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朝夏まなと、神田沙也加、寺脇康文、別所哲也ら出演。ミュージカル『マイ・フェア・レディ』公開ゲネプロ&取材会レポート!

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11月14日(日)から、東京・帝国劇場にてミュージカル『マイ・フェア・レディ』が開幕した。

本作は、イギリスの下町に住む花売り娘・イライザが、言語学者・ヒギンズ教授のレッスンにより見違えるような貴婦人へと変貌する様子を描いている。1963年に日本で初めて上演されたブロードウェイミュージカルとして、その後も再演を重ねるミュージカル界の歴史に残る名作。また、オードリー・ヘプバーン主演の映画版でも広く知られている。

日本初演50年周年を迎えた2013年に、本作はリニューアル。翻訳・訳詞・演出を手がけるG2によって、クラシカルで華やかな英国の雰囲気はそのままに、個性豊かな登場人物たちの生き生きとした感情がより際立つ作品として生まれ変わった。

2018年にはWキャストとして朝夏まなと、神田沙也加が主演のイライザ役に、寺脇康文、別所哲也がヒギンズ教授役に抜擢され大成功を収めた。そして今回は12年ぶりに帝国劇場にて上演が決定。相島一之、今井清隆、春風ひとみ、伊東弘美、前田美波里など、2018年公演の続投キャストにくわえて、イライザに恋するフレディ役に前山剛久、寺西拓人が出演する。

今回は、朝夏まなと、神田沙也加、寺脇康文、別所哲也、前山剛久、寺西拓人が登壇した初日前会見の様子をお届けする。

初日前会見レポート

イライザ役を務める朝夏と神田は8月に同劇場でミュージカル『王家の紋章』に出演していた。そのことに触れながら、朝夏は「先日までこの帝国劇場でエジプトの世界にいたけれども、今ではすっかりイギリスの『マイ・フェア・レディ』の世界になっています。この作品は帝国劇場が持つクラシカルな雰囲気にぴったり」と語り、神田は「劇場入りしたときに、セットとこの客席のマッチングにとても感動しました。今回は可愛らしいアートもあるので、それをお客さまにも観てもらえたら」と、同劇場で公演する喜びをそれぞれ噛み締めていた。

2013年から同作品に出演し、今回4度目のヒギンズ教授を演じる寺脇。「4回やっても、脚本や感情の深みを感じる作品。『こういう台詞の言い方だったのか』、『こういう気持ちになるのか』など、新しい発見や気付き、解釈がありました。歴史ある劇場で、歴史ある作品にまた挑めるのが一段と嬉しいです」と話す。

一方、別所は「今回も朝夏まなとさんはじめ、キャスト、スタッフ、みんなで一緒に作り上げていきたいです。横にいるフレディもフレッシュで、『僕も20年前ならフレディができたかな?』と思いながら見ています。フレディのフレッシュさはないかもしれませんが、琥珀色の男を演じられたら」と隣にいる寺西を見ながらほほ笑んだ。さらに、「言葉を大切にする言語学者のヒギンズから学ぶことがあります。言葉を越えて繋がるイライザとの人間関係を大事にしながら、この劇場で素晴らしい旅ができたら」とも。

フレディ役の前山は「帝国劇場に立つたびに、劇場の歴史を感じて緊張しています。偶然にもボイストレーニングを始めたとき、最初に練習した曲がフレディの『君が住む街』。とても縁を感じているので、フレッシュにがんばりたいです」と意気込んだ。

寺西は「同じ帝国劇場で例年上演されてきた『Endless SHOCK』で、お世話になっている堂本光一くんに出演を報告したらいろんなアドバイスをいただけました。『ジャニーさんの言葉を大切に』『見てくれている人は見てくれている』といった光一くんからの言葉を胸に、1月末の博多座までしっかりと走り抜けられたら」と話す。

取材会では、今年一年を表す漢字を問われる場面も。朝夏は「この一年で何回PCR検査したのだろうかと思い、最初にパッと浮かんだのは唾液の『唾』という漢字(笑)。でもこれはよくないなと思ったので、協力の『協』かなと。出演者もスタッフもみんなで公演をやり遂げるために協力し合い、お客さまにも感染症対策に協力いただいた一年でした」と語る。

神田は「考」という漢字を挙げた。「劇場に集うことに対して、いろいろな対策をしながらみんながよく考えた一年だったと思います。エンターテインメントのあり方を考えると同時に、自身の健康について、これからについてなどさまざまなことを熟考しました」と話す。

