昆 夏美、星風まどか ら出演。ミュージカル『マリー・キュリー』開幕!「マリーの気持ちを嘘なく演じたい」
10月25日(土)、26日(日)に、天王洲 銀河劇場にて、ミュージカル『マリー・キュリー』が開幕した。
2023年日本初演し、開幕直後から、マリーの信念に共感した多くの観客から支持を獲得したミュージカル「マリー・キュリー」。
韓国で加えられた台本の創作部分を、「ありえたかもしれない」もう一人のマリー・キュリーの物語として捉え、本作品をFact<歴史的事実>×Fiction<虚構>=ファクション・ミュージカルとして、鈴木裕美が演出を手掛け、その繊細な人物描写が大きな感動をもたらした。
今公演で、タイトルロールのマリー・キュリーを演じるのは、数々のミュージカル作品でその類まれなる歌唱力を遺憾なく発揮し、日本を代表するミュージカル女優となった昆 夏美と、元宝塚娘役トップとして人気と実力を兼ね揃え、本作が初のタイトルロールを演じる星風まどか。
マリーの夫、ピエール・キュリー役には、松下優也と葛山信吾。マリーの親友、アンヌ役に、鈴木瑛美子と石田ニコル。そして、投資家・ルーベン役に、水田航生と雷太といった華のある実力派俳優が勢揃いし、ダブルキャストでそれぞれの魅力を遺憾なく発揮して演じる。
今回は、囲み取材に登壇した、演出の鈴木裕美、出演の昆夏美、星風まどか、松下優也、葛山信吾、鈴木瑛美子、石田ニコル、水田航生、雷太のコメントと舞台写真をお届けする。
コメント

昆 夏美 / マリー・キュリー役
初日を前にして、とても緊張感のある朝を迎えておりますが、稽古で必死に自分と向き合ってきたことを信じて、カンパニーの皆さんのことを信じて、そして(鈴木)裕美さんを信じて素敵な公演を毎日務められるように頑張っていきたいと思っております。
この役は私にとって大きな挑戦だなというのは稽古前からずっと思っていて、やっぱりお稽古をしていくと、本当に大きな壁が色々な角度から何枚も何枚も目の前に立ちはだかってきましたが、それはこの作品とも通ずるところがあるなと思います。色々な壁や障害が立ちはだかっていようがどんどん壁を壊していく、突き進んでいくエネルギーを持っているマリーの姿が、自分の稽古期間とリンクして勇気をもらっていました。
マリーが生きた時代のように「女性だから」嫌な思いをすることは現代では少なくなっているかもしれないけれど、なくなったわけではないと思います。これは昔の話ではなく、今もどこかの誰かが同じような思いを少なからずしているかもしれないという裕美さんからの言葉がとても響いて、同じような経験をしたことがあるお客様に「マリーは自分のことだ」と感じてもらえるよう、マリーの気持ちを嘘なく演じたいと思っています。
この役と最後まで真摯に向き合うことが出来れば新しい自分にもまた出会えるかもしれないなと思える、私にとってすごく可能性に満ちた役だと感じていますが、まずはこのマリー・キュリーという役を、女性の生涯をしっかりお客様にお届けしたいという思いでいっぱいです。
今日と明日、新しい『マリー・キュリー』が生まれます。これから回を重ねるごとにさらにいろいろな発見が出てくる作品だと思いますので、どうぞ2つのバージョンをご覧いただいて違いをお客様自身で体感していただけたらいいなと思います。劇場でお待ちしております。
松下優也 / ピエール・キュリー役
お初にお目にかかります、ひげ付きの松下優也です!
ひげの生えたビジュアルが役者をやっていてはじめての経験なので、ある種自分にとっては挑戦です。
ようやく『マリー・キュリー』が開幕となるということで、個人的にはひとつ前の作品でパワフルなドラァグクイーンの役をやらせてもらっていて、今回は物理学者の男性ということで「間に合うのかな…?」と思っていたのですが、演出の(鈴木)裕美さん、そしてマリー役の昆(夏美)さんはじめ周りの皆さんに導いてもらいながら、なんとか間に合いそうです!
僕が演じるピエール・キュリーは、マリーの良き理解者であり、生涯にわたって彼女に寄り添いサポートするというような役柄で、そういう役どころはあまり経験してきていないのですごく個人的には挑戦になる役柄かなと思っています。
鈴木瑛美子 / アンヌ役
昆ちゃんと私が演じるマリーとアンヌの関係性は、自分というものを主張しあうことで分かり合えたり、信頼しあえる「自己主張があってこそのシスターフッド」なのかなと思っています。信頼関係の築き方によっては相手のことを軸に、「あなたがいるから」と考える人もいると思いますが、我々は自分が核にあって、自分という人間がいてこその相手だという考え方が共通しています。マリーには自分が大切にしている科学というものがあって、アンヌも自分のやりたいことに突き進んでいくというところにも共通点があったりとか。自己主張をする中でもちゃんと相手を受け入れ、愛し、信じるという関係性が素敵だなと感じます。
稽古の間からカンパニー全体でたくさん話し合ってきて、マリーとアンヌの関係だったりとか、1人1人のキャラクターだったりとか、そういうことも裕美さんはじめみんなと本当によく話してきたので、あとはもう公演で新鮮さだったりとかそういうものを感じながら、日々自分自身も楽しんで心からアンヌとして生きられたらいいなと思っています。
水田航生 / ルーベン役
もっともっと良くなるんじゃないか?という探求心が稽古を通してずーっと続いていて、舞台稽古に入れば固まっていくのかと思っていたのですが、こうした方がいいんじゃないか?ああした方がいいんじゃないか?という思いがまだ渦巻いていて、ここ最近で一番緊張しているかもしれません。でも、(鈴木)裕美さんの教えのもと、その場で起きていることをしっかり捉えて、そこで生まれたものを表現する舞台ならではの感覚を、みんなが共通認識としてもってここまで来れているので、その探求を千穐楽まで止めずに、毎公演集中して演じたいと思います。
僕たちの役も史実上にはいない創作の役なので、Fact〈歴史的事実〉×Fiction〈虚構〉の中でフィクションを担っているような出方もしたりするところは役として面白い部分でもありますし、そこをお客様がどう感じ取るかによってこの作品の見え方もそれぞれ変わっていくのではないかと思います。あと、思いのほか踊っているところも僕たちの見どころになっていると思います。
星風まどか / マリー・キュリー役
今は期待と不安、そして闘志といったものが渦巻いている状態です。
でもとにかく作品の中に生きるマリー・キュリーの魂や作品の持つ心のようなものをお客様にお届けできるように、演出の鈴木裕美さんの教えを胸に、そして共演者の皆様を信じて、化学反応に背中を押してもらいながら初日に挑みたいと思っています。
(宝塚退団後初のタイトルロールは)宝塚の娘役だとこういう機会はないので大きな緊張感と責任を感じています。マリー・キュリーという役も志高く芯の強い女性なので、稽古から感情など自分にないものを手探りで模索しながら稽古に励んでいました。
これから始まる公演でも、1回1回を大切に、生まれ変わるような気持ちで常に新鮮に挑戦し続けたいと思っています。
はじめは科学への愛や母国への愛でしたが、色々な方に出会うことによって夫婦愛や友情など原動力が増えていく感覚が稽古を進めながらあって、相手の方とのキャッチボールに心躍りますし、それによって助けられる部分が沢山あったのを毎日実感していました。
マリーは周りの方々に助けられた人生で私もそういう人生を送ってきているので、改めてありがたいなと思いつつ、そういう部分を大切に演じたいと思っています。
1年前までは女性だけの劇団にいたのでマリーのような(女性だからと差別を受けるような)感覚はなく、日々自分のことに集中して、自分との闘いを続けてきました。
周りの方からのお力で舞台に立てていたと思っているので、マリーをはじめ当時生きていらっしゃった女性の方々がどんな思いで日々を生きられていたか想像するのは計り知れないんですが、色々な気持ちで公演を観てくださる方がいらっしゃると思いますので、そういう方々に寄り添いながら、そして共感しながらマリーとして生きたいと思っています。
是非2チーム観ていただけたらと思います。
葛山信吾 / ピエール・キュリー役
僕たち(星風まどか、葛山信吾、石田ニコル)は明日(26日)初日を迎えるので、まだ本当の緊張感は持てていないのかもしれませんが、逆に色々なプレッシャーが襲ってきてまして、余計なことを考えているな…というような現状です。
この2か月間、皆で稽古して演出の鈴木裕美さんのご指導のもと頑張ってきましたので、それを信じて最後の最後までどんどんどんどん変化を楽しみたいなと思っています。
思い返せば、30代半ばで鈴木裕美さんに『アンナ・カレーニナ』という作品でミュージカルに引き込んでいただきました。
ミュージカル界で活躍されている方々の中に入って、53歳頑張る!というのが今回の挑戦だと思います(笑)
石田ニコル / アンヌ役
稽古を皆で頑張ってきたので、最後までケガなくやりきっていきたいなと思っています。
アンヌは史実にはいない存在なので、まどかちゃんと一緒にやるのであればどういうアンナだったら良いのだろうと思った時に、マリーの背中をグーっと押していけるような関係でできたらと思いました。
そのために、まどかちゃんを毎日見つめているので(笑)、これからも見つめ続けたいと思います。
雷太 / ルーベン役
今回はWキャストということで客観的に作品を観ることができたのですが、僕自身もすごく皆様のパフォーマンスで心揺さぶられる瞬間がたくさんあって、楽曲も、スタッフの皆さんのクリエイティブも、演出もすべてが素晴らしい作品に仕上がっていると思うので、劇場に観に来てくださる皆さんに素敵な演劇体験をお届けできたらなと思っています。
僕個人からすると、ルーベンは計り知れない信念の持ち主というか、ある種の野望というか、自分自身の核をもった人物なので、演じるのがすごくワクワクしました。それがマリーと通じる魅力でもあるので、舞台上で自分の良さを活かせていたらいいなと思いますし、舞台上にいるシーンが多いので、観ている人にいろんなとらえ方をしていただけるのではないかと思います。
踊りのシーンも多いのですが、水田くんと僕とでは表現方法が違うので、そこもWキャストとして見どころの一つになるのかなと思います。
鈴木裕美 【演出】
比較的充実した長い期間稽古をやらせていただくことができたので、2つのバージョンは相当ニュアンスを変えることができたと思いますし、全体を通して、たい焼きで例えると、しっぽの方にあんこが入ってないぞ?ということがない、どこにもパンパンにあんこが入っている、どのシーンを観ていただいても完成度が高くいい作品になっていると思いますので楽しみにしていてください。
科学に対する愛だったり、夫婦の愛だったり、友人との愛であったり、様々な種類の愛が描かれています。そこに非常に強い情熱をもって進んでいく主人公がいますので、いろいろな意味でミュージカルファンの方も、演劇ファンの方も、何かを愛する、それに向かって突き進んでいくところは共感していただけるのではないかと思います。
2つのバージョンの違いは、昆ちゃんたちは、個がぶつかり合っている、野心的でキラキラした愛の”アンビシャス”バージョン。
(星風)まどかちゃんたちの方は、もう少し不器用で誠実な愛バージョン。調和であるとか、お互いを思いやる気持ちがより濃い感じになっているので、比較的ニュアンスは違うと思います。これは、私が演出したのではなく、俳優さんたちから出てきたものを調整して出来上がったものなので、より俳優の魅力を感じていただけると思いますし、2つのバージョンご覧いただけると、一つの戯曲、一つの音楽を、こんな風に違うように歌ったり、違うように表現できるのかおわかりいただけると思いますし、優れた戯曲、優れた音楽というのは面白いな~と思っていただけるのではないかと思います。
今回の「マリー・キュリー」は史実はもとにしているのですが、〈フィクション〉のありえたかもしれないもう一つのマリー・キュリーとして戯曲が創られているのですが、女性差別だったり、国籍差別を受けたりする科学オタクが、いろんな人との人間関係の中で、人間関係がちょっと上手になる物語なので、共感していただけるところは多いかと思います。ぜひ劇場にお越しください。

撮影:田中亜紀
舞台写真










撮影:田中亜紀
公演概要
ミュージカル「マリー・キュリー」
脚: チョン・セウン
作曲: チェ・ジョンユン
演出: 鈴木裕美
翻訳・訳詞: 高橋亜子
出演:
昆 夏美 星風まどか(Wキャスト)/松下優也 葛山信吾(Wキャスト)/鈴木瑛美子 石田ニコル(Wキャスト)
水田航生 雷太(Wキャスト)
能條愛未 可知寛子 清水彩花 石川新太 坂元宏旬 藤浦功一 山口将太朗 石井 咲 石井亜早実
飯田汐音(Swing)
【東京公演】
2025年10月25日(土)~11月9日(日)
天王洲 銀河劇場
【大阪公演】
2025年11月28日(金)~11月30日(日)
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
企画・製作: AMUSE CREATIVE STUDIO
公式サイト: https://mariecurie-musical.jp/
公式X:@mariecurie_jp
