京典和玖インタビュー 「このレールはドラマチック」「いろんな情報に振り回されながら楽しんでもらえたら」（前編）
2023年11月19日(日)、23日(木・祝) の2日間限定でトレインライドシアター「このレールはドラマチック」が上演されます。
本作は、電車の中で繰り広げられる新感覚の舞台。いつもの通勤時間と乗り慣れた電車の中で“非日常的な体験”が繰り広げられます。かもめんたる・岩崎う大さんが作・演出を手掛け、貸し切り電車4車両で『ただの偶然ですか？』『ノンストップガール』の2種類のストーリーが上演され、14名のキャストが出演します。
THEATER GIRLは、1号車で『ノンストップガール』に出演する京典和玖さんにインタビュー。前編では、本作へ出演が決まったときのお気持ちや自身初の女性役となる中本アカリの役作りについて、1号車キャストの中尾暢樹さんと時任勇気さんの印象などをうかがいました。
出演が決まったときは「情報量が多すぎてびっくりした」
――本作は電車の中で繰り広げられる新感覚の舞台ということですが、出演が決まったときはどんなお気持ちでしたか？
びっくりしすぎて一度マネージャーさんに確認しました（笑）。女の子の役でしかも電車の中でお芝居をするっていう。いろいろと情報量が多すぎてびっくりしたのが一番大きいかもしれないです。ただそれと同時に、純粋に新しいものに挑戦したいなって。そういう探求心が強い方なので、ぜひチャレンジしてみたいと思いました。
――今回、電車の中でお芝居をされるということですが、客席との距離もかなり近そうですね。
客席との距離というか、お客さま含めて登場人物と聞いているので一緒の温度感で楽しめるといいなと思います。1号車をいい空気感にできたらいいですね。
――では、観客も登場人物の一人になるようなイメージなんですね。
そうだと思います。すごく距離感も近いし乗客の皆さんに訴えかけるようなシーンもあったりするので。
――観ている側も、何が起こるかドキドキしながら観劇する感じになりそうですね。
多分、様々な場所でいろいろなことが起こるので、見逃せない場面がけっこう多いと思います。普段の電車の中でも、周りで何かが起きたら聞き耳を立てたり目線が行ったりするじゃないですか。その感覚がすごくリアルに感じ取れるような内容になっていると思います。
中本アカリのキャラクターは「性別を抜きにしてもすごく魅力的」
――今回出演される『ノンストップガール』では、中本アカリ役を務められますが、ご自身初の女性役ということでどのように演じていきたいと思っていますか？
自分自身、初めての女性役ということもありますし、稽古もまだ序盤なので未知な部分はありますが（取材時）、「本当に同じ人格なのか」と思うような彼女のキャラクターは、性別を抜きにしてもすごく魅力的だと感じています。
「共感してほしい」と、遠回しに恋人の山下に探るようなシーンがあるんですが、そういう女性脳な部分は男性の僕にはまだよくわからなくて難しいです。そういったところにも共感できるように一歩一歩近づいて、公演が始まるまでには中本アカリという女性像が、更に自分の中で落とし込めていたらと思います。
――たしかに小悪魔的な魅力もあるキャラクターなので、理解するのに難しい部分もありそうですね。
たしかに小悪魔的で「ここでその発言する？」みたいなこともありますけど、恋人である山下に分かってほしいからやっている訳ですし。そういう可愛らしい部分もあるので、ぶっ飛んでいるキャラクターではありますが、どうやって演じようか僕もワクワクしています。
新鮮な気持ちでまたお芝居できるのが楽しみ
――今回、1号車では中尾暢樹さんと時任勇気さんと共演されますが、お二人の印象はいかがでしょうか？
暢樹くんとは、今年の初めに舞台『ロミオ＆ジュリエット』で共演させていただきました。そこでは、僕がマキューシオ、暢樹くんがティボルトで、けっこうピリピリした感じの役柄だったので、今回はバカップルという対極な位置にいるのが面白いねと二人で話していました。今回、新鮮な気持ちでまた暢樹くんとお芝居できるのがすごく楽しみです。時任さんとは、まだ本読みしかご一緒できていないのですが（取材時）、すごく穏やかな方なので、うまく僕たち二人の暴走を大人の男性の時任さんが止めてくれるのではと思っています。
