堂本光一×井上芳雄共演。ミュージカル『ナイツ・テイル -騎士物語‐』 ARENA LIVE製作発表レポート!
2025年8月に 東京ガーデンシアターにて、ミュージカル『ナイツ・テイル -騎士物語‐』 ARENA LIVE が上演される。
シェイクスピア最後の作品として知られる「二人の貴公子」(共作・ジョン・フレッチャー)を、ロイヤル・シェイ クスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクターであり、『レ・ミゼラブル』初演や、舞台『千と千尋の神隠し』を演出した世界的演出家ジョン・ケアードの脚本・演出により、堂本光一と井上芳雄の初タッグをえて、 2018年7・8月にミュージカル「ナイツ・テイル-騎士物語-」の世界初演を帝劇で果たした。
以来、2020年のコンサート版、2021年の帝劇での再演を経て、その究極の形として、6000人超のアリー ナに、100名を越えるキャストとオーケストラが集まり、あの愛すべき作品をライブとして表現するのが、今回 の『ナイツ・テイル -騎士物語-』ARENA LIVE。 東京を代表するARENAとして知られる「東京ガーデンシアター」に張りだし舞台を設けて、かつてないスケールで上演される。
自身の演出作、舞台『千と千尋の神隠し』が、世界最高の演劇賞ローレンス・オリヴィエ賞に今年度の最優 秀新作演劇作品賞(エンタテイメント部門)にノミネートされた、ジョン・ケアードが、ARENAに合わせて脚 本・演出を手掛け、新たな『ナイツ・テイル』が届けられる。
堂本光一、井上芳雄、音月桂、上白石萌音、大澄賢也、島田歌穂ら、お馴染みの豪華キャストに、新たに宮川浩が加わった。 演奏は、東京フィルハーモニー交響楽団の魅惑のフルオーケストラ。 初演以来の音楽監督、ブラッド・ハ ークが自ら指揮を手掛ける。 邦楽をさらに充実させるべく、堂本光一と『Endless SHOCK』の輝かしい歴史を共にした石川直と日野 一輝が新たに加わり、4名の太鼓奏者、篠笛・能管、尺八、津軽三味線奏者が、オーケストラと競演を果たす。
東京ガーデンシアターの名に相応しく、舞台は森の中で演奏されるような荘厳な世界観で、ダンスとアクシ ョンも再現し、コンサートの枠を超えた、まさにARENA LIVEとなる。
今回は、堂本光一、井上芳雄、音月桂、上白石萌音、島田歌穂、宮川浩、大澄賢也、脚本・演出 ジョン・ケアード、日本語脚本・歌詞 今井麻緒子が登壇した製作発表の様子をお届けする。
まずは、登壇者一人ひとりから挨拶が述べられた。
脚本・演出のジョン・ケアードは「ここに来られてとても嬉しいです。そして、『ナイツ・テイル』を再び日本のお客様にお届けできることを、大変光栄に思っております。若い頃、私はシェイクスピア・カンパニーで様々なシェイクスピア作品を演出してきましたが、本作は特に難しい作品とされており、少々時代遅れな面もありました。そこで今回の上演にあたり、大きく書き直しを加えました。現代に通用する作品に仕上げたいと考えたからです。この作品には、大きく3つのテーマがあります。それは「戦争の否定」「環境保護」「社会における女性の地位向上」です。今の時代においてこれまで以上に重要なテーマだと感じています。また、今回私の大好きな7人の俳優たちと再び仕事ができることも、大変嬉しく思っています」と
日本語脚本・訳詞の今井麻緒子は「この作品は、もともと完成していたものを翻訳するという形ではなく、1からミュージカルを創り上げることを初めて経験した作品だったので、強い思い入れがあります。ここにいるキャストの皆さんの顔を見ると、その当時の制作過程が鮮やかに蘇ってきます。またこうして再びご一緒できることを、心から嬉しく思っております」と
