小野花梨インタビュー『パラダイス』「地に足をつけてゆっくり歩ませていただいている感覚」（後編）

2022.09.24

INTERVIEW

2022年9月25日より大阪・森ノ宮ピロティホール、10月7日より東京・BunkamuraシアターコクーンにてCOCOON PRODUCTION 2022『パラダイス』が上演されます。2020年に上演を予定するも新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い公演が中止となっており、今回2年越しに上演が叶いました。

本作は、救いようのない詐欺グループの男たちの栄枯盛衰の物語。一見豊かで、平和ぼけしているかのような東京を舞台に、社会の底辺で蠢く男たちが刹那的な幸福を求め、破滅を予期しながらも走り続ける様を描きます。

演出を務めるのは、実際に起きた事件やその時々の世相を題材にしながら、あたかも登場人物たちの日常を観客が覗き見しているような不思議な空間へと誘う作風で高い評価を得てきた赤堀雅秋さん。

主演を務めるのは、歌手としてはもちろん、バラエティ、情報番組の司会など多岐に渡って活躍し、俳優としても、ドラマ・映画・舞台とジャンルを問わず出演している関ジャニ∞の丸山隆平さん。共演に八嶋智人さん、毎熊克哉さん、水澤紳吾さん、小野花梨さん、永田崇人さん、梅沢昌代さん、坂井真紀さん、西岡德馬さんらベテランから若手まで実力派キャストが揃いました。

THEATER GIRLは、望月道子役の小野花梨さんにインタビュー。後編では、作品にちなんで、今までの人生での成功と失敗エピソードや小野さんにとっての舞台の存在、稽古や本番前のルーティンをうかがいました。

インタビュー前編はこちら

地に足をつけてゆっくり歩ませていただいている感覚

――本作では、詐欺グループの“成功と転落”が描かれていますが、小野さんが今までの人生で成功したと感じた瞬間はどんなときでしょうか？

難しいですね……！　でも今、パッと出てこないので成功体験ってなかなかない気がします。失敗体験の方が圧倒的に多い人生なので（笑）。でも、失敗から何か一つでも学べたら、それは成功なんじゃないかなと思います。

――本作では“転落”も描かれているので、逆に今までの人生での「失敗エピソード」はありますか？

最近のエピソードだと、夜に窓を開けっぱなしで寝ちゃって、めちゃくちゃ蚊に刺されました（苦笑）。窓がちょっとだけ開いていたみたいで、蚊のブーンって音で目が覚めて……もうそこからは地獄でした。皆様も気を付けてください（笑）。

――今、ドラマや映画など様々な作品に引っ張りだこの小野さんですが、環境が変わったと感じることはありますか？

最近はありがたいことにいろいろな作品に出演させていただくことが増えたんですけど、意外と以前と変わったと思うことがないんです。地に足をつけてというか、ゆっくり歩ませていただいている感覚があるので。でも、最近インタビュアーの方に、「ご活躍ですね」と言っていただくことが増えたので、そういうところでたまに実感するかもしれません（笑）。