福本莉子インタビュー 『お勢、断行』 「一つのことをずっと追求できるのが舞台の魅力」（後編）
2022年5月11日より、世田谷パブリックシアターにて舞台『お勢、断行』が上演されます。
本作は2017年の『お勢登場』に続く世田谷パブリックシアター×倉持裕氏のタッグとなる作品。2020年2～3月に上演を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため全公演中止となっており、2年の時を経て、ついに開幕します。
今作で作・演出を務めるのは、倉持裕氏。前作の『お勢登場』では、江戸川乱歩によるケレン味あふれた8本の短編を卓越した構成力で見事舞台化し、好評を得ました。今回は、極彩色に広がる乱歩の迷宮世界を踏襲しながらも、稀代の悪女・お勢という魅力的なキャラクターをモチーフに、善悪せめぎ合う全く新たな謀略の物語を立ち上げます。
主人公・お勢役を務めるのは、倉持作品への出演が二度目となる倉科カナさん。物語の中心となる謀略の被害者・資産家の娘の晶役を、福本莉子さんが演じます。福本さんは今回が初の倉持作品への出演となります。
さらに、これまでも倉持作品に出演してきた江口のりこさん、池谷のぶえさん、堀井新太さん、粕谷吉洋さん、千葉雅子さん、大空ゆうひさん、梶原善さん、2020年公演から続投の正名僕蔵さんと魅力的なキャストが揃いました。
THEATER GIRLは、今作が初の倉持作品への参加となる福本莉子さんにインタビューを敢行。後編では、今まで出演されてきたミュージカルと今回が初挑戦となるストレートプレイの違いやご自身の今だから言える過去のエピソードなど、たっぷりと語っていただきました。
ミュージカルとの違いが難しい
――ストレートプレイへの出演は今回が初めてとのことですが、お稽古をしていて新鮮だったことはありますか？
以前出演させていただいたのがミュージカルだったのですが、ミュージカルは、人物が悲しい時や嬉しい時に感情表現として歌を歌うので、シーンの山場やテンポがすごく分かりやすいんですよね。
ストレートプレイは全て台詞で、話し方や動きの緩急のつけ方を研究しないと、一歩間違えると単調なものになってしまいそうなので、そこが難しいですね。台詞の言い回しやテンポを意識しながら、どんな風に言葉で魅了するかということに気を付けながら演じていけたらと思っています。
舞台では体力づくりが第一
――今作の主人公は稀代の悪女・お勢ですが、福本さんが今だから言える「ちょっと悪いことをしてしまった」というエピソードはありますか？
幼稚園の時に「みにくいアヒルの子」の劇をやったのですが、何人かでみにくいアヒルの子の役を演じたんです。当時の私は目立ちたい気持ちが強かったのか、同じ役の友達をステージの決められた立ち位置に立たせないように邪魔をしていたみたいで（苦笑）。
今もその友達とは仲が良くて、笑える思い出話になってはいますが、本人からその話を聞いた時に私は全然覚えていなくて……ちょっと怖いなと思いました（笑）。幼稚園や小学生の時は自我が強くて、一番かまってほしい時期なので、そのようなことをしてしまったのかなと思います。
――確かに、幼稚園くらいのときは自我が強い時期ですよね（笑）。普段、お仕事の息抜きとしてなにかやっていることはありますか？
毎日お風呂には絶対に入りますし湯船にも浸かりますね。あと、舞台中はたくさん声を出して動くので、体力をつけるために普段以上にご飯を食べます。映像だと、映りを意識しないといけないですし、むくんでしまうと大変なので食べる量に気を遣うのですが（笑）。舞台の時はほとんど気にしません。体力を作る、筋肉をつける、健康でいる、ということが重要だと思うので、そのためにたくさん食べます。
あとは、ピラティスにも通っていますね。体が起きている状態で稽古した方がいいなと思うので、稽古前に体幹や柔軟・ストレッチで体を動かしたりもしています。
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