ふぉ~ゆ~福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介インタビュー 『ジャングル大帝』「いい作品になっていると思えたからこそ、またやりたい気持ちが芽生えた」(前編)
2024年12月よりリーディング音楽劇『ジャングル大帝』が上演されます。
2023年の再演となるレオ編を12月11日(水)~16日(月)まで東京・有楽町よみうりホールにて、さらに続編となるルネ&ルッキオ編を2025年1月10日(金)~13日(月・祝)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、1月18日(土)~31日(金)まで東京・有楽町よみうりホールにて、今回は2部作での上演となります。
THEATER GIRLはレオ編に出演するふぉ~ゆ~の福田悠太さん、辰巳雄大さん、越岡裕貴さん、松崎祐介さんにインタビュー。前編では、リーディング音楽劇『ジャングル大帝』への思いなどをたっぷりと語っていただきました。
4人で“レオ”を演じる
――『ジャングル大帝』の初演で印象的だった出来事はありましたか?
福田:朗読劇は稽古時間が短いことが多くて、前回の公演時もとても短かったんです。でも、短い中でとてつもないスピードでウォーリーさんが演出をつけてくださったので、僕らはそれに必死についていった気がします。1回通してみて、ウォーリーさんのアイディアで変わったところを必死にメモして、また次に進んでいくという。それでメモを頼りに通しをするという流れでした。そのメモがなかったら、もう無理でしたね(笑)。
松崎:レオを4人で演じるということで、初めは声で成長過程を見せていくことが引っかかっていました。それから、すばらしい音楽とともに自分たちで小鳥の音を出していくのも斬新で。ただ単に読むだけではなく、世界観をお客さまと共有している空間で、まさに朗読劇を超えたリーディング音楽劇ということで、また今年も出演できることがすごく楽しみです。
――その“引っかかり”というのはどうやって乗り越えたのでしょうか?
辰巳:マツの引っかかりっていうのは、朗読劇なので文字を読みながら話せるはずなんですけど、まず文字が読めないから全然違うことを言うんです(笑)。
越岡:木って書いてあるはずなんだけど、「森森森!」って言ったりするから。
松崎:ちょっと帰国子女なので(笑)。
辰巳:ちがうでしょ(笑)。お客さんは間違いに気付かないけど、僕らはめちゃくちゃ「間違えてるな、こいつ」って思っていました。
越岡:こっちは地獄ですよ(笑)。
辰巳:マツのレオの時はこらえるのに必死です。
越岡:ごまかすために読んでるふりもしましたね。
松崎:僕の後ろにメンバーがいたんですけど、背中でもその空気は感じていました(笑)。
越岡:共演者さんもツボっていましたね。
松崎:それで、越岡さんはいかがでした?
越岡:なんで急に仕切るの(笑)。でも、『ジャングル大帝』は名作なので、朗読劇という形ではあるけれども、やらせてもらえた楽しさはめちゃくちゃありましたね。だから、朗読劇ではなく普通に舞台としてもやれたらいいなと思っていました。あとは、稽古日数も少なくてライブ感もあったので、アドレナリンが出ている感じがして楽しかったです。
辰巳:単純な朗読劇ではなくリーディング音楽劇ということで、オーケストラの皆さんの演奏と僕らの心情を表すダンサーさんと歌で引っ張ってくださる(浦嶋)りんこさんたちコーラスが合わさった時に、自分の頭の中にジャングルができあがるんですよね。それは朗読劇の強みでもあるなと思いました。人間が奏でているものなのに、広大なジャングルの中にいるような気持ちになれて感動したので、ぜひ劇場で体感してほしいです。どんな年代の方でも楽しめるストーリーですし、動物が主役の作品を自分たちが演じられるのは朗読劇ならではですよね。いろんな方に観てほしいです。
――福田さんも「これはもしかして再演があるんじゃないか?!」と思っていたとのコメントも出ていましたが。
福田:「もう一度やった方がいいな」とは思っていました。僕の個人的な思いなんですけど、みんなあそこまで面白くなると思っていなかったんです。でも予想以上に面白くて、自分たちでやりながらも「これはやばいんじゃないか」みたいな。朗読劇というよりは、新しいジャンルとしてそのハードルを越えちゃったと思っています。これはもう再演をやった方がいいし、なんならこの新しいジャンルが流行ればいいなって。
辰巳:たしかに「想像以上だった」っていう意見がいっぱいありました。朗読劇というものを知っている人の方がより驚いていたという印象ですね。「これは初めてのジャンルだよね」って。あと、オーケストラが入ったことによる壮大さと、レオの実際のアニメーション映像も出ることでより没入感につながっていたのかなと思います。
越岡:それを聞いて、「面白いことをやれているんだな」と自信を持ちました。ウォーリーさんと役者が一緒に創ったものがいい作品になっていると思えたからこそ、またやりたい気持ちが芽生えましたね。
――松崎さんはいかがですか?
