大友至恩・阿久津仁愛・小越勇輝・近藤頌利インタビュー 『HUNTER×HUNTER』THE STAGE「不安はあるけれど、自分と周りを信じて一緒に良いものを作り上げていきたい」(前編)
2023年5月12日(金)から、東京・天王洲 銀河劇場にて『HUNTER×HUNTER』THE STAGEが上演されます。
冨樫義博さん作の大ヒットコミック『HUNTER×HUNTER』を舞台化した本作。今回の舞台では、ゴンが仲間となるキルア・クラピカ・レオリオに出会い、ハンターになるための過酷な試験に立ち向かう<ハンター試験編>と、イルミによって家に連れ戻されたキルアをゴンたちが助けに行く<ゾルディック家編>が描かれ、劇団『悪い芝居』の代表で脚本家としても注目を浴びる山崎 彬さんが演出を手がけます。
父親と同じハンターを目指す主人公・ゴンを演じるのは、激戦なるオーディションを勝ち抜いた新星・大友至恩さん。ゴンの良き友人で殺し屋として天才的な才能を持つ少年・キルア役には阿久津仁愛さん、クルタ族の生き残りで幻影旅団に復讐を誓うクラピカ役には小越勇輝さん、医者を目指す青年・レオリオ役には近藤頌利さんが決定しました。
今回THEATER GIRLでは、大友至恩さん、阿久津仁愛さん、小越勇輝さん、近藤頌利さんにインタビュー。前編では、出演が決まったときの周りからの反応、舞台に向けて準備されていることなどをうかがいました。
取材時は稽古開始前で、親密なコミュニケーションを取っていくのはまだこれからとのこと。このタイミングでしか味わえない、貴重な4人の雰囲気をぜひお楽しみください。
舞台上で『HUNTER×HUNTER』の世界観が広がっていくワクワク感
――現在、それぞれ台本を各自で読まれている段階とお伺いしました。いよいよ稽古直前とのことで、今の心境はいかがですか?
大友:ドキドキしています! 一言一言の台詞はそこまで長いわけではないのですが、全体的な台詞量になるとたくさんだなと感じています。動きと台詞をどうやって一緒に出せるか、たとえば「漫画ではこういう動きをしていたけど、実際はどうやって再現するのかな?」と想像しながら、台本を読み込んでいますね。
阿久津:もうすぐ始まる稽古に向けて、楽しみな気持ちとドキドキな気持ちです。こないだ紙で作られた舞台セットのイメージを見せていただいたら、かなり複雑な構造だったので、それらをどうやって使うのかも楽しみです。
今回は日替わり要素もあるんですよね。僕自身はアドリブが苦手で、キルアというキャラクター的にもちょっと難しそうな部分もありますが、そこをどうカバーしていくか考えていかないといけないなと思っています。
小越:いよいよ近づいてきたな、という感覚です。ビジュアル撮影をして、こうやって取材を受ける中でより実感してきました。本当にあと数日で稽古が始まるので、率直に緊張しています。僕はとても緊張しいなので、稽古もそうですけれど、顔合わせが特にドキドキします。
阿久津:分かります! 顔合わせ、緊張する……。
小越:緊張もありますが、台本を読んでいるときは「舞台上で、この『HUNTER×HUNTER』の世界観が広がっていくのか……!」と想像してワクワクしていますね。どういう形で表現されるのか楽しみです。
近藤:僕も実は緊張しているんですよ。普段は大雑把なイメージを持たれているかもしれませんが(笑)、いざ現場に入るとやっぱり緊張しちゃいます。特に二人(大友さんと阿久津さん)は、かなり年下じゃないですか。ちょっと年上っぽいことしなきゃいけないのかな、とも思ったりして、それはそれで困るなって(笑)。
大友:(笑)!
稽古場で毎日顔を合わせるので、自然と打ち解けられるのが舞台の良さ
――まだ稽古前なので打ち解けていくのはこれからだと思いますが、現時点で4人で何かお話はされましたか?
近藤:パンフレットの座談会で、一度ガッツリとお話ししましたけど……。(3人と顔を見合わせる)
小越:まだこれからですね。取材は受けさせていただいていますが、合間でもまだあまり話せていないです。
近藤:みんなまだ、すんとしています(笑)。
小越:お互いの気になる部分も、これから発見していけたらいいですよね。
近藤:誰が嫌なやつ、とかね(笑)。
阿久津:えー! そっち(笑)?
一同:(笑)。
近藤:これから稽古で毎日顔を合わせる仲になっていくので、自然と打ち解けられるだろうな、と。それが舞台の良さでもあると思います。大友くんは15歳ですからね。
大友:そうですね。
近藤:初めてですよ、一回り以上下の子と現場で一緒になるの。何を話そうか悩んでしまうくらい、ジェネレーションギャップを感じてしまいそうで。多分、担任の先生のほうが僕より若いよね?
