ミュージカル『ウェイトレス』製作発表レポート!「何の先入観もなく劇場に体験しに来てほしい」
2025年4月9日~30日に日生劇場にて、5月に愛知・大阪・福岡にて上演されるミュージカル『ウェイトレス』。
本作は、アメリカ映画「ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた」(2007年)をベースに製作された、ブロードウェイミュージカル。日本では2021年に初演を迎え、コロナ禍の影響の中でも満席の大盛況となった作品。
アメリカ南部の田舎町でとびきりのパイを売る評判のダイナーのウェイトレス、主人公ジェナを演じるのは2021年に引き続き高畑充希。妊娠・出産・離婚・自立・養育など女性の人生の岐路を、高畑充希演じるジェナを中心に人間味豊かなキャラクターたちが織りなすミュージカル・コメディが、豪華新キャストも迎え、2025年4月に再演を果たす。
今回は、高畑充希、森崎ウィン、ソニン、LiLiCoが登壇した製作発表の様子をお届けする。
本作への意気込みについて主演の高畑充希は、「3年前に、コロナ禍の中でみんなで一生懸命作り上げた日本版の『ウェイトレス』を、またこうして再演という形で皆さんの前にお届けすることができて、さらに今回は声が出せる状況なのですごく楽しみです。新しいメンバーも参加してくれたので、みんなでまたワクワクして作っていけたらと思います」と再演への期待を語った。
その後、司会者より「ご結婚おめでとうございます」とお祝いの言葉が述べられると、高畑は「ありがとうございます。自分事じゃない感じがずっとしていてちょっとふわふわしています。 この間FNS歌謡祭に出たら、ジェナ役の指輪が本人の指輪だとニュースになって、テレビってすごいと思いました。でも、同じ役を自分が結婚して臨むとなると、また違う感覚も得られるのかなと思っています。 新婚最初の仕事がお医者さんとダブル不倫する話なので、なかなか面白い流れだなと思いました(笑)」と感謝の気持ちと結婚後初の仕事となる本作へ挑む思いを述べた。
森崎は「初演の時に観に行かせていただきまして、すごく感動しました。男性である僕が見ても持ち帰るものがたくさんある作品に、こうして宮野真守さんが演じたこの役を自分が引き継がせていただき、本当に計り知れない思いでいっぱいです。そして、充希ちゃんがご結婚されて、そのダブル不倫の相手を演じるということで、ちょっと面白くなりそうだなと思いながらも(笑)、個人的にも本当に大好きな作品なので、その作品の一部となれることを本当に楽しみにしています」と
ソニンは「私は、この作品をブロードウェイで観た時から、 絶対に日本でやってほしいと思ったくらいこの作品の大ファンで、今回お話をいただいた時は「あの世界に入れるんだ」という喜びでいっぱいでした。こうやって製作発表をしたり歌番組に出たりすると、どんどん本番が近づいている感じがしてワクワクが止まらないです。ドーンは、内気というかちょっと冴えないオタクな役ですが、なかなか最近演じることのなかったタイプの役なので楽しみに、そしてみんなとこの『ウェイトレス』の世界を作り上げることを楽しみにしています」と
LiLiCoは「50歳の時に、『ウェイトレス』でミュージカルデビューをさせていただいて、あまりにも興奮して、始まる数ヶ月前に外でずっこけて膝の皿を割るという大怪我をしてしまい、その中の釘とワイヤーとともにやらせていただきました。膝がずっと痛かったんですが今回は抜きました。なので1キロぐらい軽くなってると思うんですが、今回もベッキーらしく堂々と、そしてみんなをまとめていけたらいいなと思っています。新キャストの皆さんともどういう空気を作れるかとても楽しみにしています」と、それぞれの思いを熱く語った。
初演時の印象的なエピソードについて、高畑とLiLiCoは、「ずっとマスクをしてやっていたので、逆にマスクを取った時に、こんな顔をしていたんだな」と、コロナ禍での上演ならではのエピソードを明かした。
