濱田龍臣インタビュー ミュージカル『東京ラブストーリー』「全編生歌で挑戦するミュージカルは自分にとって大きなチャレンジ」（前編）
ミュージカル『東京ラブストーリー』が11月27日より東京建物 Brillia HALL、12月23日より梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、1月14日より刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール、1月21日よりJMSアステールプラザ大ホールにて上演されます。
恋愛の神様と称される漫画家・柴門ふみの「東京ラブストーリー」は1988年に発表された大ヒット作。その後、トレンディドラマとして映像化すると、日本はもちろんアジアでも爆発的な人気を集めた。その「東京ラブストーリー」が今秋ミュージカルとして蘇ります。
時代設定を現代に置き換え、舞台版ならではのキャラクターも登場予定。物語は、主人公のカンチ(柿澤勇人/濱田龍臣)が2018年春に愛媛に本社がある「しまなみタオル」から東京支社に異動することになることから始まります。共に新プロジェクトを担当することになるリカ(笹本玲奈/唯月ふうか)と出会います。ある日、上京している地元の高校の同級生・三上(廣瀬友祐/増子敦貴)と会うとそこにカンチが昔思いを寄せていた関口さとみ(夢咲ねね/熊谷彩春)もやって来たことから、4人の恋が動きだし……。
THEATER GIRLは、海キャストでカンチ役を務める濱田龍臣さんにインタビュー。前編では、この恋模様を歌とともに描かれるミュージカル版の魅力についてうかがいました。
実際に生歌だけで披露するステージは自分にとって大きなチャレンジ
――まずは「東京ラブストーリー」の初めての舞台化で、カンチ役を演じることになった時のご心境からお願いします。
ミュージカルが決まって両親に報告したら、「あの『東京ラブストーリー』のミュージカルでカンチ役!? おまえがカンチかぁ～」と、めちゃくちゃ喜ばれました。この作品はドラマが90年に大ヒットしているんですよね。僕は2000年生まれなので、リアルタイムでドラマは見ていないんですが、先入観をもたずに役に入るため、過去作品は見ないで挑む予定です。今回は時代背景も違いますから、自分らしいカンチにしたいです。
――ミュージカル版では2018年春から2019年春という設定になるそうですね。現代版の「東京ラブストーリー」で描かれる恋の物語は、また新しいものになりそうで楽しみです。
そうですね。コロナ禍前の令和版の恋物語がみどころです。90年代になかったスマホやLINEでコミュニケーションをとる姿もそうですし。
――歌を通していろんなメッセージが描かれるんですね。今作はグラミー賞受賞作曲家のジェイソン・ハウランドさんによる全編書き下ろしの楽曲がみどころなんですよね。
はい。今は歌唱曲の譜面を頂いて、ジェイソンさんのワークショップで歌の稽古をしている真っ最中です。カンチの歌うパートは多くて、とくにソロパートに苦戦しています。この作品に入る前からボイストレーニングは1年近くやってきたんですけどね。2年前にストレートプレイの舞台に出演させて頂いて。そこから舞台経験をたくさん重ねるうちに、もっと声が出るようになりたいと思ってボイストレーニングを続けています。ミュージカルは2010年にも経験がありますけど、もう12年前なので、久しぶりで。今回はその時と違って、全編歌で実際に生歌だけで披露するステージですから、僕にとってはものすごく挑戦です。
カンチはどんなに振り回されても優しい
――カンチは天真爛漫なリカに振り回される役ですが、どんなキャラクターと捉えて、どう演じようと思っていますか。
カンチはとにかくピュアで、真面目で、誠実な男なんですよね。「この角を曲がれば」という曲があるんですが、この曲でも自由気ままなリカに振り回されている心境を歌うナンバーもあるんですよ。カンチはどんなに振り回されても優しいです。そんなカンチの良さがたくさん散りばめられている台本を読んで、カンチっていい人だなと思いますし、魅力的なキャラクターを演じられることが楽しみです。
――本公演はWキャストで、空キャストと海キャストの公演があります。濱田さんのチーム海キャストはどんなカンパニーにしたいですか。
僕たち海キャストは、20代前半の演者が中心なので、フレッシュな雰囲気を出したいと思っています。僕たちだからこそ出せる若々しさを武器にしたステージにしたいです。空キャストの皆さまのチームは、今の自分たちにはできないお芝居をされると思うので、自然と違う「東京ラブストーリー」をお届けできるのかなと思いますね。
僕はWキャストの経験がないので、経験があるリカ役の唯月ふうかさんに「Wキャストってどうなんですか？」ってお伺いしたんですよ。「そこは気にしすぎないでいいよ。こっちはこっちで作り上げることができるから」って言われたので、意識せずに自分ができるカンチを全力でやりきろうかなと。演者が違う二つのカンパニーは、歌い方も違うと思うので、それぞれ違った味わいのある舞台になるはず。素晴らしいキャストの皆さんに恥じないカンチを演じたいと思っているので、期待して頂けたらと思います。
取材・文：福田恵子
Photo：渡辺美知子
公演概要
ミュージカル『東京ラブストーリー』
【東京公演】2022年11月27日(日)～12月18日(日)東京建物 Brillia HALL
【大阪公演】2022年12月23日(金)～25日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【愛知公演】2023年1月14日(土)刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
【広島公演】2023年1月21日(土)・22日(日)JMSアステールプラザ大ホール
スタッフ
原作：柴門ふみ「東京ラブストーリー」（小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊）
音楽：ジェイソン・ハウランド
脚本・歌詞：佐藤万里
演出：豊田めぐみ
出演：
【空キャスト】
永尾完治：柿澤勇人
赤名リカ：笹本玲奈
三上健一：廣瀬友祐
関口さとみ：夢咲ねね
【海キャスト】
永尾完治：濱田龍臣
赤名リカ：唯月ふうか
三上健一：増子敦貴（GENIC）
関口さとみ：熊谷彩春
長崎尚子：綺咲愛里
和賀夏樹：高島礼子
永野亮比己、引間文佳
新井希望、尾関晃輔、上條駿、今野晶乃、咲良、高瀬育海、俵和也、照井裕隆、妃白ゆあ、町屋美咲、安福毅、矢吹世奈、吉﨑裕哉（五十音順）