松崎:もうジャングルですね! 一言で言って。
越岡:ん? 感想が?
松崎:うん。再演というより、ジャングルです。扉を開けたらもうジャングルなんですよ。「ようこそ」って。
辰巳:野性的だね(笑)。
――再演となる今年は、セリフを間違えずにいけそうでしょうか。
松崎:そこですよね。お客さんにはバレないと思うのですが、メンバーにもバレないように頑張ります。間違えても「間違えていませんけど、なにか?」みたいな、そういうのはすごく自信があるので(笑)。
辰巳:マツって、毎回わかりやすく苦手なところが1個くらいできるんですよね。そこに来ると「キタキタキタ!」ってだんだん緊張しちゃって。
福田:朗読劇、向いてないんじゃない(笑)。
越岡:でも、難しいんですよ。ちょっと読んで顔を上げて、戻ってきた時に「台本の、あれ、どこだ?」ってなる時があるんです。
松崎:あと、動いて立ったり、止まって歌ったりしていると「このタイミングで立つんだっけ?」みたいな。そのきっかけが大変で、メモとみんなを頼るしかないです。
辰巳:アドリブのシーンで盛り上がって落ち着いた時に「あれ、これ誰の番だ?」と思ったら、自分だったことがあります。めちゃくちゃ遅れて、みんなめっちゃ笑いをこらえていました。
越岡:急に自分の順番が分からなくなるんですよね。
辰巳:アドリブとかその日だけのシーンとかもあって動きも多いので、そこも楽しんでいただけたら。またきっとウォーリーさんだから新たなことも取り入れると思いますし。
今年の『ジャングル大帝』は2部制に
――ウォーリーさんとは他の作品でもご一緒されていますが、今回のリーディング音楽劇で学んだことや印象的だったことはありますか。
福田:すごく実験的な作品だったとは思うんですけど、「ふぉ~ゆ~のみんなも、好きにやってみてほしい」と、ウォーリーさんの中のイメージを最初に渡されたんです。自分のセリフを読むだけではなく「ここで人間役の人はこうする。獣役の人はこうする」というものも決まっていなくて、一旦やってみて「それはありで、これはなしにしよう」みたいに、みんなで実験しながら創っていった感じで面白かったです。そのスピード感が半端じゃなかったですね。
――稽古期間はどれくらいだったのでしょうか?
越岡:3日間?
松崎:3日間もやってないよ。その前日まで韓国にいて、『Endless SHOCK』が終わってから韓国で3泊4日してたりして。
――そんな短期間で……!?
辰巳:本を持っているスタイルの時、お客さんにリラックスしながら観てもらえるように、アドリブっぽい感じでできるか聞かれました。前回僕は、幼少期のレオを演じたんですけど「本を置いていいから、かわいく縦横無尽に無邪気に遊んでみてもらってもいい?」と、お客さんの見方も考えて演出をしてくださって。初めてのものを創るからこそ、ここまで考えているんだなと、改めて「ウォーリーさんってすごいな」と思いました。
松崎:僕は3番目のレオを演じたんですよ。大人になったレオとして、次にパスしないといけなくて……。
辰巳:マツ、2番目だよ?
松崎:あれ……? 『ジャングル大帝』じゃない作品に出てたのかな? 2番目か! でも、辰巳が創り上げたレオからの成長も見せないといけないし、どう解釈して3番目につなげるかを考えつつも話すのは松崎祐介という人間であって……そこはウォーリーさんに「いろいろやってみて」と言われて、声質を変えたりしたのが印象的でした。
辰巳:マツのレオについて、ウォーリーさんとどれくらいの可愛さと大人っぽさか、一番話していたよね。一番難しそうだった。それでありながら、本番で間違えちゃうからさ(笑)。
越岡:個人的に言うと、大人のレオとライバル役のブブを両方俺が演じることになって「間違ってるんじゃないかな?」と思ったけど、ウォーリーさんに「こっしーがどっちもやってみて」と言われたのが印象的でした。「面白そうだから、好きにやっていいよ」と言ってくださって、ふぉ~ゆ~のことを信頼してくれているようでうれしかったですね。ドタバタしているのも、映像使いも上手いので、楽しかったです。
――今回は2部構成でさらに壮大になりますね。
松崎:稽古がどんな風になるのか楽しみですね。
福田:「ルネ&ルッキオ編」は少し本読みした方々もいるみたいだよ。
越岡:えっ? そうなの!?
