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瀬戸利樹×演出・樫田正剛(方南ぐみ)インタビュー 朗読劇「あの空を。」 「何度観ていただいても面白い作品です」(前編)

INTERVIEW

2023年7月26日(水)~30日(日)に、有楽町I‘M A SHOWにて、朗読劇「あの空を。」が上演されます。

本作は、2020年の新型コロナウィルス感染拡大に伴い、甲子園大会の中止を余儀なくされた高校球児たちを題材にした感動の朗読劇。

作・演出を務めるのは、劇団旗揚げから現在まで「方南ぐみ」企画公演作品の作・演出を全て手掛けてきた樫田正剛さん。映画・ドラマの脚本をはじめ、作詞家でもあり漫画原作・作家として幅広く活動をする樫田さんが、世界中が未曾有の危機に直面し戦い続けていた2020年にこの作品は誕生しました。未来を閉ざされた若者たちの置き場の無い心の葛藤、揺れ動く静中の動を見事に描いています。

出演には、名脇役として話題の作品に多数出演する個性派俳優で、野球好きでも知られている升毅さん、「ひとり甲子園」でもお馴染み、高校野球をこよなく愛する実力派俳優の柳沢慎吾さん、純烈卒業後は役者として着実に進化し続ける小田井涼平さん、実は球場観戦するほど大の野球好きテレビ・舞台経験豊富な小出恵介さんが出演。

注目すべき若手俳優陣は、幅広い役どころを演じられる瀬戸利樹さん、寺坂頼我さん。舞台は勿論、方南ぐみ公演にも多数出演する小澤雄太(劇団EXILE)さん、加藤大悟さん。2.5次元舞台や朗読劇経験者の廣瀬智紀さん、鍵本輝( Lead )さん、小松準弥さん、伊崎龍次郎さん、松本旭平さん、安井一真さん、ダンスボーカルユニット「原因は自分にある。」メンバーの吉澤要人さん、小泉光咲さんといった演劇界が注目する実力・人気共に兼ね備えた個性豊かな若手俳優が日替わりで出演します。

THEATER GIRLは、と7月27日の公演に出演する瀬戸利樹さんと演出を務める樫田正剛(方南ぐみ)さんにインタビュー。前編では、戯曲に込められた思いや本作へ出演が決まった時のお気持ちなど、たっぷりとお話をうかがいました。

インタビュー後編はこちら

コロナ禍で孤独になってしまった方にもリンクするかもしれない

――樫田さんは、2020年にこちらの戯曲を書かれたということですが、どんな思いを込められたのでしょうか?

樫田:当時はコロナ禍で全世界が大変なことになって、さらにその延長線上で高校野球の大会が中止になったりもしました。実は、コロナ禍になる2年くらい前にこの戯曲を作るきっかけになった「あの空を忘れない」という歌を歌っている宮田悟志くんから、作詞をしてくれないかという依頼があったんです。 宮田くん自身、東北高校の野球部出身だったので、「野球のイメージで作詞をしてください」とお願いされて。ただ、とてもいい曲なんですが、なかなか歌詞が思いつかなくてずっと放置してしまっていたんです。

それでコロナ禍になって、演劇業界もそうですし様々な人が職を失って、これからどうしようと思った矢先に高校野球のニュースが出てきて。その時に、宮田くんのために詞を書いてあげたいと思ったんです。3月11日に甲子園大会が中止になるという発表があって、それがすごく刺さって、その日に書きはじめました。

演劇界も、稽古中に陽性者が出ると芝居が中止になってしまい、なかなか通常の公演ができない状況だったので、それなら以前から少しやっていた朗読劇としてこれを戯曲に残したいと思ったんです。

悲しい出来事があったけどそれを乗り越えた人たちの話で、「仲間がいれば人は救われるから、一人で悩むことはないよ」というメッセージも込めました。コロナ禍によって孤独になってしまった方にもリンクするのではと思いました。

――瀬戸さんは、昨年も、朗読劇「青空」に出演されていましたが、改めて、本作に出演が決まった時はどんなお気持ちでしたか?

瀬戸:めちゃくちゃ嬉しかったですね。前回の朗読劇が終わってから「またご縁があったらぜひお願いします」とお伝えしていたので、またこうやってお声掛けいただけてありがたいです。さらに題材も、野球の話だったので「やった!」と喜びました。ただ、内容を聞いたら急にプレッシャーを感じて、この作品をしっかりとお客様に伝えないといけないという気持ちになりました。

――今回、題材になって嬉しかったとのことですが、野球はお好きなのでしょうか?

瀬戸: はい。僕自身ずっとやっていたので、台本を読んで登場人物たちの気持ちもすごくわかりました。ただ、当時の人たちのことを思うとすごく胸が苦しいですし、複雑な思いになりましたね。

――今回演じられるマツオは感情のふり幅も大きく、難しいキャラクターですよね。

瀬戸: そうですね。前半は特に不器用で、台本を読んでいて、「どんな風に言えばいいんだろう」と思う部分も多いので、これから稽古で共演者の皆さんの演技を受けて、どのように変化していくのか楽しみです。

――朗読劇の場合、通常のお芝居よりも、感情を乗せたり出したりすることは難しいのでしょうか?

瀬戸: 前回、朗読劇「青空」に出させていただいた時は、共演者の方が大先輩ばかりで(安田顕さん、小池栄子さん、梶原善さん)、僕だけ少し若手だったんです。今回は、逆に若手が三人で先輩がお一人なのでどうなるんだろうと思っています。

――本作では、出演者の組み合わせがとてもバリエーション豊かですが、各組み合わせはどのように決めていらっしゃるのでしょうか?

樫田:「この人とこの人を組み合わせたら面白いんじゃない?」と、スタッフと話し合って決めています。今回の瀬戸くんのチームに関しては、柳沢慎吾ちゃんがマツオ役をやりたいと言っていたので、多分現場で「俺にやらせろよ」って言ってくるんじゃないかな(笑)ーと、そこが少し心配です。

瀬戸:ちょっとでもミスしたら、「俺がやった方がいいだろう」と言われそうなので、頑張ります(笑)。今回、柳沢(慎吾)さんもそうですが、小泉(光咲)さん、寺坂(頼我)さんも初めましてなので、少ない時間でもみんなとコミュニケーションを取って頑張りたいです。

取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:MANAMI

インタビュー後編はこちら

公演概要

朗読劇 「あの空を。」

作/演出 :樫田正剛(方南ぐみ)
音楽: 宮田悟志(「あの空を忘れない」)

出演:
2023年7月26日(水)19:00 升毅/安井一真/小澤雄太/加藤大悟
2023年7月27日(木)15:00/19:00 柳沢慎吾/小泉光咲/寺坂頼我/瀬戸利樹
2023年7月28日(金)15:00/19:00 小出恵介/伊崎龍次郎/松本旭平/小松準弥
2023年7月29日(土)15:00/19:00 小田井涼平/吉澤 要人/廣瀬智紀/鍵本輝
2023年7月30日(日)13:00 升毅/安井一真/小澤雄太/加藤大悟
※敬称略:左から/語り部役/テル役/ヒロト役/マツオ役

公演日程: 2023年7月26日[水]-30日[日]
会場: I‘M A SHOW (千代田区有楽町2-5-1有楽町マリオン別館7F)

公式サイト: https://sunrisetokyo.com/detail/22577/

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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