堂本光一は「改めて、ジョンをはじめ、この素晴らしいメンバーと『ナイツ・テイル』に再び挑めることを本当に嬉しく思います。今回、新たに宮川さんが加わってくださるのも、とても楽しみです。この作品は帝国劇場で始まった作品ですが、作品を通じて繋いでいくという意味もあると思います。毎回やればやるほど発見のある、深い作品です。だからこそ何度でも挑戦したくなるし、お客様に届けたいという気持ちが強くなります。今回は6000人規模の公演となり、正直、まだどんな形になるのか分からない部分も多いですが、またジョンについていけることを本当に嬉しく思います。自分自身も驚くことや悩むこともあるかもしれませんが、そういった環境に自分が入れることをとても楽しみにしております」と
井上芳雄は「僕もこの『ナイツ・テイル』に再び出会えたことを心から嬉しく思っています。前回の本編が終わった時は、セットも破棄されるという話で、「これで最後かもしれない」と思っていたんです。でも、その後コンサートバージョンがあり、そして今回のアリーナ公演へと繋がりました。作品が形を変えて続いていくというのは、まさにこの作品の持つ力だと感じています。光一くんとの出会いの作品でもあり、他の皆さんとのご縁もこの作品から始まりました。今回、新たに宮川さんが加わることにもワクワクしています。そして個人的には、初演の製作発表の時、萌音ちゃんがスケジュールの都合でパネルだったのを思い出しました。今日は“立体”の萌音ちゃんがいて、嬉しいです(笑)」と

音月桂は「今回も光一さんと芳雄さんの“夫婦漫才”のような掛け合いを序盤から見られて、とても幸せです(笑)。2018年の初演時に、ジョンや麻緒子さんが“家族”のようなカンパニーを作ってくださって、そこからコンサートや再演を経て、絆がさらに深まりました。そんな温かい現場で、また新しい作品を生み出せるような気がするので、とても楽しみです」と
上白石萌音は「こんにちは、上白石萌音です。今回は“立体”です(笑)。初演からもう7年が経ちました。当時私は成人したばかりで、右も左も分からないまま偉大な先輩方の背中を追いかけて、一つひとつ積み重ねてきました。公演がない時期でも、ふと歌を口ずさんでしまうほど、自分の一部になっている作品です。再演やコンサートを通して、役と改めて向き合うたびに奥深さや難しさを感じています。初演時は芳雄さんと「親子みたい」と言われていたのですが(笑)、今回はしっかり恋人に見えるよう頑張って、大人の自分をお見せしたいと思います」と
島田歌穂は「ジョン・ケアードさんとは、約40年前に『レ・ミゼラブル』でご一緒し、その後『ベガーズ・オペラ』、そして『ナイツ・テイル』と3作品でご縁をいただいております。特に『ナイツ・テイル』の初演はオリジナル作品として、1から創り上げていく過程に携われたことが、本当に宝物のような時間でした。毎日が新鮮で、楽しくて仕方なかったことを思い出します。今回はこれまでにないスケールでの上演ということで、ジョンがどんな“ジョン・マジック”を見せてくれるのか、心から楽しみにしております」と
宮川浩は「本編にも、コンサートにも出演していないので、今は台本を読み込み、映像を見て勉強中です。正直、不安の方が大きいですが、島田さんもおっしゃっていたように、私もジョンとは40年前に『レ・ミゼラブル』で出会いました。皆さんに頼りながら一生懸命頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします」と
大澄賢也は「初演が2018年なので、もう7年が経ちました。当時がジョンとの出会いでもあり、それ以来『ナイツ・テイル』はもちろん、『千と千尋の神隠し』など、毎年のようにご一緒させていただいています。この7年で本当に役者として成長させていただいたと感じています。私事ですが、今年は年男で「赤いちゃんちゃんこ」なんです(笑)。厄年とされがちですが、芸能の世界では「良い役がつく年」とも言われています。まさにこの『ナイツ・テイル』ARENA LIVEが、次のステージへのスタートになるような舞台だと感じています。今回は振付のアシスタントとしてもサポートをしながら、みんなと一緒に新たなコンサート版を創り上げていきたいと思っています」とそれぞれから、本作への意気込みが述べられた。