LiLiCoは、「私はけっこう声が大きいみたいで、自分ではわからないんですよ。すごく小さくしたんですけど、ずっと歌の先生に「to loud!」と言われました(笑)」と明るく語り
高畑は「初演の時は声が出せなかったので、お客さんも笑っちゃいけなかったんですよね。一応コメディなので、ウケてないんじゃないかという不安に駆られながらやっていました(笑)。今回は、そういうことを考えずにやれるので、幸せをかみしめています。でも、今回笑わなかったら本当にへこみますね」と初演時を振り返った。
本作の魅力について、今回からの新キャストとなる森崎は「僕はブロードウェイ版は観ていないので、日本版でこの作品と出会いました。翻訳ミュージカルだと地名や名前がカタカナが多かったりするので、日本に住んでいるとあまり親近感が湧かないこともあったりするんです。それはそれですごく良さが詰まっているとは思うのですが、今回、パイ自体は身近ではないですが、一人の女性の人生の葛藤という部分に感動しまして。異国で生まれた作品ですが、すごく共感できるなと思いました。楽曲も本当に魅力的だと感じます」と、本作の魅力を語り
ソニンは「もちろん日本の初演も拝見していますが、最初に観たのがブロードウェイ版で、劇場に入った瞬間にパイの香りがするんです。そこから私たちの世界のストーリーなんだという入り口ができているんですよね。ミュージカルというと、割と昔の話だったり歴史上の人物だったりを演じることも多かったりしますが、この作品は私たちにすごく近い登場人物がたくさん出てくるので、 多分お客さまが、自分のストーリーなんだと共感できる部分がたくさんあると思います。ミュージカルは、割と敷居が高いと思われがちですが、この作品は本当に身近な物語で、夢だったり現実だったりを『ウェイトレス』の世界の中で行き来するので、自分の人生を見つめ直せる、自分たちに近い物語だというところが魅力だと思います」と本作の魅力についてそれぞれ熱く述べた。
最後に、主演の高畑から本作の魅力について「初演の時は観に来てくださった方に、すごく楽しかったけどあれはポスター詐欺だよと言われて(笑)。多分ビジュアルイメージだと、ポップで明るいガールズミュージカルのように見えると思うのですが、実際の内容は、女性がどう生きていくかという話だったり、社会問題がすごく盛り込まれてるので。目を背けたいような出来事、でも、いつも隣にあるような出来事を混ぜ込んで、パイみたいに甘く焼き上げたような作品だと思います。
観に来てくださった方は、テーマパークに行ったみたいに楽しかったと言ってくれる方もいれば、自分の人生を見直したと言ってくれる方もいるし、ただただあれからずっとサントラ聞いてるよという方もいて。本当に老若男女に楽しんでいただける作品だと思います。ただ、子連れだけはダメです(笑)。お子様はポカンとなるシーンがけっこう多いと思うので。 でも、ある程度年齢を重ねた人にはグサグサ響くような作品になっています。私は初演の作品に関わることがあまりなくて、再演も参加するのは初めての経験でした。 それくらいどうしてももう1回やりたい作品だったので、何の先入観もなく劇場に体験しに来てほしいと思います」と熱いメッセージが語られ、製作発表は終了した。
文・撮影:THEATER GIRL編集部
公演概要
ミュージカル『ウェイトレス』
脚本:ジェシー・ネルソン 音楽・歌詞:サラ・バレリス
原作映画製作:エイドリアン・シェリー
オリジナルブロードウェイ振付:ロリン・ラッターロ
オリジナルブロードウェイ演出:ダイアン・パウルス
出演:
高畑充希 森崎ウィン ソニン LiLiCo
水田航生 おばたのお兄さん/西村ヒロチョ 田中要次 山西惇
2025年4月 日生劇場
5月 愛知・Niterra 日本特殊陶業市民会館フォレストホール
大阪・梅田芸術劇場メインホール 福岡・博多座
製作・主催:東宝/フジテレビジョン/キョードー東京
共同制作:バリー&フラン・ワイズラー
公式 WEB サイト https://www.tohostage.com/waitress/