• HOME
  • topic
  • INTERVIEW
  • 柿澤勇人インタビュー 『スルース~探偵~』 「二人の部屋で起こっていることを“覗き見”しに来てほしい」

柿澤勇人インタビュー 『スルース~探偵~』 「二人の部屋で起こっていることを“覗き見”しに来てほしい」

INTERVIEW

2021年1月に新国立劇場 小劇場にて、吉田鋼太郎さんと柿澤勇人さんの舞台『スルース~探偵~』が上演されます。1970年に英国で発表され、ブロードウェイ版はトニー賞を受賞、日本でも数々の名優たちによって舞台化されてきた作品で、二度の映画化もされている大人気作です。

本作で演出も務める吉田鋼太郎さんに真っ向から対峙するのは、ミュージカルでの活躍はもちろんのこと、ストレートプレイや映像作品など様々なジャンルで活躍する実力派俳優、柿澤勇人さん。

THEATER GIRL編集部は、柿澤さんにインタビューを敢行。上演にあたっての思い、吉田さんとの二人芝居で楽しみにしていること、二人芝居の魅力についてなど、じっくりと語っていただきました。

『スルース~探偵~』をやることがモチベ―ションの一つだった

――今作は、吉田鋼太郎さんとの芝居になりますが、出演が決まったときの気持ちを聞かせてください。

企画自体は以前からあったんですけど。こういった状況で、そもそも芝居自体ができるのかという感じだったので、まずは(芝居が)できることが嬉しかったし、鋼太郎さんと『スルース~探偵~』をやるということが、自分にとっては何年もモチベーションの一つだったので、上演が決まって非常に嬉しかったですね。

――前々から構想があったんですね。

そうですね、鋼太郎さんもずっとやろうと言ってくれていましたし。鋼太郎さんの演出を受けたのは、『アテネのタイモン』という、蜷川さんがお亡くなりになったあとの「彩の国シェイクスピア・シリーズ」を鋼太郎さんが引き継いだ1本目の作品に呼んでいただいたのが初めてで。鋼太郎さんの本の読み方とか、演出の的確な指示みたいなものが、すごく楽しかったんです。そのときから「カッキー、またやろうな」と言ってくれていて。

――『デスノート THE MUSICAL』の初演で初めて、吉田さんと共演されてから交流を深められてきたとのことですが、今回の舞台を取り組むにあたって楽しみなことはありますか?

一つは、鋼太郎さんにくっついて、その時間と空間を単純に楽しみたいです。そんな贅沢な時間、あまりないことだと思いますし。あとは、騙し合いというか心理戦といった戦いの部分もあるので、10回に1回くらいは鋼太郎さんに勝ちたいなという気持ちもあります(笑)。

――吉田さんはコメントで柿澤さんのことを“狂犬”と仰っていましたね。

『アテネのタイモン』のときに、僕は勇敢な将軍の役で。理不尽なことで追放されてしまうことになって、それに対して一人で怒り狂わなければいけないシーンがあったんです。初めは、舞台上でいろいろ物を投げたり、壊したりしてたんですけど、鋼太郎さんから「カッキーやりにくそうだな。もっと暴れたいんじゃないの。それ客席で全部やって」と言われて。

半信半疑でやってみたら、どんどん煽ってくるんですよ。「もっといける! もっといける! カッキーやれるよ」って。今だったら絶対できない芝居ですけど、最終的に客席で走り回ったんです。しかも、ずっと怒鳴ってたから稽古のときに一発で声が潰れかけて、本当にギリギリもったなという感じでした。そしたら、鋼太郎さんが「よくやったな」って喜んでくれて。それで“狂犬”って言ってるのかな(笑)。

でも、そこからドラマでも共演していますし、「やってやる」みたいな気持ちは、役者としては持っていないとだめだと、鋼太郎さんとお話ししたりもして。そういった芝居に対しての思いも含めて、そういう風に言ってくれたのかもしれないです。

次のページ:また新しい景色を見せてもらいたい

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

プロフィール

PICK UP

関連記事一覧