藤井直樹主演、岡﨑彪太郎共演。『あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~』取材会レポート!
8月23日(土)~31日(日)東京・サンシャイン劇場、9月6日 (水)~14日(日)大阪・大阪松竹座、9月20日(土)石川・金沢市文化ホール、9月23日広島・広島国際会議場フェニックスホール、9月26 日(金)~28日(日)愛知・御園座にて、舞台『あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~』が上演される。
コロナ禍で甲子園出場の夢を絶たれた元球児の大学生が、令和7年から太平洋戦争中の昭和17年にタイムスリップし、当時の球児た ちと共に苦境を乗り越えながら“幻の甲子園”出場を目指す姿を描き出す本作。“幻の甲子園”とは昭和17年8月、戦意高揚のために文部 省主催で一度だけ甲子園で開催された大会です。公式の記録としては認められず“幻の甲子園”と呼ばれている。
主演の令和の大学生・森下令児を演じるのは、ジュニアの藤井直樹。昭和の野球部主将・津田昭夫役には、関西ジュニアの 岡﨑彪太郎。さらに前島亜美、宮地真緒、永井大ら、経験豊かで華やかな俳優陣が物語を支える。
NHK朝の連続テレビ小 説「ちむどんどん」や映画「パッチギ!」、「トリリオンゲーム」などの脚本で知られる羽原大介の書き下ろし、関西テレビで数々のドラ マを監督し、「大阪環状線」シリーズで舞台も手掛ける木村弥寿彦の演出で戦後80年、高校野球110年の節目となる 2025年に新たな青春物語が届けられる。
今回は、藤井直樹、岡﨑彪太郎、前島亜美、宮地真緒、永井大、演出・木村弥寿彦が登壇した取材会の様子をお届けする。
まずは、本作に出演が決まった時の思いや意気込みが出演者から語られた。
藤井直樹「出演が決まったと聞いたときは、マネージャーさんから「決まりました」と連絡が来て。本当に自分のところに来た話なのかと、最初はびっくりしました。ですが、台本を読み進めていく中で、徐々に実感が湧いてきました。僕自身、野球の経験がないのですが、役柄としては「元エース」という設定なので、しっかり気合を入れて、まずは野球の練習から頑張っていきたいと思っています。野球の練習はみんなで練習することもありますが、個人的にも時間を作ってやれたらと考えています」

岡﨑彪太郎「僕も出演が決まった段階でお話をいただいて。その時は髪が長かったのですが、短くすることも決まっていたので、正直少し戸惑いがありました。野球経験もないので、どうすればいいんだろうと悩んだのですが、実際に髪を切ってポスター撮影などを行う中で、意外と雰囲気があるんじゃないかなと自分でも感じました。テニスの経験があるので、その動きや感覚を生かせる場面があればいいなと思っています。前向きに役に取り組んでいけたらと考えています。ヘアスタイルについては両親から『小中学生に戻ったみただね』と言われました(笑)。舞台期間中はずっと短いままだと思いますが、今しかできない髪型なのですごく楽しめると思います」

前島亜美「出演が決まったときは、心から嬉しかったです。私にとっては約3年ぶりの舞台出演となるので、緊張もありますが、現在は声優の仕事もさせていただいているので、そこで培った経験を活かしたいと思っています。今回は、主人公・令児の恋人である礼子役を演じます。加えて、試合中の野球シーンをナレーションするような役割もあるので、声優の現場で学んだことも生かして頑張りたいです」

宮地真緒「今年は戦後80年という節目の年で、台本を読ませていただいたときに、「これはやりたい」と思い、お引き受けしました。個人的にも「戦後80年」という点に心を動かされたのですが、それだけでなく、私は昔から甲子園の某番組が大好きで、夏になると毎晩録画して見るほどなんです。そうした背景もあって、若い方々が頑張る姿を間近で感じたいという気持ちもありました。温かい甲子園ファンとして、皆さんのサポートができたら嬉しいです」

永井大「戦後80年、そして戦後の甲子園が始まって110年という節目の年に、このような作品に関わることができて非常に光栄に思っています。おそらく出演者の中で最年長になるかと思うのですが、こういった立ち位置での舞台はなかなかないので、自分自身も今47歳という年齢になったんだなと、少し不思議な気持ちでいます。最年長として、若い皆さんを引っ張っていけるところは引っ張っていきたいと思っています」

本作の見どころについて演出の木村弥寿彦は「この作品を企画した背景には「戦後80年」という節目がありました。そのテーマを軸に、何か作品を作りたいという話をいただいたのが始まりです。私は大阪に住んでおりまして、やはり夏といえば「甲子園」というイメージが非常に強くあります。宮地さんのお話にもありましたが、甲子園は夏の風物詩として多くの人の心に根付いている存在です。
その中で、かつて甲子園が中断された時期がありました。第2次世界大戦中に大会が行われなかったという歴史と、2020年に新型コロナウイルスの影響で甲子園が中止になった出来事が、自分の中で強く重なったんです。
コロナ禍によって夢や希望を奪われた若者たちがいた一方で、戦時中にも同じように甲子園を目指しながら叶えられなかった若者たちがいました。そんな彼らが、たった一度だけ開催された“幻の甲子園”に参加するという設定に、令和を生きる現代の若者がタイムスリップして交わるというストーリー構成が、この作品の大きな魅力だと感じています。
現代の若者たちが戦時中の青春や葛藤に触れることで、共感や発見が生まれると思いますし、観客の皆さんもそれぞれの経験や記憶と重ね合わせることで、心に響く作品になるのではないかと考えております」と本作への思いを語った。

