのに付き合うの?(笑)
長野:そうです。大事な役割をお願いしたいです(笑)。そのあとに一緒にご飯に行ったりすれば、ちょうど1日になりますよね。
――現実的でいいプランですね。
長野:いつか実現したいです。車を買うときはご連絡します。
古川:契約内容もしっかり確認するね(笑)。
長野:ぜひお願いします!

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:遥南 碧
作品概要
ドラマ『普通の恋愛』
放送局 :CBCテレビ、MBS、BS朝日、TOKYO MX
放送日時:
CBCテレビ 毎週木曜 深夜0時58分〜
MBS 毎週木曜 深夜2時29分~
BS朝日 毎週月曜 よる10時54分~
TOKYO MX 毎週金曜 深夜2時00分~
※放送時間は変更になる可能性がございます。
※詳しくは、各局の番組情報をご確認ください。
※BS朝日での放送終了後にはTVerで無料見逃し配信あり。
原作:直正也「普通の恋愛」(ナンバーナイン)
出演:古川雄輝 長野凌大(原因は自分にある。)
古屋呂敏 坂ノ上茜 渡辺色
水間ロン 小野春花 菜摘華 細川佳央 門間航
山中聡 古村比呂
製作著作:直正也(ナンバーナイン)/「普通の恋愛」製作委員会
脚本:三浦有為子
監督:石橋夕帆 佃謙介
制作プロダクション:ビデオプランニング
オープニング主題歌:「Blooming」VOKSY DAYS(SDR)
エンディング主題歌:「ひるほし」ふたりはメリーバッドエンド (SDR)
■公式HP:https://hicbc.com/tv/futsunorenai
■TVer番組ページ:https://tver.jp/series/sr5aump8n9
■公式SNS
ドラマ公式X:https://x.com/cbc_dramatrip
ドラマ公式Instgram:https://www.instagram.com/cbc_dramatrip
ドラマ公式TikTok:@cbc_dramatrip
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