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三浦宏規、川平慈英ら出演。ミュージカル『ナビレラ -それでも蝶は舞う- 』開幕!「自信を持ってお届けできる作品に仕上がっています」

REPORT

2024年5月18日(土)、シアタークリエにてミュージカル『ナビレラ -それでも蝶は舞う- 』が開幕した。

原作は韓国でドラマ化されるほどの人気を博した韓国発のWEB漫画『ナビレラ』。夢を追う若者と、夢を諦めきれない元郵便配達員が、バレエを通じて絆を育む物語だ。韓国では2019年に初めてミュージカル化され、2021年には再演も上演。そんな作品が今回、三浦宏規と川平慈英をW主演に迎え、初の日本版として上演された。

一流バレエダンサーを目指して汗を流すイ・チェロク役には、菊田一夫演劇賞受賞も記憶に新しく、自身も5歳からクラシックバレエを続けてきたという、まさにこの役にぴったりな経歴を持つ三浦宏規。もう1人の主人公で、幼い頃からの夢だったバレエの世界に足を踏み入れるシム・ドクチュル役は、躍動感あふれる芝居が高く評価されている川平慈英が演じる。さらに、ドクシュルの妻役の岡まゆみやドクチュルの次男役の狩野英孝をはじめ、オレノグラフィティ、瀧澤 翼、青山なぎさと井上音生(Wキャスト)、舘形比呂一といった、幅広い分野で活躍するキャスト陣が集結した。

上演台本・演出を手掛けるのは、自身も俳優として活動する劇団KAKUTA主宰の桑原裕子。ヒューマンドラマに定評のある彼女が、個性的なキャスト陣とともに、バレエでつながる絆をどう描き出したのだろうか。

初日を前に実施された囲み取材には三浦、川平、岡、狩野の4名が登壇。本記事では囲み取材の様子とともに、ゲネプロレポートをお届けする。

会見では司会からの「まさにぴったりの役では?」の言葉に、「ずっとバレエをやってきたのでバレエを題材とした作品に出られることで舞い上がってしまって『俺しかいないと思います』といろんな取材で言って、自分の首をしめてしまって(笑)。すごく緊張しています」と謙虚にはにかんだ三浦。

幕が開けると序盤から惜しみなく、三浦演じるチェロクの身体がしなやかに宙を舞った。川平が「宏規しかいないというのはM1からわかると思います」と語った通り、全編を通じて、人間ドラマと同時に美しいバレエの世界に魅了される作品に仕上がっていた。バレエへの愛がこれほど真実味を持って伝わってくるのは、バレエを愛してきた三浦のバックボーンがあってこそ。彼の強みと魅力が100%を超えて詰まった、まさに三浦の真骨頂といえるだろう。

会見では緊張していると語りながらも、「原作はリスペクトしながら、いい意味でイメージを裏切っていきたいです」と熱く意気込みを語った。指先まで魂のこもったバレエとともに、チェロクが抱える苦悩を荒々しくも繊細に描き出す表現力にも注目だ。

ドクチュルを演じる川平は、70歳でバレエに挑む老人という役柄に対し「チャレンジングだけど楽しみ!」と明るいトーンで会見の雰囲気を和やかにする。本格的にバレエを踊るのは初だというが、三浦からは「めちゃくちゃうまいです!」と太鼓判を押されていた。

「バレエをやったら腰痛が治ったのでおすすめ!」と茶目っ気たっぷりに話していた会見の川平から一転、ステージ上には足腰の老いを感じさせるドクチュルの姿が。伸びやかな歌声に諦めきれない夢への思いを乗せ、チェロクや観客の心の温度をじわりと上げていった。


「小さいティッシュじゃなくて箱ティッシュを持ってきていただきたい。こんなに夢と勇気と希望をもらえる作品はないんじゃないかと自負しております」と初日に向けての意気込みを見せる。

初共演となった三浦と川平の年齢逆転な師弟関係も見どころだ。2人の関係を会見で問われると、バディでもあり、川平にとって三浦は「養子縁組したいくらい」かわいい存在だそう。三浦は「(川平の)大ファンだったので恐れ多い気持ちもありながら、ノリノリで楽しませてもらっています」と笑顔を見せ、2人の培った温かな関係性を感じさせた。

「探り探り、とにかく迷惑をかけないようにだけ」と語ったのは、今作が初舞台・初ミュージカル出演となる狩野英孝。本人はそうそうたる顔ぶれに恐縮しきりといった様子だったが、3人からは狩野の歌が「泣ける」と高く評価されていた。三浦からいまだに「三浦さん」と呼ばれていることを暴露され、その場で「宏規くん」と呼ぶ練習をするというコミカルな一幕も。

作中では、狩野の根っこの部分にある人の良さや真面目さがにじみ出るまっすぐな芝居が印象的だった。同時に、川平が「コメディでは敵いません」とコメントしたように、狩野にしか出せない独特な佇まいと賑やかし方で笑いを誘っていた。

会見でも男性陣を温かな眼差しで見守っていた岡は、どこか懐かしさを感じさせる“肝っ玉母さん”な芝居で客席を包み込む。しっかり者の長男役のオレノグラフィティ、その娘役の井上音生(青山なぎさとのWキャスト、ゲネプロでは井上が出演)、次男が揃うシーンは、観ていて思わず実家に帰省したくなるかもしれない。

チェロクの元サッカー仲間の青年を演じるのはENJINのTSUBASAとしても活動する瀧澤 翼。チェロクとはまた違ったベクトルで夢への葛藤を抱く心の揺らぎを好演。チェロクの物語に厚みをもたらしていた。

バレエ団団長役は、舞踊家・振付家としても活躍するTHE CONVOY SHOWの舘形比呂一。立ち姿から感じられるオーラとは裏腹にチャーミングな団長のギャップがなんとも魅力的なキャラクターに仕上がっていた。

会見は、最後に三浦が「演出の桑原さんはじめスタッフ、キャストのみなさま本当に心意気がいいんです。家族みたいなんですよ。素晴らしい人たちが集まっている奇跡に感謝しながら、自信を持ってお届けできる作品に仕上がっています!頑張ります!」とコメント。初日に向けての意気込みを語った。

夢を追いかけることに疲れてしまった人も、夢をずっとむかしに諦めた人も、これから夢を探したい人も。現在進行系で夢に向かって頑張っている人の心に効くのはもちろん、夢と距離を置いている人にも、ドクチュルとチェロクの姿は今一度夢と向き合う勇気が与えてくれるだろう。ミュージカル『ナビレラ -それでも蝶は舞う- 』はシアタークリエにて、5月18日(土)から6月8日(日)まで上演される。

文:双海しお
Photo:THEATER GIRL編集部

公演概要

ミュージカル『ナビレラ -それでも蝶は舞う-』

キャスト:
イ・チェロク:三浦宏規 シム・ドクチュル:川平慈英

ドクチュルの妻:岡まゆみ
ドクチュルの次男、TVプロデューサー:狩野英孝
ドクチュルの長男、会社員:オレノグラフィティ
チェロクの元サッカー仲間:瀧澤 翼
ドクチュルの孫娘:青山なぎさ/井上音生(W キャスト)
バレエ団長:舘形比呂一

久保貫太郎

市川絵美 岩﨑巧馬 岡山玲奈 河西茉祐 古賀雄大 政田洋平 舞夏 山田美貴

【STAFF】
上演台本・演出 桑原裕子

原作「ナビレラ」 作:HUN, JIMMY
オリジナル台本・作詞 パク・ヘリム
作曲 キム・ヒョウン
オリジナル・プロダクション ソウル芸術団

音楽監督 門司 肇
美術 田中敏恵
照明 原田 保
音響 大野美由紀
衣裳 半田悦子
ヘアメイク 大宝みゆき
振付 富田 彩
振付助手(バレエ) 脇坂舞美
歌唱指導 益田トッポ
稽古ピアノ 浅野直子
演出助手 相田剛志 和田沙緒理
舞台監督 幸光順平
制作助手 寺本奈央
プロデューサー 柴原 愛 村田晴子

【公演日程】
2024 年 5 月 18 日(土)~6 月 8 日(土) 日比谷 シアタークリエ
一般前売開始:3月23日(土) 料金(全席指定・税込)13,000 円

公式ホームページ https://www.tohostage.com/navillera/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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