小瀧望主演。ミュージカル『梨泰院クラス』開幕！「ここにしかない魅力がたくさん詰まっていると思います」

2025.06.10

REPORT

2025年6月9日（月）より東京建物Brillia HALLにて、ミュージカル『梨泰院クラス』が開幕した。

日本でも大ブームを巻き起こした「梨泰院クラス」。チョ・グァンジン氏の原作（韓国・カカオウェブトゥーン配信）を基に、世界で初のミュージカル化が実現。主人公パク・セロイを、歌・演技共に高い評価を受け『ザ・ビューティフル・ゲーム』『DEATH TAKES A HOLIDAY』などミュージカル出演が続く小瀧望が演じる。

チョ・イソ役は昨年宝塚歌劇団を退団、華と実力を兼ね備えて目覚ましい活躍を続ける和希そら、繊細で確かな演技力で観客を魅了する注目の若手saraが、オ・スア役は乃木坂４６のリーダーを務め、舞台・ドラマでも存在感を発揮する梅澤美波、透明感のある佇まいで歌手・女優として多方面で活動する川口ゆりなが、それぞれWキャストで務める。

セロイを取り巻く個性豊かなキャラクターたちは、新原泰佑、土井ケイト、吉田広大、秋沢健太朗、浅野雅博、佐戸井けん太ら実力派俳優たちが演じ、作品に厚みを生み出す。

そしてクリエイター陣も「梨泰院」という韓国随一のインターナショナルな街を体現するかのような多彩な顔触れが揃った。脚本は、『四月は君の嘘』などを手掛ける坂口理子、歌詞と構成は、『ダーウィン・ヤング悪の起源』など日本でも話題を呼んだ作品をはじめヒット作を多数手掛けるイ・ヒジュン、音楽は、2023年にはミュージカル『K POP』でアジア系女性として初めてトニー賞オリジナル楽曲賞にノミネートされた韓国系アメリカ人のヘレン・パーク、そして演出は読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞し、硬軟広く話題作を担当し注目を集める小山ゆうなが担い、振付はジェニファー・ロペス、ジャスティン・ビーバー、BLACK PINKなど名立たるトップアーティストの楽曲を数多く担当する世界のトップコレオグラファーであるカイル・ハナガミが務める。

今回は、小瀧望、和希そら、sara、梅澤美波、川口ゆりなが登壇した囲み取材の様子とプレスコールの舞台写真をお届けする。

まずは、初日を迎えるにあたって現在の心境について、それぞれ意気込みが語られた。

小瀧望「みんなで本当に走り続けた2ヶ月間でした。初演ならではの大変さを痛感した日々だったと思います。本番ギリギリまで改善や変更がある中で、その度にみんなで必死に追いついていきました。スタッフの方々やクリエイティブチームも含め、全員が一丸となって作り上げてきた舞台です。その2ヶ月の成果を、これから皆さんにお届けできることに高揚感を覚えています」

和希そら「世界初のミュージカル化ということで、私たちも試行錯誤しながら今日まで稽古を重ねてきました。いよいよお客様にご覧いただける日が来て、どんな反応をいただけるのか楽しみです。その反応を受けて、私たち自身もどう成長し、変化していくのか、ワクワクしながら毎日を過ごしていきたいと思っています」

sara「正直、まだ実感が湧かない部分もありますが、「いよいよ始まるんだな」と感じています。昨日、ゲネプロを拝見させていただいて、劇場に入り、照明やさまざまな要素が合わさった中で『梨泰院クラス』の世界が舞台上に広がっていく様子を見て、とても感動しました。登場人物たちが生き生きと舞台上で息づいているのは、舞台ならではの魅力だと改めて感じました。きっとお客様にも楽しんでいただける舞台になっていると思います」

梅澤美波「とてもドキドキしています。でも、舞台をご覧いただければわかると思いますが、本当にパワーにあふれ、メッセージ性の強い作品になっています。そのパワフルさに負けないように、信頼できる仲間たちとともに、この公演を駆け抜けたいと思います。個人的にもミュージカルは大きな挑戦なので、この公演を経てスアのように強く生きられるように、頑張りたいです」

川口ゆりな「私はこの作品がミュージカル初挑戦になります。普段はあまり緊張しないタイプなのですが、今は少し緊張しています。しっかり落ち着いて、最後まで務めたいと思います」とそれぞれ開幕に向けての思いを語った。

今回が初共演となる主演の小瀧の印象について、梅澤は「稽古場の雰囲気はとても自然体でした。いろいろなお仕事をされている方なのに、変にカッコつけることもなく、とてもフラットな姿勢で現場にいてくださいました。そのおかげで現場はとても和やかでした。セロイ役なので、稽古場でも注目が集まるのですが、褒められると耳まで赤くなっていて（笑）、そのピュアさがとてもセロイだなと感じて印象的でした」と述べた。

