翼和希、千咲えみ登壇。OSK日本歌劇団「レビュー 夏のおどり」取材会レポート！「新しい一歩を見届けていただきたい」

２０２５年８月２２日（金）より新橋演舞場にて、OSK日本歌劇団「レビュー 夏のおどり」が上演される。

１９２２年に誕生したOSK日本歌劇団は、今年４月に劇団創立１０３年目を迎えた。脈々と受け継がれてきた伝統を守りながら歴史を受け継ぎ、１９２８年には東京進出を達成。２０１４年には新橋演舞場で初めての公演を行うなど東京でも多くの観客から愛され続けている。

 今回は、待望の翼和希のトップスターお披露目公演となり、花柳寿楽構成・演出・振付の和物ショー、中村一徳（宝塚歌劇団）作・演出の洋物ショーの豪華２本立てでトップスター就任を寿ぐ。

今回は、翼和希、千咲えみが登壇した取材会の様子をお届けする。

取材会コメント

トップスター就任への思い

翼和希

やはりトップという立場は大変責任のあるものだと思いますし、劇団の「玄関」でいなければいけないということも強く感じています。OSKは今年で103年目を迎える劇団ですが、その長い歴史の中で本当に紆余曲折があり、様々な試練にぶつかることも多かったと思います。

ただ、そのたびに真っ向勝負で、まっすぐに戦い続けてきたからこそ、OSKは生き残ることができて、強く生命力あふれる劇団になっているのではないかと感じています。

その劇団の一番上に立つ立場をいただいたことで、責任や歴史への誇りは絶対に忘れてはいけないと常に思っています。ただ、それをあまり重いプレッシャーと捉えるのではなく、この劇団をもっと発展させるためにはどうすればいいのかを、ポジティブに考えられるようになったのは、やっぱり隣に千咲がいてくれるからだと思います。

同期として、学校も含めてもう15年目のお付き合いになりますが、悩んだことも全部相談してきましたし、その中で「こうしたらいいんじゃないか」と常に話し合ってきました。二人で話す内容はいつもOSKのことで、どうしたらお客さまにもっと楽しんでいただけるか、この場面をもっと良くするにはどうするかなど、ずっと話し合ってきた関係です。

なので、今同じトップという立場をいただいたときに「じゃあこうしてみようか」という会話が自然に成り立つのは千咲だからこそだと思います。これからもその誇りと責任を常に持ち続けながら、より発展させるために頑張っていこうという決意が固まりました。

千咲えみ

私もトップスターに就任させていただいた当初は、しっかりしなきゃとか、歴代のトップの方々を見て「こうしなきゃ」という気持ちがすごく強かったです。ですが、今回翼と同期でトップということで、本当に自由にやらせていただいていて、伸び伸びと舞台を務めさせてもらっています。

歴代のトップの方々の背中をしっかり見つつも、自分たちにしかできない形でいいのではないかと、最近は思うようになりました。そんな今のOSKを、今のお客様に愛していただけたらいいなと強く感じています。

もちろん、誰よりも責任のある立場だと思っていますので、そこはしっかりと気を引き締めて、これからも頑張っていきたいです。

同期として初めて会った時の印象

翼和希

初めて会ったのはOSKの研修所の受験会場でした。お互い受験ということで緊張していたのもあって、正直その時の「はじめまして」はあまりよく覚えていないんです。ただ、その日にすぐ合格発表があって、その時に「どうも」みたいな感じで話し始めました。

そこから一気にみんな仲良くなって、入所式の前に同期の家に集まって「みんなで頑張ろうね」とお泊まり会のようなことをしたのを覚えています。

その頃から千咲は何も変わっていなくて、常にハッピーな子なんです。人を楽しませることが生きがいだと思うほどに、いつも何か楽しいことを考えている印象が強くて、見ていて本当に面白いと感じていました。

千咲えみ

私も正直、受験日の具体的な印象はあまり覚えていないんです。ただ、同期の中でも年齢も同じで、OSKに入る前に夢を目指してきた経歴もほとんど一緒で。だから話が合うなということを15年前から感じていました。

そして翼の印象は、とにかくやる気がすごいということです。それはもちろん今も変わらなくて、難しい振りや苦手なことがあっても絶対にできるまで諦めない姿勢は本当にすごいと思います。それは他の人の何倍も感じるところです。

同期として15年の間に相談し合う場面はあったか？

翼和希

序列も近かったですし、組む機会も多くて、同じ作品に何年も一緒に出ていた時期が多かったので。それこそ、先輩方の踊りを見て研究して意見を交わしました。同期だからこそ変に気を遣わずに、体当たりでぶつかり稽古のように取り組めたのは本当に良かったと思います。

また、自分たちがどうあるべきか悩んだ時や、先輩からいただいた言葉について「私はこう思う」「じゃあこうしてみようか」と、お互いにそういう話をよくしていました。

稽古場で話が終わらないので、そのまま一緒にご飯に行って、ずっとOSKの話をして、「明日も頑張ろう」と解散することも多かったです。

本作を楽しみにされている皆様へメッセージ

翼和希

8月の新橋演舞場は想像を絶するほどきっと暑いと思いますが、その熱さに負けない舞台を必ずお届けすることをお約束いたします。今回「お披露目公演」という冠をつけていただきましたが、新しいOSKのお披露目でもあります。みんなの新しい一歩を、ぜひ皆さまに見届けていただきたいです。

そしてOSKは今年で103年目を迎えますが、200年、300年、そして「千年桜」として地に根を張り、大輪の満開の桜を咲かせ続けられるように、劇団一丸となって頑張ってまいります。どうぞ皆さま、ぜひ劇場へ足をお運びください。

千咲えみ

今回この作品を皆さまに劇場で直接観ていただけるのは、この「夏のおどり」が最後となります。今までOSKを観たことがない方も、ずっと観てくださっている方も、一度でいいので劇場にお越しいただき、肌で私たちの舞台を感じていただけたら嬉しいです。

皆さまの期待に応え、そして期待を上回れるような舞台をお届けできるよう、これからのお稽古も精一杯頑張ってまいります。観終わった後に「楽しかった。明日も頑張ろう」と思っていただけるようなステージをお届けしたいです。

文：THEATER GIRL編集部

公演概要

OSK日本歌劇団「レビュー 夏のおどり」

会場：新橋演舞場
日時：2025年8月22日（金）～26日（火）

ご観劇料（税込）：
S席（1・2階）　10,500円
A席（3階）　 　 5,500円

キャスト：
翼和希、千咲えみ

他　OSK日本歌劇団

公式サイト：https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202508_osk_enbujo/