田村 心×小林亮太インタビュー「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーロー「自分たちでやらなきゃいけないという責任感は感じていました」（後編）
2023年4月29日（土・祝）より、天王洲 銀河劇場を皮切りに「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーローが上演されます。
本作は『週刊少年ジャンプ』で連載中の堀越耕平氏による「僕のヒーローアカデミア」を原作としたシリーズの4作目となり、昨年上演された「平和の象徴」公演の続きの物語が描かれます。
オール・フォー・ワンとの死闘の末、No.1 ヒーローのオールマイトが事実上引退し訪れた、「平和の象徴」不在という新たな局面。緑谷出久（みどりやいずく） 、爆豪勝己（ばくごうかつき）ら1年Ａ組の生徒たちはそれぞれの思いを胸に、士傑高校をはじめ全国のライバルが集う「プロヒーロー仮免取得試験」に挑むことになります。その最中、オールマイト引退への責任と焦燥感に駆られる爆豪勝己。彼の行き場のない気持ちは、同じヒーローに憧れ実はその継承者でもある緑谷出久へ、そして己へと向かっていく……。
今回、THEATER GIRLがインタビューを行なったのは、緑谷出久役の田村 心さんと、爆豪勝己役の小林亮太さん。後編では、印象的なエピソードや、お互いが思うそれぞれの強み、今ほしい“個性”などについて語っていただきました。おふたりの仲の良さが伝わるやりとりをお楽しみください♪
クリスマス・ディナーは蕎麦、その理由
――先ほど田村さんがおっしゃったように、ヒロステキャストのみなさんはとても仲が良くていらっしゃいますが、これまでにあった印象的なできごとを聞かせてください。
小林：印象的なできごと……（笑）。何か言ってない話あるかな？
田村：うーん……。いろいろあるからなぁ。
――（しばしの間）。
小林：ちがうんですよ、ないとかじゃなくて。「話せるものはどれだ？」っていう取捨選択をしてて（笑）。どれだったら言えるかな。
田村：あり過ぎて、今更言うことでもない、みたいな感じすらあるしね。
小林：……あ。この前のクリスマスに（田村さんに）無理やり会ってもらいました。
田村：あぁ！
小林：たまたまなんですけど、その日、僕がちょっと早めに稽古が終わって。その稽古場がクリスマス仕様になっていて・・･「なんだかなぁ、、ん～・・・あ！田村心なら今日いける！」って思って（笑）。連絡しました。
田村：蕎麦食ったな、ふたりで！ 5日後とかに、どうせまた一緒に年越し蕎麦食うのに！（笑）
小林：あはは！ そうそう（笑）。
――クリスマスにお蕎麦とは、なかなか渋いチョイスですね。
小林：どこも席が空いてなかったんですよ！
田村：ようやく入れたのが蕎麦屋で、それまでは「予約で一杯です」って門前払いでした。
――それは悲しいですね……（笑）。
田村：はい、悲しかったです（笑）。
それぞれが思う、お互いの強みは「ポテンシャルの高さ」と「想像力」
――緑谷と爆豪、もといデクとかっちゃんの関係は、単純に幼馴染みという言葉では言い表せない複雑さがありますが、互いの強みや成長についてはよく分かり合っているように感じます。田村さんと小林さんが、お互いに相手の「すごいな」と思っている点はどんなところでしょうか？
田村：それはもう、ね。ポテンシャル高いですから。もうひとりの座長みたいな感じなので。
小林：（すこし照れながら）いやいやいや……。
田村：ダンスとかをみんなに教えてくれたり。そういうところはすごいなって思う。
小林：（田村さんは）考える力がすごいと思うんですよね。ふたりでヒロアカの原作を読んでいた時に「この後さ、これはこうかなぁ？」とか、本当にブログとかに書いて上げたほうがいいよっていうレベルの面白い考察を……。
田村：１つも当たんなかったじゃん！
小林：あはは。それでも考察としては面白かったから。そういう想像力って演技をする上で絶対大事だと思うし、そこは尊敬しますね。身体も強いし。
田村：もうガタが来てるよ（笑）。