印象的なセロイのヘアスタイルについて小瀧は「気に入っていますね。ビジュアル撮影は去年1度行っているので、今回2回目なんですが、「早くこの姿になりたい」と思えるくらい楽しみにしていました。1回目の時はメンバーの反応も気になったのですが、藤井流星から「思ったより変じゃないな」と言われたのが印象的でした（笑）」とメンバーの反応についても触れた。

saraも「とにかくセロイは歌う曲数が多く、常に物語の中心に立っています。その中でも疲れを見せないというか、ずっとフラットな存在でいてくださって、私たちがその大変さを忘れてしまうほど自然体で真ん中に立っていらっしゃるなと感じています」と座長の小瀧についての印象を述べた。

本作の楽曲について小瀧は「どのキャストの楽曲も本当に難しいです。それだけに、今回はさまざまなジャンルの音楽が入っているので、聴いていてとても面白いと思います。すごくロックだったり、バラードはとても美しかったりと、すべてのジャンルが詰め込まれている印象です。そうした楽曲を乗りこなすのは本当に大変ですが、2ヶ月間頑張ってきました。音楽自体が素晴らしく心地良いメロディーなので、頑張って歌い続けたいと思います」と印象を語った。

パク・セロイの役作りについて小瀧は「とにかく原作をしっかり読み込みました。もちろんドラマ版でパク・ソジュンさんが演じたセロイも参考にしましたが、ミュージカル版のパク・セロイとして、自分なりのセロイ像で役に向き合おうと決めてからは、少し気持ちが楽になりました。世界的にヒットした作品ということでプレッシャーもありますが、信頼できるスタッフの方々や仲間たちと、そして自分自身とも毎日丁寧に向き合うことだけを意識しています」と真摯に話した。

日本・韓国・アメリカのクリエイターが集まっている本作の稽古場の雰囲気についても、それぞれから語られた。

小瀧「本当にグローバルな空間でした。日本語で話して、それを英語に訳す通訳の方がいて、さらに韓国語にも訳す方がいて…という形で、常に言語が飛び交っていました。正直、英語をもっと勉強しておけばよかったなと痛感する2ヶ月でした」

梅澤「本当にそう思います。『梨泰院クラス』の舞台である梨泰院という街自体が多文化・多様性にあふれている場所なので、稽古場もまさにその雰囲気と似ていたように感じます」

sara「その中で、特に「壁」を感じることはありませんでした。『梨泰院クラス』という作品を上演するという一つのゴールに向かって、みんなで走っていたので、不思議なほど言語や文化の違いを意識することはなかったです。自由で熱い現場でしたが、皆さん同じ方向を見ていたので、とても良い空間だったと思います」

和希「それぞれがトライ＆エラーを繰り返しながら作品を作り上げていったという印象が強いです。ギリギリまで「ここはどうしようか」というセッションが続いていましたし、それぞれが自分の役割を理解し、自分にできることは何かを模索しながら進めていった稽古期間でした」と、稽古期間を振り返った。

同世代も多い座組で仲は深まったかという問いに川口は「私は今回がミュージカル・舞台ともに初挑戦だったので、稽古に入る前は「どんな現場なんだろう」とドキドキしていました。でも、稽古が始まる前に小瀧さんがキャストみんなでコミュニケーションがとれる場を作ってくださって。そのおかげで、温かい空気の中で稽古に入ることができました。それが本当にありがたかったです」と座長の小瀧への信頼を見せた。

小瀧は「楽しく真剣にというのが僕のモットーなので、稽古場に来るのが楽しみになってほしいなと。神聖な場所ですが、楽しいから生み出されるものがきっとあると思うし、楽しく真剣に向き合う現場にしたいと思っているので」と自身の座長としての取り組み方について語った。

最後に小瀧から本作を楽しみにしている方々へ「世界初演の初日が本日から開幕します。本当に「ついにこの日が来た」という思いでいっぱいですし、今日からこの舞台を信頼できるカンパニーの皆さんとともにスタートできることを、とても幸せに感じています。このミュージカルは、ここにしかない魅力がたくさん詰まっていると思います。とてもダイナミックでドラマチックな作品なので、時間があっという間に感じられるのではないでしょうか。本日から長い戦いが始まりますが、皆さんにも楽しんでいただけるよう、全力で頑張ります。どうぞ応援よろしくお願いいたします」と挨拶が述べられ、囲み取材は終了した。