田代万里生インタビュー　ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』「どのように演じようかワクワク感でいっぱい」（前編）

――今回は連続殺人事件を追う新聞記者・モンロー役ということですが、公式HPではモンローについて「くせ者キャラクター」とコメントされていましたよね。改めて、役の印象についてうかがえますでしょうか。

モンローは台本の台詞だけでも十分嫌な人なのですが、稽古で白井さんの演出を受けていくと、僕が最初に抱いていた印象以上に切れ者でした。言葉の裏、いわゆる一行の台詞の中に、モンローのト書きがいっぱいあるんです。相手の答え次第で、どう答え、次の返しをどうするかというストックがたくさんある人で。どんな手を使ってでも、自分にとって都合の良い方に話を持っていく人物です。

――これまで全く演じたことがないタイプともおっしゃっていましたが、今まで見たことがない新しい田代さんが見られそうな感じでしょうか？

相手役がいないのが久しぶりなので、いわゆる恋愛シーンもないですし、一つ前にやっていたミュージカル『マタ・ハリ』のラドゥー大佐はある意味ヒール役ですが彼なりの正義や信念は持っていて、ラストシーンでは自分は正しかったのか？と葛藤します。一方モンローは最初から最後にかけてくせ者度がどんどんアップしていきます（笑）

そんな中でもいろんなモンローのドラマが詰まっているので、その過程をどう表現していこうかなと思っています。ミステリー・ミュージカルなので、他の登場人物は、恐怖でしかめっ面になっているのに、モンローだけは笑顔でずっとワクワクしていて。お稽古していても「あれ？　笑ってるの僕だけ？」というシーンがいっぱいあります（笑）。

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