梅津瑞樹インタビュー『バックステージ・オン・ファイア』「その人の生活を支える何かになれたら」(前編)
2022年12月25日(日)にライブストリーミング演劇「バックステージ・オン・ファイア」が配信されます。
本作の舞台は、とある地方都市の市民ホールにて開催される市民文化祭の舞台の裏側。バックステージを駆け回る主人公をカメラが追い掛ける全編ワンカットで展開する、リアルタイム配信新感覚のドラマ演劇です。石川県のこまつ芸術劇場うらら 大ホールからライブ配信されます。主演を務めるのは、数々の舞台に出演する梅津瑞樹さん、演出を、川本 成さんが務めます。
THEATER GIRLは、主人公の新井拓海を演じる梅津瑞樹さんにインタビュー。前編では、全編ワンカットのライブストリーミング演劇に出演される心境や配信演劇の魅力について語っていただきました。
全国的にもっと演劇を観るためのきっかけが増えたら
――今回は全編ワンカットで展開する、新感覚のライブストリーミング演劇とのことですが、お話を聞いた時の心境はいかがでしたか?
三谷幸喜さん演出で、空港でのドタバタをワンカットで撮っている「大空港」という作品があるんですが、真っ先にそれを思い出しました。ああいう感じなら、内容もドタバタでちょっとコメディチックで面白そうだなと感じました。
――本作は、石川県から新しいエンタメを発信するという企画ですが、地方から演劇を盛り上げるという試みについてはどうお感じでしょうか?
すごくいい試みだなと思いました。演劇ってすごくニッチというか、未だに浸透しきれていない部分があると思うんです。なので、そういうものの一助となれたらというか、全国的にもっと演劇を観るためのきっかけが増えたらいいなと思っていて。これを機に、劇場にも足を運ぶ人が増えてくれたら、それほど幸いなことはないなという感じです。
――石川県で上演される機会もまだ少ないですしね。
ただ、以前から金沢には行きたいと思っていたんです。僕、ロードバイクに乗るんですけど、新潟県の佐渡島の方でよく催しをやっているので、自転車だとどれくらいかかるか調べたりしていて。なので、今回こうして石川県にご縁があってちょっと嬉しいです。
――今回は、主人公で市役所職員の新井拓海役を演じられますが、役柄や台本を読まれた印象はいかがでしょうか。
フレッシュな青年と言いますか、後々に色々あったりするんですけど、純粋な市の職員として奮闘していくといった役柄です。 ただ、僕以外のキャラクターが、なかなか濃ゆい方たちばかりなので(笑)。どちらかというと僕はその人たちに振り回されていればいいのかなと。どうやって振り回されるかが、この作品の面白みになってくるのかなと思います。
アクシデントも楽しめる要素として盛り込めたら
――本作は、全編ワンカットで撮影されるとのことですが、どんな部分が大変そうだと感じていらっしゃいますか?
全部大変ですよね(笑)。今までもワンシチュエーションでの配信はありましたが、ここまで一つの広い空間を行き来することはなかったので。今回は劇中ですごく移動するんですよね。リハはあるとは思いますが、知らない施設で動線を覚えないといけないのが一番不安です。
ただ、カメラの外にはスタッフさんもいらっしゃるので、本当に道に迷ったら指示を出してくれると思うんです。逆に道を間違えるのも芝居としては面白いかなと思うので、そのあたりはうまくできるかなという気はしています。
――生配信なので、確かにそういったアクシデントもあるかもしれないですね。
そうなんですよ。だから何か失敗が起きても生なので、ある意味観ている人にはわからないと思うんですよね。それすらも僕らがうまく処理して、演劇として楽しめる要素として盛り込めたら、つつがなく進行できると思います。
――今回、配信は二回のみですし、アクシデントが起こったとしてもわからない可能性もありますね。
そうですね。二回しかないですし、全員で集まって稽古をする機会もあまりないと思うので。昼と夜は必然的に多分セリフ回しも変わるし、各々の芝居が変わってくると思います。何かトラブルがなくても、昼と夜の配信ではけっこう違うものになるのかなという気はしています。
――今回は配信演劇になりますが、配信での演劇の魅力はどんなところだと思いますか?
