正門良規(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)主演、原作・脚本加藤シゲアキ『染、色』取材会レポート!
――加藤さんにお伺いしたいのですが、今回、ご自身で本を書かれていて、俳優としても出演したいという思いはなかったのでしょうか?
加藤:今回は、最初から出ないプロジェクトにしようっていうのはあって。多分、僕が演じると自分のイメージ通りにはできると思うんですけど、そうじゃないものが見たいと思っていて。
原作も自分の作品なので、それを舞台化するときに、そこまで作るということは僕の使命にしているんですけど。手が離れたときに、僕の想像を超えるものにしてくれる演出家の方とやりたいという話で進んでいたんです。瀬戸山さんとは、一度ご一緒しているので、そこに対してはもう申し分ないといいますか、間違いなくいい作品にしてくださるだろうと思ったので、 今回は脚本家に徹することが喜びだと感じていました。
――こうやって実際の舞台で、ご自身の本が視覚化されてみて、改めてどのようにお感じになりましたか?
加藤:感慨深いものがあります。今言ったように、想像を超えた本当にいい作品になっていますし。キャスティングが決まる前に台本ができているので、この作品を読んでからこの仕事を受けるっていうキャストの方もきっといるだろうから、読んでいておもしろい台本にするということが僕の中の個人的なミッションではあったんです。
お芝居がしやすいというよりは、読んでいて楽しい台本にまずしようと、めちゃくちゃ細かいト書きや描写も書いて。僕はそれをラブレターだと思って皆さんに送ったんですけど、瀬戸山さんはそれを挑戦状だと受け取ったようで(笑)。かなり無茶ぶりのようなト書きを、なるべく忠実に再現しようとしてくれる意地みたいなものが、見ていてとても楽しくて。変わっていた部分は、「ここはさすがに無理だったんだな」って(笑)。そういった部分もすごく面白かったですね。
僕は、「変えてもいいですよ」って言ってるんですけど、瀬戸山さんは、すごく真摯というか。「まずはそのままやります」という感じで、すごく「染、色」を愛して、この作品に臨んでくださっているんだなと感じました。
――では、最後に代表して正門さんから改めて意気込みをお願いします。
正門:スタッフさんとキャスト全員でまずは千秋楽を迎える、完走するというのを目標にやっていきたいなと思います。来ていただいた方に、後悔のないようしっかりと楽しんでいただけるよう、作品を届けたいなと思っているので頑張ります。
文:撮影:THEATER GIRL編集部
公演概要
染、色
【東京公演】
2021年5月29日(土)〜 6月20日(日)
東京グローブ座
【大阪公演】
2021年6月24日(木)〜 6月30日(水)
梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
脚本:加藤シゲアキ
演出:瀬戸山美咲
出演:
正門良規 (Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)
三浦透子 松島庄汰 小日向星一 黒崎レイナ/岡田義徳
原作:加藤シゲアキ「染色」(角川文庫『傘をもたない蟻たちは』所収)
主催・企画製作:東京グローブ座