その後、今回監督役を務める永井にどんな監督像をイメージしているかという質問が。永井は「時代的にも、僕が若い頃は厳しい指導が当たり前の時代でした。今はそういったスタイルはないですが、当時の空気感を再現する意味でも、スパルタ気質の監督として向き合いたいと思っています」と語ると藤井は「怖いですね(笑)。でも、永井さんご自身はとても優しい方だと思うので、演技中にスパルタに見えても「本当は優しい人なんだ」ということを忘れないようにします」と受け止めた。
岡﨑も「僕たちジュニアの活動でも、多少は鍛えられていると思います。でも、ある程度の覚悟はしておきます(笑)」と前向きに語った。

さらに、本作で共演する藤井と岡﨑に、お互いの印象やどんなタッグになりそうかという質問が。
岡﨑は「なんとなく近しい感じがするんです」と藤井の印象を述べると、
藤井も「僕は「こたちゃん」と呼んでいるんですが、見た目からして優しそうで、中身も優しいんだろうと思うのですが。ただ、「何か裏があるんじゃないか……?」と気になってしまうところもあるので、この期間でそういう一面があれば見つけてみたいなと思っています(笑)」と岡﨑の印象を話すと
岡﨑は「裏を探られるんですね(笑)。藤井くんは「誰とでも仲良くできるタイプ」なんだなという印象です。いろんな人と自然に話しているイメージがあって、すごくフレンドリーで馴染みやすい方だなと感じます。だから、僕自身もすごく安心して話しかけられます」と藤井への信頼を見せた。
「じゃあ、僕とこたちゃんも仲良くなれ……」と藤井がうかがうと
「なれる!」と岡﨑が威勢よく応え、これからの二人のタッグに期待が膨らんだ。

近年舞台への出演が目覚ましい藤井に、どんなところに舞台の魅力を感じているかという質問に。
藤井は「まずは主演を務めさせていただけることを本当にありがたく思っています。舞台の魅力は、やはり“生”であることだと感じます。その日その日で、相手役の方から聞こえてくるセリフのニュアンスが少しずつ違っていたりするんです。何度も同じシーンを演じていても、日々新しい感情が生まれるところが、舞台ならではの面白さだと思っています。観に来てくださるお客様の中には、初めて観る方やもしかすると何度か足を運んでくださる方もいらっしゃるかもしれませんが、そういった方々にも「前回とはちょっと違うな」と感じていただけるような違いがあるのも、舞台の大きな魅力だと思います」と舞台の魅力を語った。
本作ではダンスシーンも登場するのかという問いに演出の木村は「今のところ、はっきりとした“ダンスシーン”はないのですが、野球を題材にしている作品ですので、その動きをエンターテインメントとしてどう見せていくかがテーマのひとつです。スポーツとしての野球ではなく、舞台として魅せる“演出された野球”を表現したいと思っています。その中で、動きがダンス的な要素に近づいていくかもしれませんし、楽しくて力強いパフォーマンスになれば良いなと考えています」と演出面について語った。それに対して藤井も「頑張ります!」と全力で答えた。
本作は、8月23日(土)~31日(日)東京・サンシャイン劇場、9月6日 (水)~14日(日)大阪・大阪松竹座、9月20日(土)石川・金沢市文化ホール、9月23日広島・広島国際会議場フェニックスホール、9月26 日(金)~28日(日)愛知・御園座にて上演される。
文・撮影:THEATER GIRL編集部
公演概要

『あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~』
【スタッフ】
作:羽原大介 演出:木村弥寿彦
【出演】
藤井直樹 岡﨑彪太郎
前島亜美 福室莉音/生田俊平 佐野遥喜 小川丈瑠 琥城雄太
校條拳太朗 宮地真緒 永井大
【会場・日程】
2025年8月23日(土)~31日(日) 東京・サンシャイン劇場
ご観劇料(税込) S席:12,000円 A席:7,000円
2025年9月6日(土)~14日(日) 大阪・大阪松竹座
ご観劇料(税込) 1等席:12,000円 2等席:5,000円
●2025年9月20日(土)13:00/17:00 石川・金沢市文化ホール
ご観劇料(税込) S席:12,000円 A席:8,500円
●2025年9月23日(火・祝)11:30/15:30 広島・広島国際会議場フェニックスホール
ご観劇料(税込) S席:12,000円 A席:7,000円
●2025年9月26日(金)~28日(日) 愛知・御園座
ご観劇料(税込) S席:12,000円 A席:7,000円
【チケット販売開始】 全会場 2025年7月20日(日) 10:00~
【公式サイト】 松竹ホームページ: www.shochiku.co.jp
【公式X(旧Twitter)】 @anonatsu_st
【製作】 松竹株式会社