寺脇は体を使って大きく「雨」と空中に描いた。「試練の雨が降り続いたが、その雨を受け入れながら頑張った一年でした。来年は『雨』から『晴』になれば」と力強く語った。

別所も寺脇に続き、「繋」を描きながら「今年は人と繋がるのが難しかった一年。だからこそ、繋がることについて考える機会が増えたり、こんな中でもいろんな繋がり方ができるんだと感じたりしました」と述べた。

「僕も描かせていただいてよろしいでしょうか?」と先輩らに確認しながら、前山は『愛』と描いた。「コロナ禍で舞台を観に来るのも大変だった中で、劇場に来ていただく原動力、僕らが演じる原動力は舞台に対する愛や人に対する愛があったからだと感じます」と答えた。

寺西は「朝夏さんが振りのようにおっしゃったので、ドキッとしましたけれども……僕も『唾』という漢字です(笑)。週2回、3回と今年はとにかく唾液を出す量が多くて。最初は上手く行きませんでしたが、今では口の中で必要な量の唾液を的確に出せるようになって、唾液慣れしてきました。唾液関係のお仕事待ってます(笑)」と茶目っ気あふれる口調で会場を笑わせた。ほかにも、寺西は自分が話し出すたびに毎回「フレディ役の寺西拓人です」と自己紹介。出演者から「何回自己紹介するの(笑)?」と愛のあるツッコミがあり、ムードメーカーの一面を伺わせた。

作品のおすすめのポイントについて、朝夏は2018年の公演と比較して「今回は、よりイライザとヒギンズ教授の愛の深さにフィーチャーしています。二人の関係性がさらに緻密に繊細に作られているので、そこに注目してほしいです」、神田は「発している言葉の心の内に何が起きているか探りながら観てもらえると、より立体的に作品を楽しんでもらえるはず」と語った。

稽古場で、感情を込めて台詞を発したときに、次の台詞が分からなくなってしまうことがあったという寺脇。「どこでヒギンズがイライザに惚れたのか、どこでイライザがヒギンズに関心を持ち始めたか……。親戚のような目線で二人を見守っていただけたら」とほほ笑んだ。さらに、別所は「大人の不器用な恋、夢を見るように旅をしていただける音楽、豪華な衣裳、台詞に込められた数々の言葉の宝石を楽しんでほしいです。言葉遣い一つで人間の見え方が違って見えてしまうのがテーマとしてお届けできると思います」と作品の魅力を存分に述べた。

共にフレディを演じる前山と寺西は、それぞれの違いを楽しんでほしいと意気込む。稽古場でのエピソードについて、前山は「フレディはイライザに恋をしている役。演出のG2さんにも『まっすぐ恋をしろ』と言われていましたが、二人のシーンで思わず後ずさりをしてしまって。『なんで後ろに行くの?恋していないのか?』とG2さんから問われて、『恋してます!めっちゃかわいいですもん!』と言ったら、なぜか神田さんからビンタされてしまって(笑)」と話し、神田からはすかさず「エアビンタですよ(笑)!」と訂正が入った。

エアビンタした理由について、「一度拒否されたのに褒められたから、その切り替えの早さに戸惑ってしまって思わず手が出ました(笑)」と神田は恥ずかしそうに笑い、それを聞いた前山は「マスクで表情が分からなかったので、『怒っていたのかな?』と悩んでいました。今日聞けてよかったです」と安堵した。

また「イライザの父・アルフレッド・ドゥーリトルが出ているシーンは全て大好き」という寺西はイライザとの別れ際のシーンのポーズがお気に入り。ネタバレにならないようにしてほしいと念を押しながら、そのポーズを真似し笑いを誘った。

それぞれのチーム名について、朝夏・別所・寺西チームを「べつまーたく」、神田・寺脇・前山チームを「かんてらまえ」と呼び合っているという。最後に、朝夏は「取材会の雰囲気で伝わっているかと思いますが、この『マイ・フェア・レディ』カンパニーはみんな元気でとても仲良しです。『べつまーたく』、『かんてらまえ』両チーム共に楽しんでもらえたら。この劇場でお客さんと共に楽しい時間を共有したいです」と意気込んだ。

神田は「1月末の大千穐楽まで完走しきるのがテーマ。しっかり自己管理して、みんなと協力しあって最後の景色を迎えたいです。そして12年ぶりに帝劇でこの作品をお届けできることに意味を感じていますし、とても感謝しています。この劇場には神様がいると言われているので、大変な中がんばった演劇人たちを、帝劇の神様が見守って最後まで送り出してくれるといいなと思います」と締めくくった。

文:矢内あや
撮影:THEATER GIRL編集部

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THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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