福田:「ルネ&ルッキオ編」には知り合いがたくさん出ているんですよね。「『ジャングル大帝』に出る」とだけ聞いて「一緒にやれるんだ!」と盛り上がっていたら「今回は2部作に別れるんだ……」って。
辰巳:「ルネ&ルッキオ編」には、『BACKBEAT』チームの(上口)耕平くんと工藤広夢くんがいて、すぐに連絡をくれたんですよ。『ジャングル大帝』に出るから、めっちゃ楽しみだねって。そしたら違うっていう(笑)。
越岡:俺も(深田)竜生に連絡したんだけど「多分、僕たちのと違う気がします」と返ってきて、そのときは2部作なのを知らなかったので驚きました。
辰巳:でも、続編というか違うストーリーなので、雰囲気も違うのではと思います。僕らが作ったレオが続いていくんですよね。
越岡:いいパスをしないとね。
辰巳:マツのように誰かが噛むのかどうか。
松崎:観ていたら「変なこと言ってる」って分からないんじゃない?
辰巳:でも、外から観られる可能性があるってことだよね。「俺らこんな感じでやってたんだね」って。よく言う「『Endless SHOCK』を俺らは観られないから」とはならないね。『-Eternal-』を観に行くみたいな(笑)。
福田:「負けていられないぜ!」って感じですね。「僕たちは2回目なので。初めての人たち、しかも、後輩には負けてられないな」って。(声色を変えて)
辰巳:声(笑)。でも文字になったら声伝わらないんだよな(笑)。
取材・文:THEATER GIRL編集部
公演概要
リーディング音楽劇『ジャングル大帝』
原作:手塚治虫
脚本・作詞: 福田響志
演出: ウォーリー木下
音楽: 岩崎 廉
出演:
<レオ編>
福田悠太 辰巳雄大 越岡裕貴 松崎祐介(ふぉ~ゆ~)
太田基裕
梅田彩佳 西川大貴 ダンドイ舞莉花
スペシャルコーラス/浦嶋りんこ
コーラス/吉田純也
ダンサー/ホナガヨウコ 池田遼
バンド/奥田真広 一丸聡子 朝里奈津美(パーカッション)
宮崎達也(マルチリード) 朝田英之(ギター) 山口健一郎(ベース)
中原裕章(キーボード)
<ルネ&ルッキオ編>
深田竜生 黒田光輝
永田崇人 西川大貴 工藤広夢
水嶋凜 ダンドイ舞莉花
上口耕平 宮原浩暢(LE VELVETS)
スペシャルコーラス/浦嶋りんこ
コーラス/吉田純也
ダンサー/ホナガヨウコ 池田遼
バンド/奥田真広 一丸聡子 朝里奈津美(パーカッション)
宮崎達也/竹内理恵(マルチリード) 朝田英之(ギター) 山口健一郎(ベース)
中原裕章(キーボード) 古賀敬一郎(マニピュレーター)
<レオ編>
【東京公演】
2024年12月11日(水)~16日(月)
有楽町よみうりホール
チケット料金:全席指定:10,000円(全席指定・税込)※未就学児入場不可
<ルネ&ルッキオ編>
【大阪公演】
2025年1月10日(金)~13日(月・祝)
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【東京公演】
2025年1月18日(土)~31日(金)
有楽町よみうりホール
公式サイト https://jungle-stage.com
公式X(旧Twitter) @jungle_stage
制作協力 手塚プロダクション
協力 rit.,フジテレビジョン
企画・製作 シーエイティプロデュース
『ENTA!7 4U. Zepp in de SHOW』
構成・演出: 羽雁彰(ENPLEX)・西谷隼人ほか
振付: Shin.1
出演: ふぉ~ゆ~(福田悠太 辰巳雄大 越岡裕貴 松崎祐介)
主催: サンデーフォークプロモーション/CBCテレビ
製作: サンデーフォークプロモーション/ENPLEX
チケット料金 9,400円(税込)※ドリンク代別途600円 (未就学児のご入場はご遠慮いただいております)
【横浜公演】 2024年12月18日(水)~19日(木) KT Zepp Yokohama
【大阪公演】 2024年12月21日(土)~22日(日) Zepp Namba(OSAKA)
【名古屋公演】 2024年12月24日(火)~25日(水) Zepp Nagoya
【東京公演】 2025年1月3日(金)~5日(日) Zepp Haneda(TOKYO)