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渡邊圭祐インタビュー 『無駄な抵抗』「決して悲劇的ではなくポジティブなメッセージが隠れています」(後編)

INTERVIEW

2023年11月11日(土)から、世田谷パブリックシアターを皮切りに『無駄な抵抗』が上演されます。

本作は、ソポクレスの「オイディプス王」に代表されるギリシャ悲劇を着想の源とし、「運命」と「自由意志」をテーマに、前川知大さんが作・演出を手掛けた意欲作です。

キャストには、前川さんが主宰を務める劇団「イキウメ」公演ほか、数々の前川作品に出演している池谷のぶえさんをはじめ、松雪泰子さん、清水葉月さん。また、前川作品初出演となる渡邊圭祐さん、穂志もえかさんといった多彩な顔ぶれが集結。そして、前川作品には欠かせないイキウメの俳優、安井順平さん、浜田信也さん、盛隆二さん、森下創さん、大窪人衛さんが脇を固めます。

今回は、舞台出演が3作目となる渡邊圭祐さんにインタビュー。後編では、本作の内容にちなんだお話から、30歳を迎えるにあたっての心境や今後の展望まで、たっぷりとお届けします。

インタビュー前編はこちら

きっと運命って1個だけじゃないんだろうなって

――劇中で芽衣は、占い師だった桜の過去の発言にとらわれて生きてきました。ご自身にも、ずっととらわれきた過去の出来事があったりしますか?

大抵のことは気にしない性格なんですが、それこそ僕も占いで「事故を起こすから、今年は車を運転しないように」と言われて、それは守っています(笑)。この仕事を辞めなきゃいけなくなるぐらいの大事故だと言われたんです。ということは、歩けなくなるとか外傷がすごいとかっていうレベルじゃないですか。そうなると、がっつり自分の人生に関わってくるので。車を持っているほうが楽ですけど、ないならないで何とかなるし、お酒を飲むのも好きなので、今年いっぱいは我慢しようかなと思っています。

――ちなみに、本作は「運命」もキーワードですが、運命は自分の手で変えられると思いますか?

変えられるんじゃないですかね。運命って、過去のことであれば何に対しても言えちゃうじゃないですか。例えば「運命の出会い」っていうけど、結果として結ばれたから美談としてそう言えるだけでしょって思ってしまうんです(笑)。逆に、この先のことが運命として決まっているとも思わないんですよね。単に、自分がその道を選んだからそうなるというだけで。それに、そういうものに縛られないほうが幸せなんじゃないかなって。僕のなかには“なるようになる精神”があって、とりあえずやってみて、なるようになった結果を受け入れればいいんじゃないのって思うので。「これ、運命じゃん」みたいな言葉って、“軽っ!”って思っちゃうんです。僕、ひねくれてるから(笑)。

――では、渡邊さんが役者の仕事に就いたのも、運命ではないと。

なるようになっただけというか。それが運命だと言われたらそれまでなんですけど(笑)。ただ、ちゃんと過程があるので、いろんな人に支えられて、ご縁があって出会った人たちがいるから、今こうなっているんだと思うと、運命という4文字で片づけられたくないというか。そこのストーリーはもっと大事にしたほうがよくない? と思っちゃうんです。

――わりと刹那主義だったり?

そういうわけでもないんですが、過去や未来のことを考えないわけじゃないですし、“あのときにあっちを選んでいたら、どうなっていたんだろう”とか考えたりもします。でも、過去に違う選択をしていたとして今の自分がこうなっていたかというと、絶対にそんなことはないと思うんです。例えば、僕は二十歳のときにある人を訪ねたことがきっかけで今の仕事をすることになったんですが、その人のところに行かないという選択をしていたら、役者をやっていないと思うので。

――役者が自分の天職だと思うこともないんですか?

(役者に)向いているなとは思いますが、別の仕事に就いたとしてもきっと楽しんでできるな、とも思います。そうなると、きっと運命って1個だけじゃないんだろうなって、今お話ししながら思いました。運命って、何となく1個だと決めつけていましたが。

――作品のタイトルにちなんで……無駄な抵抗だとわかっていても、自分なりの信念があればあえて抵抗してみますか。それとも、最初からあきらめてしまいますか。

基本的には、あきらめて受け入れます。開き直りに近いのかな。でも、無駄な抵抗をするときもあります。子どもが病院に行かなきゃいけないのに駄々をこねるのと一緒で、“絶対にここに行かなきゃいけないんだけど、気が重いな”と思ったら、喫茶店に行ってちょっとだけ時間稼ぎをするとか(笑)。今日が締め切りのものなのに、夜まで粘るとか。

――文字通り、無駄な抵抗ですね(笑)。

無駄な抵抗なんかしないで、すぐやればいいのに、と思う自分もいるんですよ。基本的には「悩んでいるヒマがあったら、やればよくない?」という考えなので。僕があまり悩まないのは、「とりあえずやってみて、ダメだったらダメでしかたない」と思うタイプだからかもしれないです。

「みんなで作り上げたほうが絶対にいい」それに気づくことができた

――プライベートでは、まもなく30歳を迎えられます。ある意味、節目でもありますが、年齢を意識することはありますか?

