松本穂香インタビュー『昭和から騒ぎ』「一人一人のキャラクターがとても愛おしい」
2025年5月25日より東京・世田谷パブリックシアターにて、『昭和から騒ぎ』が上演されます。
シェイクスピア原作『から騒ぎ』(原題:Much Ado About Nothing)といえば、イタリア・シチリア島を舞台に、2組の男女が騙し騙されながら繰り広げる゛元祖ラブコメ゛。 その古典的な喜劇が、三谷幸喜氏の手にかかれば、舞台は昭和20年代の古都・鎌倉へ…。登場するのも、ある大学教授一家と旅芸人一座の面々たち・・・。一体全体、中世イタリアを舞台にした「恋のかけ引き」に、三谷氏は何を仕掛けたのやら…。
大泉洋さん、宮沢りえさん、竜星涼さん、松本穂香さん、松島庄汰さん、峯村リエさん、高橋克実さん、山崎一さんの三谷氏の信頼も厚い鉄壁の8人が新たな世界を創っていきます。
今回は、松本穂香さんのインタビューをお届け。初となる三谷作品の稽古場での様子や喜劇への出演について、本作の意気込みなどをうかがいました。
――初めての三谷作品。稽古場の様子はいかがですか?
とても温かくて、楽しい稽古場です。先輩たちに対して失礼かもしれませんが、みなさん本当に可愛らしい方ばかりで、とても居心地のいい現場です。私の親世代の方も多いのですが、「こんなお父さんがいたらいいな」とか思ったりしています(笑)。特に、宮沢りえさんと私のお父さん役が高橋克実さんなのですが、高橋さんが私のツボです(笑)。
笑ってはいけない場面でもついつい笑っちゃうので、どうしたら笑わないでいられるか…、そこが私の課題でもあります。
――宮沢さんと姉妹役とのことですが、稽古場ではどんなコミュニケーションを取られていましたか?
稽古場でたくさんおしゃべりをさせていただいて、毎日いろいろなアドバイスをくださるんです。「昔、自分も言ってもらって身になったことだから」とか「こうやったほうがいいよ」と具体的に優しくアドバイスをくださるので、とても助けていただいています。そうやって日々、繋がりが濃くなっていっていると思うので、それがみなさんの目にも姉妹の絆として映れば嬉しいですね。大泉さんも、いろいろと話しかけてくださって芝居以外のお話も聞かせていただいています。とにかく三谷さんと大泉さんの稽古中の攻防戦みたいな会話がとても楽しくて!
――ベテラン揃いのカンパニーで、どのような刺激をもらっていますか。
みなさんのお稽古を拝見していると、同じお芝居、同じセリフでも毎回微妙に違っていて、それぞれ自由に楽しみながらお芝居をされていることが伝わってくるんです。それが、とても素敵で、それこそが舞台のすごさだとも感じています。そこに自分が参加できていることが、ものすごく幸せなことだなと日々感じています!
――恋愛喜劇とのことですが、「コメディ」はお得意ですか?
私は出身が大阪で、吉本新喜劇を見て育ったのですが、その新喜劇に通ずるものを感じました。新喜劇と同じように駐在さんも出て来たり、最終的にはみんなでワイワイしながら終わるハッピーエンドだというところも似ていて、昔からある喜劇の良さみたいな温かみを感じます。
でも、喜劇は大好きなのですが、演じるのは難しいとも感じています。ちょっとした言い方や間で変わってしまいますし、狙いすぎてもダメでしょうし。でも、そういうチャレンジは大好きなので、毎日の稽古がとても楽しいです。
――最後に本作品への意気込みをお願いします。
三谷さんの脚本と演出は、一人一人のキャラクターがとても愛おしいんです。私も、その一人になって、そこに埋もれることなく楽しくお芝居をしたいと思っています。是非、お楽しみに!
公演概要

『昭和から騒ぎ』
【東京公演】
2025年 5月25日(日)~6月16(月)
世田谷パブリックシアター
【大阪公演】 2025年 6月20日(金)~6月23日(月)
SkyシアターMBS
【福岡公演】 2025年 6月27日(金)~6月29日(日)
キャナルシティ劇場
【札幌公演】
2025年 7月 4日(金)~7月 6日(日)
カナモトホール(札幌市民ホール)
【函館公演】
2025年 7月 9日(水)~7月10日(木)
函館市民会館
【原作】 ウィリアム・シェイクスピア
河合祥一郎訳「新訳 から騒ぎ」角川文庫より
【翻案・演出】 三谷幸喜
【出演】 大泉洋 宮沢りえ 竜星涼 松本穂香 松島庄汰 峯村リエ 高橋克実 山崎一
【企画・製作】 シス・カンパニー