“芝居力”と“切り替え力”を伸ばしたい
――今作「最高のヒーロー」で描かれるエピソードでも、デクとかっちゃんは自分の長所を伸ばしたり短所を補ったりと、目覚しく成長していきますよね。田村さんと小林さんは役者としてさらにステップアップするために、もっと伸ばしたいところや克服したいこと、新しく挑戦したいことなどはありますか？
田村：これは芝居力ですね。
小林：同じく。
田村：とにかく芝居力を高めていかなきゃ。役者と名乗ってる時点で、まず求められるのは芝居だと思うので。
小林：同じく。
――いろいろな要素が含まれた、総合的な力のような気がします。
小林：うーん……あ。僕、その日によくないことが起こったりした時、それが全部お芝居する上での心の状態に反映されちゃうんですよ。
田村：引きずるタイプだ。
小林：目の前に作品の台本があって、そっちに集中しなくちゃという思いはあるんですけど、どこかでそのよくないことがずっと脳裏をよぎっていて。「自分、切り替えが下手だなぁ」って思うので、上手く切り替えられるようになりたいですね（苦笑）。
田村：自分もそれ欲しいかも。本番中、１つミスしたら2時間ずっと引きずっちゃうもん。
小林：そうそうそう、分かる！ もう絶対どっかであるもん。「みんなはどうしてるんだろう？」って思うんですけど、本当に引きずっちゃうんですよ。もちろん（周りからは）分からないように頑張るんですけど。そうですねぇ……切り替えできるようになりたいですね。
二者二様の「自分にとってのヒーロー」とは
――では、作品にちなんだ質問もお願いします。これまでを振り返って「この人に助けられた／救われた」という、自分にとってのヒーローに巡り合ったエピソードを聞かせてください。
田村：同じことを、まさにヒロステのオーディションの時にも聞かれましたけど。僕はもうずっと、好きなアーティストの名前を答えています。UVERworld。彼らが自分の性格を作ってくれたような気もしているし、夢を追いかけたきっかけもそうだったし。直接関わったことはないですけど、いろいろ助けてもらったなっていう思いはありますね。
小林：僕は、ファンの方ですかね・・・。本番中でも、自分で自分のイヤなところや「わぁ……」って思ったりするところが多いんですよ。でもどの作品にも劇場に足を運んでくださって、観て思ったことを言葉にして伝えてくださる。僕はそれに救われているところがあるんです。それぞれの顔が分かっているわけではないので、自分の一方的な思いかもしれないですけど、皆様の言葉で救われています。
ふたりが揃ってほしい“個性”は「人の名前と顔を一度で記憶できる」能力
――これも、もう何度も経験した質問かもしれませんが。もし“個性”が発現するとしたら、どんなものがいいでしょう？ 今の気分でお願いします。
田村：出た（笑）。
小林：本当によく聞かれるな、これ（笑）。今もらえるとしたら……人の名前と顔を、一度で記憶できる“個性”！
田村：あぁー。
小林：いや、顔合わせで「どこどこの誰々です！」って言われても、一回じゃ覚えられなくて！ 今はマスクもしてるし！
――ですよね、顔が半分しか見えませんし（笑）。
小林：で、2回目に会った時に「初めまして」っていくのも違うし。「このスタッフさん、どこかで会った気がするんだけど、うーん……名前を思い出せない」っていうのが、すごくモヤモヤしちゃって。
田村：取材とかでもよくあるよね。ライターさんや、カメラマンさんと顔を合わせた時に「あれ、絶対どこかで会ってるな？」って。
――（笑）。
小林：一回で顔と名前を覚えられる能力は欲しい……！
――マスクをしている状況だと、なかなか人の判別はシビアですよね。
小林：髪型、髪色とかが変わったりすると、もう……（ため息）。
田村：俺もそれ欲しいよ。だって、人の年齢とか覚えないもん。誕生日も覚えない。正直、亮ちゃんが今いくつかもちょっと怪しいし。
小林：やめろ！ （笑）
田村：（年齢は）ぶっちゃけ、みんな分かんない。年上か年下かで判断してる。
小林：雑（笑）。
田村：じゃあ、顔と名前と年齢と誕生日が覚えられる“個性”。
小林：俺のより強化されてる！