その後は、松井るみが手掛けた舞台セットのイメージ図が初お披露目された。

セットのイメージについてジョン・ケアードは「今回、松井るみさんにお願いしたのは「自然をたくさん取り入れてほしい」ということでした。出演者たちには、基本的にステージ上に立ち続けてもらう予定です。ステージ後方には東京フィルハーモニー交響楽団が入り、今回は特別に、和楽器も8人編成とし、通常の劇場では体験できないような音響を実現したいと考えています。
その一方で、環境そのものは自然に近づけ、観客がまるで森の中にいるかのような体験ができる空間を目指しました。スクリーンには、演技中の俳優たちのライブ映像が映し出されることもありますし、セットの一部としても活用する予定です」とセットの詳細について語った。
その後は、記者からの質疑応答へ。初演から出演しているキャストへ向けて、『ナイツ・テイル』という作品の魅力についての質問が。
堂本は「この作品はやればやるほど常に新たな発見があります。ジョンも言っていましたが、シェイクスピアの原作のままだと、なかなか上演されないような題材だと思いますが、それを逆手に取って描いたことで、いかに名誉などにこだわることが、今の時代において滑稽に見えるというか。それを真剣に演じることで、思わず笑ってしまうような絶妙なバランスが生まれていると思います。初演の頃は、正直そこまで深く理解できていなかった部分もあったかもしれませんが、繰り返し演じていくうちに、「これってすごく面白いことが書かれているな」と気づかされるんです。僕たちが真剣に演じるからこそ、お客様が思いがけないところで笑ってくれる。やっている側もやりながら気づかされる作品で、そこが本当に面白いなといつも思います」と
井上は「ジョンの作品は、台本を読んだ段階ではわりと真剣な内容なんです。シェイクスピアだし、神話のような要素もありますし。でも、実際に演じてみるとすごくコメディに仕上がっていて、僕たちは真剣にやっているのに、やればやるほど面白くなるという…そういう本当の意味でのコメディの面白さがあると思います。それと、音楽の魅力も大きいですね。コンサートバージョンをやったときに、音楽だけでも成立するくらい素晴らしい曲ばかりだと感じました。今回もオーケストラで奏でられるわけですから、その音楽の力強さも、この作品の魅力のひとつだと思っています」と

音月は「私はセット転換の方法もとても好きなんです。真っ暗になって場面がガラッと切り替わるのではなく、出演者たちがその場にいながら次のシーンへと物語が滑らかに流れていくんですよね。だから、場面の動きに奥行きが感じられるんです」と
上白石は「キャラクターたちが丁寧に、愛情を込めて作られているところが魅力です。 騎士の二人をはじめ、お姫様、王様、女王様、森の人々など、さまざまな身分や境遇の人たちが登場しますが、一見交わらなそうな彼らが、いろんな縁で出会って物語が絡み合っていくところに面白さを感じます。今年も自分のキャラクターをしっかり掘り下げて、そこから他のキャラクターたちにも目を向けて、新たな感情や発見を得たいと思っています」と
島田は「重厚な脚本と素晴らしい音楽、そしてジョンの演出が、ページをめくるたびに宝箱を開いていくような感覚でした。この舞台に立つ時間はまさに夢のようだったと思います。また、和楽器を取り入れた演奏がとても印象的で、全体として音と物語が絶妙に絡み合い、神秘的で独特な世界観が広がっていたと感じました。それに、光一さんと芳雄さんの素晴らしいコンビネーションがあり、そこに私たちも加わって、本当に幸せな時間を共有できたと思っています」と
