坂本昌行主演。ミュージカル『ブラック・ジャック』開幕！「お客様がどのように受け止めてくださるのか楽しみ」

2025.06.29

REPORT

2025年6月28日（土）より東京・ IMM THEATERを皮切りに、ミュージカル『ブラック・ジャック』が開幕した。

1973年「週刊少年チャンピオン」での連載開始から50年以上を経ても、手塚治虫作品の中でも根強い人気を誇る「ブラック・ジャック」。今いちど手塚作品を掘り下げ、「命の価値」、「再生」をテーマに、生演奏でのミュージカル作品として、栗山民也演出で、東京、新潟、名古屋、浜松、札幌、兵庫など、全国6都市で上演される。

主人公のブラック・ジャック（間黒男／以降、BJ）を演じるのは、数々のミュージカル作品で主演を演じ、常に高い評価を得る坂本昌行。そして、双子の姉の腹の中で18年間生き続けていた畸形嚢腫でBJに摘出され人工の身体を得た女の子、ピノコ役をミュージカル初挑戦となる矢吹奈子。安楽死の必要性と正しさを信念とする医師ドクター・キリコ役を2年ぶりの舞台出演となる味方良介。さらに、今井清隆、大空ゆうひといった実力派俳優、福本伸一、家塚敦子、岡崎大樹、村田実紗も出演し、作品の奥行きを深める。

演出は、第50回（2024年度）菊田一夫演劇賞演劇大賞はじめ、紀伊國屋演劇賞個人賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞、芸術選奨文部科学大臣賞など多数の受賞歴を有する日本を代表する舞台演出家の栗山民也。脚本は、劇団「ラッパ屋」主宰で、“大人のエンターティーメント”を志す作風で人気の鈴木聡。音楽は、演劇やオペラなど数々の舞台作品で日本にとどまらず海外でも活躍する笠松泰洋が務め、作品に彩りを加える。

今回は、坂本昌行、矢吹奈子、味方良介、大空ゆうひ、今井清隆が登壇した取材会のコメントと舞台写真をお届けする。

開幕への意気込み、稽古場で印象的だったエピソード

坂本昌行

ブラック・ジャックがミュージカルになって、明日開幕を迎えます。正直、稽古に入る前はブラック・ジャックがどうミュージカルになるのか想像がつきませんでしたが、栗山さんの頭の中では完璧に出来上がっていて、そこについていくのに我々もかなり頭を使いました。本当に一つひとつ出来上がっていく時間が楽しくもあり、勉強の時間でもありました。今回は「命」というテーマを掲げて、私たちもいろいろ考えさせられる時間がありました。これをお客様がどのように受け止めてくださるのか、そしてどのように楽しんでいただけるのか、とても楽しみにしています。

矢吹奈子

私自身、ミュージカルは初めてなので、稽古に入る前からとても緊張していました。でも先輩方がとても優しく、分からない部分も丁寧に教えてくださったおかげで、毎回安心して稽古に臨むことができました。本番前日になってもまだ少し緊張はありますが、本番になったらピノコとしてただ生きるだけだと思うので、楽しんでできたらいいなと思います。それから、この稽古期間中に誕生日を迎えたんですが、その時にバンドの生演奏でお祝いしてくださって、皆さんが素晴らしい歌声でハッピーバースデーを歌ってくださったんです。生演奏でお祝いしていただくのは初めてだったので、とても幸せな誕生日を迎えることができました。

味方良介

僕自身、二年ぶりの舞台になるのですが、稽古をしていく中で改めて「稽古って楽しいな」と感じましたし、同時に稽古の難しさや俳優という仕事の難しさも実感しました。この1ヶ月弱の稽古で、生きることや死ぬことなど、いろんなことを考えさせられる時間を過ごしました。僕にとってとても貴重な時間で、これが本番でどう変わっていくのか、自分の心情の変化や考え方も楽しみですし、それをお客様がどう受け取ってくださるのかも今から楽しみにしています。

大空ゆうひ

私もミュージカルに出演するのは久しぶりで、稽古場はとても緊張感にあふれていました。でも、すごくシンプルなセットの中で、稽古場でもほとんど何もない空間で自分たちでドラマを立ち上げるということで、一生懸命稽古を重ねてきました。また、今井さんが稽古場でいろんなアドリブを入れて和ませてくださったことが、とてもありがたかったです。そのおかげで場面が和やかになったりして、緊張感と和みのバランスがとても良い稽古場でした。あとはお客様が入ることで、作品がもう一段階上がるんじゃないかなと思っています。そこを目指して作っていきたいです。

今井清隆

栗山先生とはこの作品で5回目なんです。ダメ出しが本当に多くて、人数も少ないせいもあると思うんですが、毎日ダメ出しをもらって、それを消化するのが心配で。もう焦って、今日も焦っていますし、多分明日も焦った感じになるんじゃないかと思います。そんなことではだめですね、落ち着いて頑張ります（笑）。でも本当に、皆さまにこの作品をお見せできるのがとても楽しみです。