――いいバランスのチームワークになりそうですね。今回、作・演出を務める岩崎う大さんの演出を受けられた印象はいかがでしょうか？
本読みの時から、役柄について「こういう感じの子です」「セリフはこういうニュアンスで」と、細かく演出していただいたのですが、セリフの一つ一つ細部までちゃんと意味が込められていて。例えば、「『それの』と『それと』の、『の』と『と』の一文字で少し意味が違ってくるからこっちにしてもいい？」というように、本当に細かいところまで指導していただきました。
そうやって一つ一つにちゃんとミッションがあって、こうすればここがしっかり立つというのが場面ごとにちゃんと明確になっているので、う大さんの演出に沿って演じれば、きっと緊迫したシーンもどこかクスッと笑えるようになったりと、そういう魔法がかけられるのではないかと思います。
――原作のある作品や役柄に挑戦することも多いと思いますが、今回のようなオリジナル脚本で、ご自身で役を作っていくのは、元々原作のある作品と比べて、より難しさを感じたりもするのでしょうか？
映像作品のときは原作がないものも多いので、そこに対する先入観はないんですけど、舞台では原作のある作品も経験しました。オリジナル作品をやるのは今回が初めてなので、そこに対するアプローチの仕方はまだ探り探りやっているところです。
ただ、これという明確な正解がある訳ではない分、自分のお芝居の幅も広がりやすいのかなと思っています。原作があるものとないものでは、いろいろとアプローチの仕方も変わってくると思うので、楽しめる部分は多いのかなと思います。
取材・文：THEATER GIRL編集部
Photo：野田涼
公演概要
トレインライドシアター「このレールはドラマチック」
日程：2023年11月19日（日）・11月23日（木・祝）
時間：13:00出発／16:00出発／18:40出発（全6公演）
会場：東京都23区内（会場詳細は、チケットをご購入いただいたご来場者様のみにご連絡いたします。）
チケット：2023年10月22日(日) 一般発売開始
脚本・演出：岩崎う大（かもめんたる）
キャスト：瀬戸利樹、中田圭祐、中尾暢樹、松大航也、京典和玖、時任勇気、ゆうたろう、山口貴也、水石亜飛夢、七瀬公、樫尾篤紀、八木将康、鈴木勝大、永沼伊久也
主催：株式会社デベロップジャパン
共催：EVOLOVEプロジェクト
制作：株式会社ピークエンタテインメント
公式HP：https://www.evolove.life/him/
あらすじ
『ただの偶然ですか？』
いつもと変わらない、電車内での光景。車内では男子大学生二人が何やら話をしている。
大学の同級生である富樫浩平と湯野誠の会話は、YouTubeや、彼女の話など特別な内容は見当たらない。
そんな普通の大学生たちの会話に、耳を澄ませていたお笑い芸人の山本一馬と小池信二がいた。
山本と小池の関係はぎこちなく、会話もどこか事務的な様子。
倦怠期すら感じさせる芸人コンビが、見知らぬ大学生たちに思わず話しかけるその理由とは…!?
富樫浩平役：瀬戸利樹／松大航也
湯野誠役：中田圭祐／七瀬公
山本一馬役：ゆうたろう／八木将康
小池信二役：樫尾篤紀／永沼伊久也
『ノンストップガール』
電車内には、中本アカリと山下大輔というバカップル二人の声が響いていた。
同じ車内に居合わせた青年・小暮順平がカップルを注意するところから、物語は予期せぬ方向へ動き始める。
泣き出す山下を横目に、小暮はとある行動に出る…。
山下大輔役：中尾暢樹／山口貴也
中本アカリ役：京典和玖／水石亜飛夢
小暮順平役：時任勇気／鈴木勝大
■車両別キャスト
1号車：中尾暢樹、京典和玖、時任勇気
2号車：瀬戸利樹、七瀬公、八木将康、永沼伊久也
3号車：中田圭祐、松大航也、ゆうたろう、樫尾篤紀
4号車：山口貴也、水石亜飛夢、鈴木勝大