大澄は「魅力はたくさんありますが、自分にとってはもう一択です。光一くんと踊れること。光一くんと同じ舞台でステップを合わせて踊るというのは、ダンサーにとって何より幸せなことです。光一くんは、ステップの中に包容力があるというか、一緒に踊っていて本当に楽しいです」とそれぞれが感じる作品の魅力について触れた。
最後に、堂本と井上から本作を楽しみにしている方々に向けてメッセージが語られた。
井上は「今日のやり取りを聞いていただいてもお分かりいただけたかと思いますが、正直まだ僕たち自身も全貌がわかっていない部分も多くて。でも、こうして皆さんと時間を共有する中で、少しずつ明確になってきました。ひとつはっきり言えるのは、これまでに見たことのないミュージカルコンサートになる、ということです。「コンサート」というより、より“本編”、つまりミュージカルの舞台そのものを観ているような感覚に近いかもしれません。それが、とても大きな会場で、オーケストラの演奏とともに繰り広げられるので。新しい体験になることは間違いないので、楽しみにしていただけたら嬉しいです」と
堂本は「本当にワクワクしています。去年、この企画の話をうかがって、「どんな風になるんだろう?」と期待が膨らみました。ちょうどイギリスに行ったとき、ジョンにもこの話を聞く機会があり、どんどんワクワクが積み重なっていきました。そして今日、この製作発表でみんなの顔を見て、ジョンとも再会して、そのワクワクがさらに増幅しているのを感じています。今日という時間もとてもいい時間でしたし、この空気感を大切にしながら、しっかりと気を引き締めて、緊張感を持ってステージに立ちたいと思います。そして『ナイツ・テイル』の世界を、再び皆さんにお届けできることを楽しみにしています」とそれぞれの思いが述べられ、製作発表は終了した。


文・撮影:THEATER GIRL編集部
公演概要
ミュージカル『ナイツ・テイル -騎士物語‐』 ARENA LIVE
2025年8月2日(土)~10日(日) 東京ガーデンシアター
アーサイト 堂本光一 パラモン 井上芳雄
エミーリア 音月 桂 牢番の娘 上白石萌音 ヒポリタ 島田歌穂 シーシアス 宮川 浩 ジェロルド 大澄賢也
牡鹿 松野乃知 / 穴井 豪 岩下貴史 大山五十和 佐藤セイガ 西口晴乃亮 石井亜早実 遠藤 令 酒井比那 塩川ちひろ 知念紗耶 富田亜希
植木達也 神田恭兵 小西のりゆき 茶谷健太 照井裕隆 中井智彦 広瀬斗史輝 本田大河
青山郁代 岩瀬光世 咲花莉帆 田中真由 堤 梨菜 原 梓 藤咲みどり 水野貴以
邦楽 武田朋子(篠笛・能管) 小濱明人(尺八) 織江 響(津軽三味線) 松橋礼香(津軽三味線)
三浦公規(太鼓) 内藤哲郎(太鼓) / 石川 直(太鼓) 日野一輝(太鼓)
脚本・演出 ジョン・ケアード
作詞・作曲 ポール・ゴードン
日本語脚本・歌詞 今井麻緒子
原作 ジョヴァンニ・ボッカッチョ[Teseida]
ジェフリー・チョーサー[騎士の物語]
ジョン・フレッチャー/ウィリアム・シェイクスピア[二人の貴公子]
音楽スーパーバイザー・オーケストレーション・編曲・指揮 ブラッド・ハーク
振付 デヴィッド・パーソンズ
追加オーケストレーション コナー・キーラン
振付助手 大澄賢也/西岡憲吾
アクションコーディネーター 諸鍛冶 裕太
歌唱指導 中井智彦
装置 松井るみ
照明 中川隆一
音響 山本浩一
映像 栗山聡之
衣裳 ジーン・チャン
ヘアメイク 宮内宏明
稽古ピアノ 宇賀村直佳
演奏 東京フィルハーモニー交響楽団 東宝ミュージック ダット・ミュージック
演出補佐 今井麻緒子
演出助手 小貫流星
舞台監督 北條 孝
通訳 今井麻緒子/内藤章子
制作 斎藤凌子
制作助手 水島由季菜
プロデューサー 齋藤安彦/塚田 淳一
製作 東宝
宣伝美術 小西玲子 駒井茂
撮影 ハービー・山口
撮影協力 成田ゆめ牧場
協力:住友不動産商業マネジメント株式会社・東京ガーデンシアター
