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岡山天音インタビュー 『hana-1970、コザが燃えた日-』「繰り返し同じ台詞を言うこと自体が非日常的な体験」(前編)

INTERVIEW

――現在お稽古はまだ序盤の段階とお伺いしておりますが、アキオ役を演じるにあたって今はどんなことを意識したいと考えていらっしゃいますか?

現時点では、共演する松山さんのことをよく見ています。松山さんといいますか、松山さんが演じるハルオのことですね。アキオとは血の繋がらない兄弟として生きてきたということもあり、 二人が舞台上で生きている様が物語の推進力になると思うので。

アキオが、兄弟であるハルオのどんな姿を見て今日まで生きてきたのか。兄弟役として松山さん とどうステージに立つべきなのか。 それらをイメージするために、松山さんがどういう声で、どう台詞を発しているか、役の主観、岡山天音の主観を通して、よく見るようにしていますね。

「これまで何を背負ってきたのか」アキオの背中から滲み出れば

――今は役に対するバックボーンを作っている段階なんですね。

そうですね。この家族の中でターニングポイントである、核となった出来事が全て描かれているわけではなくて。裏に隠されている部分が結構あるなという印象が今はあります。ただ、それを役者が舞台上で表現したときに、お客さんから観てそういう背景が浮かぶように、そこまでのクオリティに上げていかなければいけません。

台詞でいろいろ説明しきってしまう作品も多いと思いますが、本作はそうではないんですよね。見えないけど、見える。そんな感覚を覚えてもらえる舞台になるのではないかなと思っています。今台本を読んでいる段階でも、そういう部分がとても面白くて。でも、それってとても豊かなことですよね。

アキオの背中に、これまで何を背負ってきたのか、何を見てきたのか。そういうものが滲み出ればいいなと思います。直接的に台本で描かれていない部分も含めて、いろいろなイメージを膨らませています。

次のページ:アキオが見せる氷山の一角から、お客さん自身でどんどんイメージが立ち上がる作品

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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