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梅津瑞樹インタビュー 『漆黒天 –始の語りー』「世界観がより拡張されて、長く味わえるシリーズになっている」(前編)

INTERVIEW

2022年8月5日(金)より東京・サンシャイン劇場を皮切りに、舞台『漆黒天 –始の語りー』が上演されます。

本作は、映画と舞台を完全連動させるプロジェクト【ムビ×ステ】の第三弾。映画『漆黒天 −終の語り−』で描かれた主人公・“名無し”の前日譚となっています。

作・演出は、映画版でも脚本を務めた末満健一さんが担当。荒木宏文さんが主演を務め、共演に、松田凌さん、長妻怜央(7ORDER)さん、 梅津瑞樹さん、小島藤子さん、橋本祥平さんなど、映画版にも出演した多くのキャストが舞台版にも出演します。

THEATER GIRLは、嘉田蔵近役の 梅津瑞樹さんにインタビュー。前編では、【ムビ×ステ】作品の印象や舞台版でのアクションシーンで意識したいことなどをうかがいました。

インタビュー後編はこちら

世界観がより拡張されて、長く味わえるシリーズになっている

――今回は【ムビ×ステ】という「ムービー(映画)」と「ステージ(演劇)」が連動するプロジェクトですが、【ムビ×ステ】作品への印象はいかがですか?

僕が初めてこのシリーズに携わらせていただいたのが、舞台『GOZEN-狂乱の剣』という東映ムビ×ステの第1弾の舞台で、土御門月暗という陰陽師役を演じさせていただきました。まぁそこでも死ぬんですけど(苦笑)。

ムビ×ステの魅力の1つとして、“人がどんどん死ぬ”ということがあると思うんです。舞台をやっている身としては、なかなか面白いのですが。ふと思ったんですけど、最近あまり舞台で死んでないなって(笑)。アンサンブルをやっていた時代は舞台上で「お前は何回死ぬんだ」と、『100万回生きたねこ』みたいになっていたんですけど、近頃はあまり舞台上で死んでないんですよね。最後に死んだのはいつだろう? 月暗のときかな?(笑)

ある種、散る美学みたいなものも、僕ら役者にはあると思っていて。めちゃくちゃ汚く死ぬのも一周回ってかっこいいし、カッコよくシンプルに死ぬっていうのもあるんですけど。そういった役者各々のいろいろな死に様が見られるところが魅力かなと思いますね。

普通にオーソドックスな話をすると、映画と舞台とでコンテンツが続いているので、世界観もより拡張されますし、長く味わえるシリーズになっているのかなと思います。

どうせ落ちるなら高いところから落ちたい

――今回演じられる嘉田蔵近は、陽之介の心友であり別の道場を営むという役柄ですが、舞台版ではどのように演じていきたいですか?

今回の舞台が前日譚というのは、すでにお客さんは知っていると思うんですけど、行き着く先が(映画の)あそこなので(苦笑)。 どういったことを辿って、あいつはあそこでバッサリやられてしまったのか。どんなに頑張って笑ったり、怒ったり、悲しんでいても、あとちょっとで死ぬっていうのが分かっているので(笑)。だから、ある意味すごく儚いなと思っているんです。

いかにあの死にもっと意味を持たせられるかというところが、舞台上での嘉田蔵近を演じる意味というか、そこに重きを置きたいなというのはあります。

死という着地点に向かってどう飛ぶかというのは、やっぱり実際に観ていただいた方がいいと思いますし。どうせ落ちるなら、やっぱり高いところから落ちたいですよね(笑)。

――先の展開を知ってから舞台を観るというのも、なかなかないことですから貴重な体験になりそうですね。

「死にそうだな」と思っているキャラクターが「ああ、やっぱり死んだ」となるより、「全然死にそうに見えないけど、こいつほんとに死ぬの?」っていう方が、俯瞰で見たときに、ドラマチックかなとは思いますね(笑)。

――今回、舞台版でも殺陣やアクションがあるかと思いますが、 改めて舞台版でのアクションシーンでは、どういったことを意識されたいですか?

映画版の殺陣のシーンは冒頭だけだったのですが、 今にして思うと、けっこう荒っぽいというか、生々しい殺陣だったのかなと。殺しに行くというか……本当に命のやり取りをしているような感じの手だったので、そういった切迫した感じというか、命を取ったり、取られまいとする。ある意味基本といえば基本なんですけど、アクションに関して言うと、そういったものが殺陣中で見えればすごくいいのかなと思いますね。

今回、栗田(政明)さんが殺陣をつけてくださっているんですけど、映画とちょっとクロスする部分というか、「あれ、この手ってもしかして……」みたいな部分も、もしかしたら見えるかもしれないので、 そこも楽しみにしていただきたいです。

描かれなかったものが描かれている分、自由にお芝居をしている

――すでに映画でご一緒されている方も多いですが、今回、主演の荒木宏文さんを始めとした、舞台版での共演者の皆さんの印象はいかがでしょうか?

僕、映画では荒木さん以外ほとんど誰とも会っていないんですよ(笑)。一応ちょろっと会談するシーンがあるんですけど、映画から皆さんの印象がすごく変わったという感じはないですね。でも舞台版では、映画では描かれなかったものが描かれている分、より自由にお芝居をされている印象はあります。

さっきお話ししたように、蔵近だけでなく、他のキャラクターも要はどう(映画の)あそこに持っていくかという話になってきますし、ほぼみんな死ぬので(笑)。映画のバックボーンをどのくらい膨らませられるかという話になってくるので、けっこう自由にやってる方が多いんじゃないかなという印象です。だから稽古場は、日々和気あいあいとしてますね。

取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:梁瀬玉実

インタビュー後編はこちら

公演概要

ムビ×ステ 舞台「漆黒天 -始の語り-」

作・演出:末満健一

出演:荒木宏文
松田凌 長妻怜央(7ORDER) 梅津瑞樹 / 小島藤子
橋本祥平 松本寛也 加藤大悟 安田桃太郎
小澤雄太 鈴木裕樹

工藤翔馬 榮桃太郎 澤田圭佑 下尾浩章 菅原健志 杉本佳幹 宮永裕都 横山慶次郎

会場・日程:
2022年8月5日(金)~8月21日(日)
東京:サンシャイン劇場
          
2022年8月31日(水)~9月4日(日)
大阪:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

公式HP:toei-movie-st.com

@2022 movie-st

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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