佐久間由衣インタビュー 『てにあまる』「ジェットコースターに乗るような感覚で挑みたい」
――佐久間さんが思う、舞台の魅力とは、どんなものでしょうか?
うーん……掘り下げられること、ですよね。きっと。同じセリフを何回も何十回も何百回も言えることって、今までの仕事ではあまりなかったので。「もうないよ!」って思うくらいに、自分の引き出しを開けたり、探し回ったりできることや、その時間が許されていることが、すごく贅沢だなと感じます。
――映像作品と舞台作品、今の時点ではほかにどんなちがいを感じていますか?
これから多分、たくさん出てくるでしょうし、立ってやってみたら、きっといろいろなルールがあるんだろうなと思うんですけど。今の段階では「舞台とは?」以前の「お芝居とは?」という部分で、自分の癖も含めながら、柄本さんからたくさん指摘していただいているところなので。そういったことを通して、今回の舞台も、これから出会う映像の仕事も、変わっていけたらなと思います。だから今、ひたすらに「柄本さんについていこう」っていう気持ちです(笑)。
今は「みにあまる」という感覚
――では、役者のお仕事をしていて嬉しい瞬間についてはどうでしょう?
(これまでは)打ち上げや、共演者やスタッフのみなさんとご飯を食べたりすることだったんです……。
――あぁ……今はちょっと難しいですよね。
役で関わることもとても魅力的なお仕事ですけど、そうではないフラットな状態で、その日あったことなど、いろいろなお話をする時間も好きだったんですよね。今はなかなかできないですし、(感染症への)対策として舞台稽古後にご飯へ行ったりすることも厳しいので。「限られた時間の中で、みなさんからたくさん勉強しよう!」と思って。コミュニケーションを大事にしていきたいです。
――次は『てにあまる』というタイトルに因みまして。始めは手に余って「どうしたらいいの?」という思いを抱いたりしながらも、結果として何とかなった、というようなエピソードはあったりしますか?
うーん……今、まさに(笑)。自分の「てにあまる」というか、むしろ「みにあまる」という感覚なので。それを、頑張って「そんなこと言ってる場合じゃないぞ!」っていうモードに持っていきたいですね。
あとは、「ひよっこ」(※)の時にオーディションで選んでいただいたのは、自分にとってかなり大きなことでした。何とかやり切ったという感覚はあります。
(※連続テレビ小説「ひよっこ」。佐久間さんは、有村架純さん演じる谷田部みね子の幼なじみ、助川時子役で出演)