大友:いやいや! 僕の学校は、先生の年齢層がどちらかというと高めだったので、そんなことないと思います(笑)。
近藤:そっか、なら良かった(笑)。そういえば、学校でかなり反響があったんじゃない?友だちに「『HUNTER×HUNTER』に出るの!?」ってたくさん言われたでしょ?
大友:そうですね。友だちから、「よっ! ゴン!」と言われました(笑)。実は、学校で『HUNTER×HUNTER』を知っている人がこんなにいると知らなくて。出演が決まってから、名シーンの台詞を真似している友だちを見て「この台詞も知ってるんだ、すごい!」と思いました。僕の世代でも作品の認知度はやっぱり高いです。
阿久津:やっぱりそうなんだ。僕も周りの友だちでも原作を好きな人がたくさんいるから、「(出演することに対して)羨ましい!」って言ってもらえて嬉しかったな。
「不安はあるけれど、自分を信じて、周りを信じて、一緒に作り上げていきたい」
――役作りの面であったり、体力的な面であったり、現時点で舞台に向けて準備されていること、意識されていることを教えてください。
小越:作品のファンはもちろん、それぞれのキャラクターにもファンがたくさんいらっしゃるので、どうやって役作りしたらいいのか、迷いは少なからずありますね。
でも、心のどこかで「それは関係ないよな」とも思っていて。もう自分の役ですし。この役を“自分が”どうやって表現するのか。それを軸に、クラピカに対して持った自分のファーストインプレッションを大事に作っていきたいです。この4人での行動や、作品の中で関わってくる皆さんとのやりとりでも、キャラクターを確立していければな、と。
――あまりプレッシャーを感じすぎずに、ということでしょうか?
小越:いえ、プレッシャーは感じています(笑)。でも……そうですね。感じてはいるし、どんなふうに受け入れてもらえるか、もちろん不安はありますけれど、自分を信じて、周りを信じて、一緒に作り上げていきたい気持ちが一番大きいです。
大友:僕は、ゴンの素直なところや、みんなから愛されているところを大切にしたいと思っています。普段からピュアな心で頑張っていきたいです。
――ご自身とゴンの性格で、共通する部分はあったりしますか?
大友:ゴンは正直で、思ったことをそのままバーンとすぐ行動に移すけど、その中でもやっぱりちゃんと、根底では物事を考えている性格なんですよね。だけど僕は何も考えず動いてしまうので、似ているところはあまりないかもしれません(笑)。
―― 阿久津さんと近藤さんは舞台に向けて準備されていることはありますか?
阿久津:僕は準備しておきたいことでいうと、稽古が始まると疲れて睡眠時間が取れなくなってしまうことがあるので、免疫力を高めておきたいです。ご飯をしっかり食べたり、ちょっと走ったり、ビタミン剤を飲んだりなど、今は身体作りを心がけながら生活していますね。
そういえば、歩き方の癖が僕はとても強いんですよ。キルアって足音を立てずに歩くので、歩き方は特に意識したいな、と。基本的に芝居は稽古場でみんなで作り上げていくものだと思っているのですが、キルアが説明台詞を言う場面は、事前に研究しておきたいなと思っています。
近藤:プロデューサーの方から「レオリオは脱ぎますので、よろしくお願いします!」と、圧をかけられていまして(笑)。ビジュアル撮影のときはもう少し筋肉があったのですが、今はだいぶ削っていたので、また筋トレし直さないといけないなと。もし本番で脱いでいなかったら「あいつ絞れなかったんだな」と思ってください(笑)。
取材・文:矢内あや
Photo:野村雄治
公演概要
『HUNTER×HUNTER』THE STAGE
2023 年 5 月 12 日(金)~5 月 28 日(日)
天王洲 銀河劇場
【原作】 冨樫義博(集英社「週刊少年ジャンプ」より)
【脚本・演出】 山崎 彬
【音楽】 坂部 剛
【キャスト】
ゴン 大友至恩
キルア 阿久津仁愛
クラピカ 小越勇輝
レオリオ 近藤頌利
シルバ 北村圭吾
ゼノ 椎名鯛造
ミルキ 皇希
ゴトー 田鶴翔吾
ハンゾー 川﨑優作
ネテロ 大高洋夫
イルミ 上田堪大
ヒソカ 丘山晴己
倉持聖菜 齋藤 潤 高岩芯泰 辻本将平 原池 優
樋口明志 藤田浩太朗 古田伊吹 森川 錦 山崎理彩
【主催】『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 製作委員会
【チケット料金】11,000 円(全席指定/税)
【公式サイト】https://hunter-stage.jp
【公式 Twitter】@hunter_stage
【公式 YouTube】https://youtube.com/@hunter_stage
©P98-23・『HUNTER×HUNTER』THE STAGE製作委員会