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丸山隆平主演。『浪人街』開幕!「本格的な時代劇を一生懸命に努めさせていただきます」

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2025年2月20日、新橋演舞場にて『浪人街』が開幕する。

本作は、「浪人街第一話 美しき獲物」から始まったサイレント映画シリーズ「浪人街」を舞台化したもの。一番の見どころとなる殺陣はもちろん、映画版よりも浪人それぞれにフォーカスし、各々が抱えるものや感情の機微がより丁寧に描かれ、人情、欲望、裏切りなどこれまでになかった新しい視点と、時代劇らしさが混ざり合った新時代のエンターテインメント時代劇となっている。

主演を務めるのは、丸山隆平。共演は、玄理、入野自由、藤野涼子、入江甚儀、佐藤 誓、矢柴俊博、神保悟志、そして板尾創路と、個性豊かな実力派が揃った。脚本は、セリフの構成力から描く人物像と世界観に定評のある倉持 裕。演出は、数々のドラマ作品を手がける傍ら、舞台でも輝かしい活躍を見せる一色隆司が担当し、アンダーグラウンドな浪人たちの世界を具現化する。

囲み取材には、丸山、玄理、板尾と演出の一色が登壇し、初日前日の心境を語った。

まずは、主演の丸山が「江戸のその当時の世界観に浸っていただけるような一幕一場から始まり、怒涛のように物語が進んでいきます。ここ最近見ていなかったような本格的な時代劇を、松竹さんのもと、一生懸命に努めさせていただきます」とあいさつ。

「約1カ月、みんなでがんばってきました。稽古3日目ぐらいに行われた取材のときより、さらにチームワークがよくなって、舞台袖でもずっとしゃべっているし、笑っているし」と言う玄理に、「あなたでしょ!」とツッコむ丸山。

さらに、開口一番、「中村主水役の東山紀之です」とボケる板尾にも「ウチの(事務所の)大先輩!」と即座にツッコむなど、冒頭から座組の仲のよさが伝わってくる。

板尾は、「殺陣がすごくある。今日、呼吸が苦しくて、口が二つあったらいいなと初めて思いました。(舞台の)盆が回るんですよ。それに逆らって走る場面があって、見ている以上に大変です」と、本作における殺陣の激しさをアピール。

演出の一色が、「とてもステキな源内を作ってくれた。丸山さんの代表作になるんじゃないかなと思うくらい」とベタ褒めすると、「今、完全に見出しを狙いましたね!」と笑わせた丸山。「いや、もちろんそのつもりでやっていますよ」と続けると、「稽古で一色さんに育てていただいた。みんなで一丸となって作ったものを、欲張らずに届けるだけ。とにかく、力まないほうがいいんじゃないかなと。53公演、お互いに体を労り合いながら、思いやりを持って最後までいけたら」と、意気込んだ。

続いて、稽古場の様子を聞かれたキャスト陣。稽古場では丸山の隣の席だったという玄理が、「(丸山が)ゆで卵のゆで方に自信があると。私もゆで卵を(稽古場に)持ってきていたのですが、ゆで卵を交換しようと言われて。そこから仲よくなった気がします」と、丸山と距離が縮まった経緯を説明。

それを受けて、丸山が「稽古中、体力をつけなきゃいけないので。良質なタンパク質を摂るべく、ゆで卵を8個ぐらい一気に作って、それを日々食べていました」と話すと、話題は稽古場での差し入れ事情に。

一色がドーナツを差し入れてくれたという話から、「(一色が)お祭りのカタヌキを持ってきてくださって。キレイにできた人にドーナツをくださるので、みんな目を血走らせながらやっていた」と、休憩時間のほっこりエピソードを披露すると、一色が「丸山さん、2連勝したんですよ。やっぱり“持っている”んです」と、丸山の強運ぶりを熱弁。

また、取材陣から浪人姿がカッコいいと絶賛された丸山は、「やめてよ」と照れながらも、衣装の裾をチラッとめくり、さり気なくセクシーポーズをサービス。「それぞれの十人十色の生き様が、舞台上のメインじゃないところにも散りばめられていて、見どころがめちゃくちゃある。板尾さんが口が3つほしいと言っていますが、目もいっぱいあったほうがいいですよね」と、板尾に振ると、悪い顔をした板尾が「何回も観にきたらええやんな」と小声で返すなど、ここでもチームワークのよさを見せつけた。

上半身があらわになるシーンのある丸山に、筋肉に関する質問が飛ぶと、「ウチに刃のないジュラルミン製の刀があって、去年から振ったりしているので、背中にもいい感じで(筋肉が)ついているんじゃないかと。腹筋もちょっと割れ始めているんですけど、(衣装の)さらしでお腹が見えないんだよねー。残念でした!」と、しっかり笑いで落とした。

改めてメッセージを求められると、板尾は「浪人街といえば殺陣がメインというイメージが強いですが、夫婦の物語のような気もして。ギスギスしているご夫婦に観にきていただくと、銀座を手をつないで歩いて帰れるんじゃないですかね」と独特の表現で見どころを語った。

その言葉を受け、「人情あり、愛あり、ラブストーリーあり。それから、人の絆の物語あり、今の時代に訴えかけるメッセージ性もあり。それを、倉持 裕さんがものすごくステキな脚本にしてくださった。脚本がいいと、役者さんもノッてくるんです。それがエネルギーとなり、ここまでたどり着けた」と、アツく言葉を紡いだ一色。さらに、「殺陣は死に物狂いでやってくださって、これからもどんどん進化していくと思うので、楽しみに何度も観にきていただければ」と、キャスト陣の熱意にも言及した。

玄理は、「登場人物が誰一人まともじゃないという。浪人やアウトローな住人たちの話ですが、それぞれが守りたいものや信じたいものがある。どのキャラクターに感情移入して観ていただけるのか、みなさんの感想を聞くのが楽しみです」と、目を輝かせた。

最後に丸山が、「どの時代にもいろんなことがありますが、この時代に由緒正しき劇場で、観にきてくださったみなさんにこの『浪人街』がどんなふうに刺さり、どんなことを感じて持って帰っていただけるのか。また新しい『浪人街』が生まれたこの瞬間がこの時代にあるということにも、きっと何かメッセージがあると思うので。ぜひとも劇場に足を運んで、当時の世界と今の世界を照らし合わせながら思いを巡らせていただければ。劇場でみなさんにお会いできたら幸いです」と、座長として力強くメッセージを送った。

文:林桃
舞台写真撮影:THEATER GIRL編集部

公演概要

『浪人街』

原作:山上伊太郎

脚本:倉持裕

演出:一色隆司

出演:
丸山隆平、玄理、入野自由、藤野涼子、入江甚儀、佐藤誓、矢柴俊博、神保悟志、板尾創路 ほか

2025年2月20日(木)~3月16日(日)
東京・新橋演舞場

2025年3月21日(金)~3月28日(金)
愛知・御園座

2025年4月2日(水)~4月10日(木)
京都・南座

公式サイト:https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2025roningai_enbujo/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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