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美弥るりかインタビュー Musical「The Parlor」「多くの人に共感してもらえる主人公を等身大で演じたい」(前編)

INTERVIEW

2022年4月から5月にかけて東京と兵庫で上演されるMusical「The Parlor」。本作は、演出家・小林香氏が手掛ける新作オリジナルミュージカルで、曽祖母・祖母・母と受け継がれてきた場所=「ザ・パーラー」を舞台に、悩み傷つきながらも自分らしい美しさや強さを手に入れて生きようとする人々を描くハートフルなストーリー。

主人公のゲームクリエイター“円山朱里”を演じるのは、宝塚歌劇団星組・その後月組にて男役で活躍し、退団後も唯一無二の存在感で舞台をはじめ様々なフィールドで活動の幅を広げる美弥るりかさん。

共演には、祖母の阿弥莉役で宝塚OGの剣幸さん、同じく宝塚OGで朱里の母・千里と妹・灯の二役を演じる花乃まりあさん、幼い娘を育てるシングルファーザーの巧役に植原卓也さん、クロスドレッサーのザザ役を演じる舘形比呂一さん、ゲーマーの主婦アリス役の北川理恵さん、大手おもちゃメーカー・トイッスルの社長で灯の父親・草笛遊史役の坂元健児さんら、個性あふれる実力派キャストが名を連ねています。

THEATER GIRLは主演の美弥るりかさんにインタビューを敢行。前編では、本作の印象や今まで演じたことのないタイプの役に挑む心境について話をお聞きしました。

インタビュー後編はこちら

私自身と役が根本の部分ですごくリンクしている――

――最初に、本作に出演することが決まった時のお気持ちをうかがえますか。

演出の小林 香さんとは、昨年7月に上演された『SHOW-ISMS』シリーズの「Version マトリョーシカ」で初めてご一緒して、その後「新しく脚本を書くので、その作品に出てほしい」と声をかけていただきました。生まれたばかりのオリジナル作品の登場人物として“生きる”のは、すごく演じがいがありますし、とても光栄な事。ぜひ挑戦してみたいと思い本作への出演を決意しました。

――台本を読んだ時の印象も、ぜひ聞かせてください。

本作では「ザ・パーラー」というお店を舞台に、親子三世代の物語が描かれます。時代は変わってもその時々で女性たちは悩みを抱えていて、今も昔も根本的な問題は変わらないかもしれない。けれど、問題の種類は時代と共にちょっとずつ変化しているのだなと思いましたし、私自身も生きている中で感じる様々な事や、つまずくことなど朱里とたくさんリンクする部分があると感じました。

――それは具体的に、どんな部分でしょう?

日本はジェンダーの問題に対し後進国だと言われていますが、それに対して円山朱里はとても憤りを感じている。私自身は宝塚を離れて男役というベールを脱いで「これからどうやって生きたいか?」と考えた時に、「性別に垣根なんてないのに、なんで“女優”っていうんだろう?」とか、すごく不思議に思ったんですね。

「男役、もう終わったんだから、じゃあドレスを着て歌いたいか?」って聞かれたら、私はそう思わなかったし、「着たいと思った時に着ればいい」「演じることに性別を持つ必要はない」と自然と思うことが出来て、「ジェンダーフリーな活動をしていきたいです」と言うことが出来ました。

そういった根本的な部分で、すごく朱里というキャラクターとリンクするものがあったし、“そこ”に気付いた私が彼女を演じることで、より役柄にリアルさがあったり、一人でも多くの方に共感していただけたり、何かを見つめ直すきっかけになるのではないか・・・・・・そんな気持ちで朱里を演じられたらいいなと思いました。

次のページ:朱里は今この瞬間を生きている人間として初めて演じるタイプの役

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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