福山康平インタビュー ミュージカル『ワイルド・グレイ』「いい意味で期待を裏切れたら」(後編)

2025年1月8日(水)より新国立劇場 小劇場にて、ミュージカル『ワイルド・グレイ』が上演されます。
本作は、2021年に韓国で開幕し、コロナ禍でありながらヒットを記録したミュージカル 。韓国では早くも2023年に再演し多くの観客を魅了しています。今回、根本宗子さんの演出でついに日本上演が決定しました。
三人の俳優とピアノ、チェロ、バイオリンの旋律で描かれ、福士誠治さん、立石俊樹さん、東島 京さん。さらに、平間壮一さん、廣瀬友祐さん、福山康平さんのメンバー固定の2チームで上演されます。
THEATER GIRLは、アルフレッド・ダグラス役の福山康平さんにインタビュー。後編では、本作の見どころや楽曲の魅力、本作にちなみ、福山さんが“気分を変えたいときにすること”などをお聞きしました。
距離が近いからこそ感じられる強いパワーを出したい
――本作は、三人の俳優とピアノ、チェロ、バイオリンの旋律で描かれるということですが、会場もお客様との距離が近く濃密な空間になりそうです。どんなところを感じ取っていただきたいですか。
僕、このくらいの大きさの劇場に出演するのが初めてなんです。もちろんその濃密さや空気感みたいなものは作っていかなきゃいけないし、それがこの劇場でやる醍醐味だと思うので。緻密にどんどん作り込んでどこまで行けるか楽しみです。それと同時に距離が近いからこそ感じられる強いパワーみたいなものも出したいなと個人的には思っています。
今回は、割と気性の激しい役なので、彼なりの激しさやこの三人だからこその欲望や愛の激しさみたいなものを強く出して、後ろまできっちり飛ばしたいと思っています。
――気性の激しい役とのことですが、楽曲もそれぞれの人物像に合った曲になっているのでしょうか。
楽曲も幅広いですね。しっとりとしたものもあれば欲情の赴くままにというような強い曲もありますし。三人しかキャラクターがいない中で曲数がしっかりあるので、いろんな感情が見える楽曲になると思うので、自分がどこまでいけるか挑戦ですね。
――アルフレッド・ダグラスは、 壊れゆく自分を救うために芸術を求めますが、福山さんが気分を変えたいときにすることはありますか。
考えることを一度バスッとやめることはありますね。でも、舞台ではそれをやってしまったら終わりなので、稽古から本番までずっと考え続けていくのですが。
リフレッシュ法でいうと、僕、魚を触っている時が幸せなんです。なので、市場で魚を買っておろしています。本当に余裕がない時はできないですけどちょっと気分転換したい時にやりますね。それを友達や先輩に振る舞って一緒にご飯を食べることも好きです。スケジュールと時間に余裕があればしょっちゅう魚を触っているんですけど、稽古や本番が始まったらそっちにフォーカスするので、今は市場通いをお休み中です(笑)。
やっぱりニ年間やってよかった
――舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、約二年間アルバス・ポッターを演じられてきましたが、 一つの役を長く演じることで見えてきたものやご自身の中での変化はありましたか。
セリフは二年間一語一句変えていないのですが、役を豊かにできる可能性はやっぱりあるんだなと、最後の最後まで思いました。僕の力というよりは周りの力ですが、向き合い続けてくれた共演者がいたので、僕一人では無理でした。
もちろん人間なので、二年あると体調がいい日も悪い日もあるんです。そんな中でも、毎回幕が開いたら最後までいかないといけないので、体調管理の術や稽古・本番への向き合い方みたいなものはたくさん教わったと思います。
それだけ公演数を重ねると、どうしても体に染み付いてしまっているので、ある程度自由にやっても本筋から逸れなくなってくるんです。どんなに本筋から離れようとしても、ギリギリ守る体になっているはずだから、ちょっと離れてみようかと思う時期もありました。
でも、そういう自由さは短い公演でも稽古でも持ち続けなければいけないと思うし。頭ではわかっていても体感することは難しいので、それを二年やれてよかったなと。多分一年だったら短かったと思うので、二年できたからこそだと思います。
次の公演はすごく短く感じると思うんです。今後、二年間も同じ役をやり続けることは恐らくないと思うので、どれだけ一回に込められるかだなと。
――二年間やり終えた後に、喪失感のようなものはあったのでしょうか。
喪失感はなかったですね。ただ、時計を見ては、体が勝手に「今このシーンだ」と思ったりはしました。二年間、しっかりやって未練なく終われたと思うので喪失感のようなものは全くなくて。無事にゴールできてよかったなと。卒業から二ヶ月くらい経って、急遽代打出演で戻ったことがあったのですが、やっぱりセリフを覚えているんですよね。今も多分覚えているんですけど、それくらい体に染み込んでいるんだなと思います。
途中でゴールの見えないマラソンを走っているみたいに感じたこともあったし、辛い時期はもちろんありましたが、終わってみるとやっぱり二年間やってよかったなと思います。
――先ほども一年では短かったとおっしゃっていましたもんね。
二年目には新キャストが入ったりもして、また新たな発見がありました。他にも一年だと自分は気づけなかったことがあったと思うので、二年という年月でよかったなと思います。
――では最後に、本作を楽しみにしている皆さまにメッセージをお願いします。
日本初演ということもあってワクワクしていますし、多分お客さまも同じ気持ちだと思います。もちろん、ミュージカルファンとして日本で新しくやるものを観に来てくださる方にも「面白いものを観た」と思ってもらえるように頑張りたいです。
個人的にはこの二年間、何十万人というお客様を前に演じてきて、ありがたいことにそれをきっかけに「この作品を観に行く」と言ってくださる方もいるので、期待をしっかりと超えていきたいです。僕がミュージカルに出演する姿で、いい意味で期待を裏切れたらなと。面白かったと思ってもらえるように頑張りますので楽しみにしていてください。
取材・文:THEATER GIRL編集部
公演概要
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ミュージカル『ワイルド・グレイ』
2025年1月8日(水)~1月26日(日)
新国立劇場 小劇場
脚本:イ・ジヒョン
音楽:イ・ボムジェ
翻訳:石川樹里
演出・上演台本・訳詞:根本宗子
訳詞:保科由里子
キャスト:
福士誠治×立石俊樹×東島 京
平間壮一×廣瀬友祐×福山康平
ピアノ:大谷 愛、小林萌里
バイオリン:磯部舞子、西原史織
チェロ:吉良 都、人見 遼
チケット:
S席:10,500円
バルコニー席:8,500円
Yシート:2,000円(11/11~11/17販売)
U-25:7,000円(11/18~販売)
※壁際、手摺近く、バルコニーの一部のお座席で、舞台が見えにくい場合がございます。
※Yシートはホリプロステージのみ取扱になります。