加藤和樹×小野田龍之介インタビューミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』「大きな人間模様、絆、愛が表現される作品になっている」（後編）

2021.12.16

INTERVIEW

2021年12月8日(水)から東京・日生劇場にて、その後2022年1月8日(土)・9日(日)に大阪・梅田芸術劇場メインホール、1月15日(土)・16日(日)に名古屋・愛知県芸術劇場大ホールにてミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター～北斗の拳～』が上演。さらに、2022年秋には、中国ツアーも予定されています。

本作は、国内のみならず世界中で圧倒的な人気を誇る漫画「北斗の拳」をミュージカル化した作品。主人公のケンシロウ役を演じるのは、ミュージカルや映像など様々な分野で活躍し、類まれな身体能力を持つ大貫勇輔さん。その他、平原綾香さん、May’ｎさん、加藤和樹さん、小野田龍之介さん、植原卓也さん、上田堪大さん、伊礼彼方さん、上原理生さん、福井晶一さん、宮尾俊太郎さんなど豪華な出演者が揃います。

THEATER GIRL編集部がお話をうかがったのは、トキ役をWキャストで演じる加藤和樹さんと小野田龍之介さん。インタビュー後編となる今回は、お互いがリスペクトしているところ、本作への意気込みなどをたっぷりと語っていただきました。

インタビュー前編はこちら

「『北斗の拳』のキャラクターに共感すると思わなかった」と感じてもらえるのでは

――グランドミュージカルだからこそできる『北斗の拳』があるんですね。

小野田：ある意味、2.5次元ミュージカルといいますか。和樹くんもやられていますし、僕もやらせていただいたことがありますけれども、2.5次元ミュージカルの中でもいろんな種類があると思うんですよね。ミュージカル『テニスの王子様』、ミュージカル『刀剣乱舞』とかはキャラクターを重視した舞台という印象が強くて。逆に、漫画『北斗の拳』をグランドミュージカルにして、さらに海外との共同で作るとなったときに、キャラクターの枠を超えた何かが自然と出てくる。それが他作品との色味の違いかなというのはありますよね。

実は、人間ドラマを感じられる場面もあって。「『北斗の拳』のキャラクターに共感すると思わなかった」と感じる方も多いのではないかなと思います。あんなゴツゴツの人たちが出てくるとなかなか共感しづらい部分はあるかもしれないですが、生身の人間がこういう音楽をふんだんに使って、日本の技術を持って臨むからこそ、それを超えたドラマをお届けできるのかなと。

加藤：実は結構前からこの2.5次元といわれる題材をグランドミュージカルに出ている俳優たちが本気でやったらどうなるんだろうと想像していたところがありまして。もちろん、2.5次元ミュージカルは僕たちも通ってきていますし、あの特徴や素晴らしさはもちろん理解はしています。ただ、やはり自分もこのグランドミュージカルに足を踏み入れるようになって、こんなに素晴らしい役者さんたちがいるのを知って、「この人たちが本気で2.5次元の題材をやったらどうなるんだ？」と本当で思っていたんですよ。それで、今回のこの『北斗の拳』のお話をいただいて、「ホリプロさん本気出したな」なんて思うところもありましたし（笑）、そこに集まっている役者さんたちの本気度や向き合い方が尋常じゃなくて。

多分それは誰もが「これは生半可な覚悟ではできない」と理解しているからですよね。そういうエネルギー量をとても感じていますし、本当にこのグランドミュージカルでしかできない表現の仕方、音楽、芝居、歌……その全てをドーンと魅せられるのはここだけだなと感じています。