――それで大丈夫ですか？（笑）
田村：一旦それで（笑）。
――では最後に、上演を楽しみにしているみなさんへのメッセージをお願いします。
小林：前作「平和の象徴」の最後にオールマイトからもらったものや、今までのヒロステの中で培ってきたものを大事にしながら、今作も今の自分が出せる最大限で挑もうと思いますので、ぜひ熱量を浴びに来てほしいです。って、自分で自分にプレッシャーをかけますけど（笑）。ヒロステの魅力のひとつには熱量で押してるところもあるので、ぜひ！ 劇場でお待ちしてます！
田村：4作目ということで、僕らの思い入れもいろいろありますし。4作やってきたから築けた関係性や、表現できる何かがあると思っているので。前作のストーリーは暗い部分もありましたけど、最後は笑顔で終われたし、ヒロステはそういう作品だと思うから、お客様には楽しんでほしいと思っています。過去3作とはまたちがった雰囲気になりそうだと、台本を読んでいて感じたので、そんな新しさも楽しみにしていただきつつ。僕らも頑張るので、劇場に来てもらえたらなと思います。お待ちしております！
取材・文：古原孝子
Photo：梁瀬玉実
公演概要
「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 最高のヒーロー
【公演期間・劇場】
＜東京＞2023 年 4 月 29 日（土・祝）～5 月 7 日（日） 天王洲 銀河劇場
＜兵庫＞2023 年 5 月 12 日（金）～5 月 14 日（日） AiiA 2.5 Theater Kobe
＜東京凱旋＞2023 年 5 月 19 日（金）～5 月 21 日（日） 日本青年館ホール
【原作】堀越耕平「僕のヒーローアカデミア」（集英社「週刊少年ジャンプ」連載）
【演出】元吉庸泰
【脚本】西森英行
【音楽】和田俊輔
【振付】塩野拓矢（梅棒）
【キャスト】
緑谷出久 田村 心／
爆豪勝己 小林亮太
麗日お茶子 竹内 夢
飯田天哉 武子直輝
轟 焦凍 北村 諒／
蛙吹梅雨 野口真緒
切島鋭児郎 田中尚輝
上鳴電気 佐藤祐吾
青山優雅 橋本真一
八百万 百 山﨑紗彩
峰田 実 奥井那我人
常闇踏陰 松原 凛
耳郎響香 川上明莉
瀬呂範太 池田 慎
芦戸三奈 永利優妃
障子目蔵 大久保圭介
尾白猿夫 茶谷優太
砂藤力道 坂上翔麻／
夜嵐イナサ 白柏寿大
現見ケミィ 竹井未来望
肉倉精児 今井俊斗／
イレイザーヘッド 瀬戸祐介
プレゼント・マイク 岡本悠紀
ミッドナイト 木内海美／
オールマイト 吉岡 佑
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オールラウンダー 田邊 謙 辻村晃慶 大原万由子 師富永奈 松岡歩武 中沢凜之介
【声の出演】
葉隠 透 名塚佳織
【映像出演】
トガヒミコ 伊波杏樹
【チケット料金】（全席指定・税込）
＜東京・兵庫公演＞
S席：9,800円（全席指定・税込）
S席サイドシート：9,800円（全席指定・税込）
A席（3階席）：7,800円（全席指定・税込）
A席サイドシート（3階席）：7,800円（全席指定・税込）
立見券：7,800円（全席指定・税込）
＜東京凱旋公演＞
9,800円（全席指定・税込）
サイドシート：9,800円（全席指定・税込）
【公 演 に 関 す る お 問 い 合 わ せ】
ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/about/contact1.php
【主催】「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 製作委員会（ネルケプランニング／東宝／集英社／読売テレビ）
【公 式 サ イ ト】https://heroaca-stage.com/
【公 式 T w i t t e r】@heroaca_stage
©堀越耕平／集英社・「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage 製作委員会
