篠原涼子、荒木宏文出演。朗読劇『したいとか、したくないとかの話じゃない』公開舞台稽古&会見レポート！

2023.04.22

REPORT

4 月 20 日(木)より、東京・六本木の俳優座劇場にて、朗読劇『したいとか、したくないとかの話じゃない』の公演が始まった。足立紳原作の家族小説を朗読劇化した本作。企画・プロデュースは、映画『万引き家族』、ドラマ『silent』など、数多くの劇場映画、テレビドラマのヒット作を制作してきたプロダクションAOI Pro.が行う。また、足立とともに共同脚本・演出を、劇団宝船主宰の新井友香が担当する。

それぞれWキャストとして、大山恭子役に篠原涼子、佐藤仁美、大山孝志役に荒木宏文、山崎樹範の4名が出演する。また、朗読劇本編で上映される劇中ドラマは、早川聖来(乃木坂46)とゆうたろうが夫婦役で初共演。

物語の舞台は、コロナの話題で持ちきりの2020年春。映画監督として一時はブレイクしかけるも、その後は泣かず飛ばずで、浮気相手にも振られる始末の夫・孝志。そんな夫に内緒で応募したシナリオコンクールで優秀賞を受賞し、家事育児だけの生活から外の生活に飛び出そうとしている妻・恭子。セックスレスをきっかけに、夫婦のあり方、子育てのあり方、そして人生を見つめ直す二人のリアリティ溢れるファミリーストーリーを描く。

今回は篠原涼子、荒木宏文による公開ゲネプロと、その後行われた会見の様子をレポートする。

公開ゲネプロを終え、直後に初日公演を控えている二人。本番に向けた意気込みを聞かれ、篠原は「やっと（ゲネプロが）終わったって感じがしたんですけど、ゲネプロができたおかげで、舞台の雰囲気を感じることができたので、本番も一生懸命頑張ろうと思います」と安堵の表情を浮かべた。荒木は「この朗読劇を作っている最中から、ぜひ篠原さんと舞台でも共演したいなと感じました。そんな篠原さんと、アイコンタクトで感情の流れのキャッチボールができるこの作品が魅力的だなと。この後の初日公演と明日の2日間、精一杯表現したいと思います」と意気込んだ。

朗読劇に初めて挑戦する篠原は「お芝居に逃げられないため、すごく難しかったです。基本的には動きがあまりないので、台詞を覚え込んで演じるというよりは、読んで伝えていく。言葉一つで形が変わってしまうんだと思いました」とコメントし、朗読劇ならではの伝え方の難しさを感じたという。

篠原と荒木は今回が初共演。お互いの印象について、篠原は「こんな素敵な方と一緒にやれるなんて。やっぱり朗読劇や舞台をたくさんやられているから、そのおかげで私はとても助けられました。どうやってやればいいんだろうと思いながら、（稽古中の荒木さんを）拝見して『なるほどなるほど』って。良いこと言ったので、お願いしますね（笑）」と、次に答える荒木にジョークを飛ばして会場を笑わせた。

一方で、荒木は「（篠原と共演して）すごく楽しかったです。特に会話をしているシーンは欲が出ちゃいますね。今度は台本を離して、ちゃんと目を見て台詞を言いたいなって。篠原さんは、言葉に感情が乗っていて、一緒にお芝居をしていて楽しい方なので、ぜひ舞台に出てください（笑）」と篠原にラブコールを送り、篠原も「頑張ります」と笑顔で応えた。

本作は、夫婦が織りなす赤裸々すぎる会話が見どころ。篠原は「夫婦として生活を共にしていくと、相手の見たくないところ、自分自身が見せたくないところがいろいろと出てきますが、実際はそんなこと言っていられない。そういうところがリアルに描かれているので、とても面白いなと思いました」と話し、好きなシーンについては「けっこう（孝志に対して）ボコボコに言うじゃないですか。そのシーンは仕事を通して（実際に）ストレス発散させてもらっているような感じがありますけれども（笑）。でもお互いを再確認して、見つめ合っていく場面はとても良いシーンになっていると思います」とコメントした。

荒木は、コロナ禍を時代背景に置いたことに触れ、「皆さんが経験した、たった数年前の話なので、観ている人たちが『ああ、そうだった』と、すぐに背景を思い浮かべられると思います。だからこそ、朗読劇という動きのない演劇でも、その景色が見えてくる。僕らが飛ばしている言葉に、お客さまが色を付けやすい作品なのかなと感じました」と話した。

最後に、理想の夫婦について聞かれ、荒木は「自分の両親です」と答え、「僕は兵庫県の田舎で育ったので、祖父母やご近所をはじめ、地域全体に見守られながら育つことができました。その環境下をとても温かいと思いますし、今でも帰ると『おー、頑張っとるな』と町で声を掛けてもらえるので、そこで育ててくれた親に感謝ですね」とほほ笑んだ。