劇場だったり、固定の場所になかなか足を運びづらい方も、自宅で楽しめるところが魅力かなと思います。演劇の裾野を広げるという意味では、すごく便利な世の中になってきたなと思いますね。
あとは舞台とカメラ前でやるもの自体、特に違いはないと思っていて、今回で言うと、生配信でさらにワンカットでやると聞くと、ウワッとなるんですけど。よくよく考えたら、僕らが劇場でやってることってそれなんですよね。
観客の前でどんなことが起きても、最後までワンカットでやり続けないといけないので。それこそショーマストゴーオンというもので、幕が開いてから下りるまで繋げないといけない。それをただカメラの前でやると考えたら、普段通りなのかなと思いますね。
雪が降ることを祈っています
――今回、配信日が12月25日になりますが、この時期の配信で楽しみにしていることはありますか?
やっぱり雪が降るかどうかじゃないですか(笑)。雪が降ったら盛り上がりますし、大団円だなと思うので、降ることを祈っています。
ただスタッフさんに聞いたら、石川県では最近は、一年おきに降っているみたいなんです。去年降ったみたいなので、そのままいくと今年は降らないんですよね(笑)。配信を楽しみにされている皆さんは、とりあえず降ってくれと願っていてください(笑)。
――先ほどもロードバイクに乗られるというお話がありましたが、石川の地で何か楽しみにしていることはありますか?
聞いたところによると美術館もあって、魚や海産物が美味しいみたいなので、隙間時間があればそういったものも楽しめたらいいなと思います。
――今回は、バックステージが舞台となっていますが、梅津さんは普段楽屋でどんな過ごし方をされていますか?
全然面白くないですよ(笑)。作品にもよるんですけど、以前はマチソワ間にまったく寝なかったんです。だからって何をしてたと言われると、劇場の中をフラフラしたり本を読んだりと、大した事はしていないんですけど。でも、今は作品によってはマチソワ間に寝ることを覚えてしまったので、楽屋の隅の邪魔にならないところで寝ています(笑)。
今まではせっかくエンジンがかかったのが途切れてしまう感覚があったんですけど、日によっては寝ると逆にスッキリするというか、ある意味リセットすることの方が重要な舞台だと、それがうまく効いてきたりするんですよね。
取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:梁瀬玉実
公演概要
ライブストリーミング演劇「バックステージ・オン・ファイア」
出演:梅津瑞樹 ほか
上演日程 : 2022年12月25日(日)11:50/16:50 2回配信予定
会場 : こまつ芸術劇場うらら 大ホールからライブ配信
公式サイト:https://backstageonfire.jp/
公式ツイッター:@backstageonfire
■チケット
12月1日(木) 10:00からイープラス「Streaming+」にて配信販売
■公演日程
2022年12月25日(日) 11:50 / 16:50(開場は開演の20分前)
アーカイブ期間:1月7日(土) 23:59まで
■販売期間
2022年12月1日(木) 10:00 ~ 2023年1月7日(土) 21:00
※配信終了日1日前の2023年1月6日(金)22時からはクレジットカード決済のみでの販売となります。
■配信チケット料金
※ご利用にはイープラスへの会員登録が必要となります。(入会金・年会費は必要ありません)
【一般販売】¥4,500(税込)
https://eplus.jp/livestreaming_engeki_backstageonfire/
【特典付きファンクラブ会員窓口】¥4,500(税込)
https://eplus.jp/livestreaming_engeki_backstageonfire/umetsu/
※申し込み時、梅津瑞樹ファンクラブ「梅津の潜む穴」会員番号(ニコニコID)の入力が必要になります。
特典①:購入者全員 小冊子「バックステージオンファイアの舞台裏(仮)」(後日郵送いたします)
特典②:購入者抽選「梅津くん使用小道具プレゼント」(当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます)