糸川耀士郎×木原瑠生インタビュー ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』「このタイミングで集まれたのも一つの巡り合わせ」(後編)
2026年4月4日(土)より東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)を皮切りに、ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』が上演されます。
本作は、1992年スティーヴ・マーティン主演の映画「奇跡を呼ぶ男」をもとに、2010年にミュージカル化され、ラウル・エスパルザ主演でブロードウェイに進出しました。
音楽にはアラン・メンケン氏(『アラジン』『リトル・マーメイド』)、作詞にはグレン・スレイター氏(『塔の上のラプンツェル』『スクール・オブ・ロック』)など、ブロードウェイのトップクリエイターたちが参加。ゴスペル調のソウルフルな音楽が、物語を鮮やかに彩るミュージカル。
日本版演出を担うのは、グローブ座での演出をはじめ、近年ロンドン・ウエストエンドでも高い評価を得ているイギリスの新進気鋭演出家ジェニファー・タン氏。
映像作品でも様々な役柄を魅力的に演じ存在感を放つ竹内涼真さんが、5年ぶりのミュージカルで詐欺師役という新たな役どころに挑みます。
竹内さん演じるジョナスの妹サム役に、昆夏美さんとセントチヒロ・チッチさん。ジョナスと対立するアイザイア役に糸川耀士郎さんと木原瑠生さん。車椅子の少年ジェイク役には、小林佑玖さん。アイザイアの姉オルネラ役にMARIA-Eさん。ジョナス率いるエンジェルスのリードボーカル、アイダ・メイ役にマルシアさん。ジョナスを警戒しつつも心を通わせていく保安官のマーラ役に真瀬はるかさん。
実力派キャスト&最高のスタッフ陣が集結し、珠玉の楽曲とともに、「信じる心」が起こす奇跡の物語を紡ぎ出します。
THEATER GIRLは、アイザイア役をWキャストで務める糸川耀士郎さんと木原瑠生さんにインタビュー。後編では、アラン・メンケンさんとグレン・スレイターさんが手がける楽曲の魅力や、客席参加型の演出への期待、お互いの歌声に感じている魅力について語っていただきました。
全曲フルパワーな印象
――本作は、音楽をアラン・メンケンさん、作詞をグレン・スレイターさんといったブロードウェイのトップクリエイターが手がけていますが、楽曲についてはどのような印象をお持ちですか?
糸川:今は場面ごとに稽古を重ねているところなのですが、一曲一曲が本当に素敵で、これがすべてつながったときにどれだけのエナジーが生まれるのか、とても楽しみです。
特に一幕の終盤にある涼真くんのソロ曲「罪の王様」が印象的で、とても好きな楽曲です。物語の大きな転換点となる場面で、ジョナスの開き直ったような感じや、物語が一段階上に進む感覚が音楽にしっかり表れていて。
観ている側の感情と曲調がぴたりと重なって、ワクワクした状態で一幕を終えられるのが魅力的だなと。どの楽曲も物語を力強く引っ張っていて、とても印象深いものばかりです。

――通しで聴けるのが、楽しみですね。
木原:一度、粗通しをやったのですが、全曲フルパワーな印象でした。自分が出ていないシーンでも観ているだけで楽しくて、あっという間に時間が過ぎた感覚があります。お客様にお届けするのがすごく楽しみになりました。
もちろん楽曲自体も素晴らしいのですが、その中に一人ひとりの物語が重なっていくことで、一曲一曲が光輝いていると感じます。
かっこいい曲だけではなく、可愛らしさのある曲や遊び心のある楽曲もあって、それぞれのセクションが一曲に込めている思いが伝わってくるのも魅力的ですね。演じる側としても楽しみですし、ご覧になるお客様にもぜひ期待していただけたらと思います。

――今回、ペンライトを使用した客席参加型の演出もあるそうですね。
糸川:お客様を巻き込むところから始まる作品になっているのが魅力ですし、日本のお客様は「どこで声を出していいのか」「どこで拍手すればいいのか」と迷われることも多いと思うんです。
ただ、この作品に関しては、最初は少し戸惑ったり、恥ずかしいと感じたりする方もいらっしゃるかもしれませんが、気づいたら自然と音楽にノッてしまうと思います。内側からエナジーがこみ上げてくるような楽曲が多いので、お客様の変化を見るのも楽しみです。
舞台やミュージカルの魅力の一つは、観客の内側から生まれる感動が、スタンディングオベーションのような形で表れるところだと思うので。思わず立ち上がってしまうような感情の高まりが、この作品には詰まっていると感じています。
この作品を通して一つ壁を乗り越えられたら
――お互いの歌声については、それぞれどのような魅力を感じていますか?
糸川:僕からすると、アイザイアという役はキーがかなり高くて。最初に譜面を見たときに「これは瑠生にぴったりだな」と思いました。正直、現段階では瑠生ほど軽やかにそのキーを出すことはできていませんが、そこは自分にとって挑戦したかった壁でもあるんです。
ミュージカルでは長期間公演が続くこともあり、無理なキーを求められることはあまりないのですが、今回はあえて下げずに挑戦したいと思っています。
通常であればキーを調整していただくこともありますが、今回はあえて瑠生の土俵に乗って、その高さに挑みたいと考えています。この作品を通して一つ壁を乗り越えられたら、自分にとって大きな成長になるはずですし、そう思うととてもワクワクします。

――木原さんはいかがでしょうか。
木原:耀士郎さんの声は本当に唯一無二だと思います。どうやって出しているんだろうと純粋に気になりますし、勉強になることばかりです。僕は、もともとアーティスト志向でこの世界に入ったのですが、歌と芝居を同時に成立させることには、まだ難しさを感じていますし、時間をかけて身につけていく必要がある部分だと思っています。
その点、耀士郎さんはすでに歌と芝居の両方を高いレベルで表現されていて、本当にすごいと感じます。キーの高さはもともと自分の身体が持っているものでもありますし、ミュージカルにおいてはお芝居の部分がより重要だと思うので、自分は今まさにそこに向き合っているところです。

――最後に、本作を楽しみにされている皆さまへメッセージをお願いします。
木原:本作では、ジョナスの思いに心を動かされる方が多いと思いますが、他のキャラクターの視点から観ると、また違った物語として感じられるはずです。細かい部分に目を向けていただくことで、より深く楽しんでいただけると思います。自分にとっても挑戦の多い作品ですので、その成長も含めて見守っていただけたらうれしいです。
糸川:本当に挑戦の多い作品ですし、何より涼真くんの持つパワーがとても大きいと感じています。涼真くんを中心に、カンパニー全員で盛り上げたこの作品が、本番でどのような力を放つのか、自分自身も楽しみです。ぜひ劇場で、その熱量を体感していただけたらうれしいです。

取材・文:THEATER GIRL編集部
撮影:遥南 碧
公演概要
ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』
<東京公演>
期間:4月4日(土)~24日(金)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
主催:ホリプロ/キョードーファクトリー
<スタッフ>
音楽:アラン・メンケン
脚本:ジャナス・サーコーン/ウォーレン・ライト
作詞:グレン・スレイター
演出:ジェニファー・タン
振付:アレクザンドラ・サルミエント
翻訳:高田曜子
訳詞:ナノ/川谷絵音
音楽監督:長谷川雅大
美術:山本貴愛
照明:吉枝康幸
音響:山本浩一
衣装:伊藤佐智子
ヘアメイク:赤松絵利
歌唱指導・音楽監督補:花れん
イリュージョン指導:水嶋ユウ
演出補:河村早規
稽古ピアノ:太田裕子/田中幸美
演出助手:三原久実
舞台監督:川除 学
<キャスト>
ジョナス・ナイチンゲール:竹内涼真
サム・ナイチンゲール:昆 夏美/セントチヒロ・チッチ(Wキャスト)
アイザイア・スターデヴァント:糸川耀士郎/木原瑠生(Wキャスト)
オルネラ・スターデヴァント:MARIA-E
ジェイク・マッゴーワン:川口 調/小林佑玖(Wキャスト)
アイダ・メイ・スターデヴァント:マルシア
マーラ・マッゴーワン:真瀬はるか
芦田 琴 AYAKA 荒川湧太 伊藤俊彦 岡本華奈 河野駿介 塩川ちひろ 高原華乃 早矢仕 彩 増山航平 松谷 嵐 三井夕萌 森山大輔 ユンフィス りんたろう
大倉杏菜* 松村桜李*
*スウィング
(※五十音順)
<ストーリー>
伝道師 ジョナス・ナイチンゲール(竹内涼真)。
彼が神の教えを説く伝道集会で見せる「奇跡」のショーに、人々は熱狂し、涙し、心を動かされていく–
しかし、それは真っ赤な嘘。
彼の正体は、妹サム(昆 夏美/セントチヒロ・チッチ)、仲間のアイダ・メイ(マルシア)、オルネラ(MARIA-E)らと共に「奇跡」を演出し、献金を集めて各地を渡り歩く詐欺師だ。
そんなジョナス達一行の乗ったバスがカンザスの片田舎スウィートウォーターで故障し、立ち往生。ジョナスはそこでも集会を開き、金儲けしようと企む。
そこで出会ったのは、保安官のマーラ(真瀬はるか)。彼らに疑いの目を持つマーラは、ジョナス達に立ち退きを迫る。そんなことはお構いなしにテントを立て説教を行うジョナスはインチキの数々で見る人たちを虜にしていく。
そんな中、マーラの一人息子であり足の不自由な少年ジェイク(川口 調/小林佑玖)が声をかけてくる。
アイダ・メイの息子で聖書学校に通う青年 アイザイア(糸川耀士郎/木原瑠生)も休暇で家族のもとに戻ってきたが、ジョナスたちのイカサマに嫌悪感を抱いている。
それぞれの想いが交錯する中、ジョナスの中で何かが変わり始める。
ウソを重ねてきた男は、果たして“本当の奇跡”を起こすことができるのか–。
<大阪公演>
期間:2026年5月1日(金)~3日(日)
会場:フェニーチェ堺 大ホール
<福岡公演>
期間:5月8日(金)~10日(日)
会場:久留米シティプラザ ザ・グランドホール
<愛知公演>
期間:5月15日(金)~17日(日)
会場:名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)
企画制作:ホリプロ
https://horipro-stage.jp/stage/leapoffaith2025/
公式X:https://x.com/leapoffaith_jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/leapoffaith.musical/