ものすごく意識します。30歳になるのって、二十歳になるときよりも“大台に乗る感”がすごくあります。10代から20代になるのって、成人するということもあるし、すごく大きかった気がするんですが、それ以上に30代になるって大人感が強すぎて。“うわっ、ちゃんとしなきゃ!”という使命に近いものをすごく感じています。だからなのか、二十歳になるときのワクワク感みたいなものは、いっさいないです。だって、20代ではできなくて、30代になるとできるようになることってないじゃないですか。

――それは、物理的にという意味で?

そうです。玉木宏さんや岡田准一さんが、40代でブラジリアン柔術の大会に出場したりしているじゃないですか。そういう意味では、年齢は関係ないなって思います。でも、どうしても“30代かぁ……重たっ!”という気持ちが勝っちゃいます(笑)。

――そして、2023年は俳優デビュー5周年の年でもありましたが、初心から変化した部分、逆にずっと変わらない部分があれば教えてください。

楽しもうとする姿勢というか、“自分が楽しまなければ楽しいものを届けられない精神”みたいなものは変わっていない気がします。変わったのは、シンプルに仕事への向き合い方です。例えば、22歳で入社した子が5年勤めて27歳になったら、そりゃできることも増えているだろうし、仕事のタスクをこなす効率や能力だったりも明らかに上がるじゃないですか。それと同じで、僕も効率的に仕事ができるようになってきたし、仕事一つひとつへの向き合い方や、“どうやって生産性を上げていったらいいのか”みたいなことを、すごく考えられるようになった気はします。あと、作品のことをちゃんと考えられるようになりました。自分の役についてだけじゃなく、「この役にはこういう役割があるから、こうしたらいいんじゃないか」「そうすれば、あそこがああなるんじゃないかな」みたいなことも考えられるようになってきたかなと。

――最初の頃は、自分のことで精一杯だった?

今思い返すと精一杯といえるほど、精一杯でもなかったです(苦笑)。自分の役以外のことまで考える必要がないと思っていたというか。各々が各々の役を全うすれば作品は成り立つでしょ、みたいな。個人競技のような感覚が大きかった気がします。

――その感覚が変化したのは、何かきっかけがあったのでしょうか。

いろんな現場を経験していくうちに、みんなで一緒に作っていったほうが楽しいということに気がついたんです。たぶん、ひとりで作っていてもおもしろくないし、完成したものを披露したところで、ただのお披露目会になってしまうなって。そう考えると、みんなで作り上げたほうが絶対にいいと気がつきました。

――2024年はどんな年にしたいですか?

変わらず、楽しんで仕事をしていきたいです。舞台も定期的に出来たらいいなと思います。

――初舞台を踏んだときと今とでは、感じる楽しさは違ってきていますか?

中身は違いますけど、感じている楽しさは一緒かもしれないです。俳優としての自分を見つめ直して、“こうやるクセがあるな”みたいな気づきや学びがあるというのは同じだけど、作品ごとにその気づく点が違うので、可能な限り、いろんな作品をやってみたいです。

――改めて、『無駄な抵抗』への意気込みを聞かせてください。

内容としては現代版『オイディプス王』なんですけど、決して悲劇的ではなくポジティブなメッセージが隠れています。もしかすると作品の雰囲気はすごく重いかもしれませんが、最後は明るい気持ちで帰ってもらえるんじゃないかなと思います。楽しみながら見ていただきたいですし、そういう舞台を作りたいと思っています。

取材・文:林桃
Photo:梁瀬玉実
ヘアメイク:小林正憲(SHIMA)
スタイリスト:九(Yolken)

【衣裳】
ジャケット/¥190,300-
プルオーバー/¥52,800-
パンツ/¥75,900-
(全て エンポリオ アルマーニ)

<問合せ先>
ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社
東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ/銀座タワー
℡03-6274-7070

インタビュー前編はこちら

公演概要

『無駄な抵抗』

【作・演出】 前川知大

【出演】
池谷のぶえ 渡邊圭祐 安井順平 浜田信也
穂志もえか 清水葉月 盛隆二 森下創 大窪人衛
松雪泰子

【日程】 2023 年 11 月 11 日(土)~11 月 26 日(日)
【会場】 世田谷パブリックシアター

【お問合せ】 世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515 https://setagaya-pt.jp/

【主催】 公益財団法人せたがや文化財団 【企画制作】 世田谷パブリックシアター
【制作協力】 エッチビイ 【後援】 世田谷区

<兵庫公演>
【日程】 2023 年 12 月 9 日(土)~12 月 10 日(日)
【会場】 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

【主催】 兵庫県、兵庫県立芸術文化センター

【『無駄な抵抗』 公式 Twitter 】 ユーザー名 : @muda_na_teikou
【『無駄な抵抗』 公式 Instagram】 ユーザーネーム: muda_na_teikou
【世田谷パブリックシアター公式 twitter】 @SetagayaTheatre
【『無駄な抵抗』公式ホームページ】 https://setagaya-pt.jp/stage/2140/

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観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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