藤ヶ谷太輔主演。真彩希帆、平間壮一ら出演。ミュージカル『ドン・ジュアン』ゲネプロ&取材会レポート!
――稽古自体でも大変なことが多かったのではと思うのですが、いかがでしたか?
生田:2年前とはちがう状況の中、それでも開幕に向かって歩いていく過程で。もちろん初演の時とは稽古の様子もだいぶちがうところがありましたが、ただその制限を乗り越えていく上では、実はそこまで苦労や大変さは感じませんでした。それ以上に、この状況を生かして今自分たちにで何ができるのか。そういったことを考えながら乗り越えていく中で、団結力が強まっていく、絆が深まっていく……そういう稽古場でありたいなと思いましたし、みなさんのご協力で、実際に日々前向きに取り組めたなというのが稽古を総じての印象です。もちろん今回は人との距離感に気を配ったり、マスクをしながら稽古をしないとならなかったので、息苦しかったりという個々の苦労はあったかもしれませんけども。藤ヶ谷さん……たいちゃんを中心に、初日に向かって歩んできて、こうしてドン・ジュアンチーム一丸となれた道のりが誇らしいなと思います。
――では、藤ヶ谷さんは座長として何か気を遣ったことはありましたか? 先ほど、以前のようにいっしょにご飯に行くことはできなかったと仰っていましたが。
藤ヶ谷:そうなんですよね。だから打ち上げなどもできないですし。何かしたかな……。あ! チームウェアを作りました。カンパニーとスタッフのみなさんに。
――どういったものを作られたんですか?
藤ヶ谷:『ドン・ジュアン』はバラがすごく印象的な作品なので……。僕は絵が全く描けないんですけど、口頭で伝えてデザインをやらせていただいて。110着くらいですかね? 作りました。
真彩:スタッフさんも着ていらっしゃいましたし、キャストもみんな着て、すごく喜んでましたよね。
――鶴見さんも着ていらっしゃったんですか?
鶴見:まだね、着てないんですけど(笑)。えらいのはね、初演の時のメンバーの分も作ってお渡ししてるんですよ。そういう気遣いが、この藤ヶ谷くんのハートの良さですね。
藤ヶ谷:作らないと、前回のマリアがと今回のマリアがこう、バチバチするかなって……。
鶴見:モテる男のつらいところなんですよね。
藤ヶ谷:今カノと元カノが(笑)。
――どちらも大切にされているということですよね(笑)。
藤ヶ谷:本当にチームなので。僕にとってはカンパニーっていうものも初めてで、みなさまに救っていただいて、前に前に進めたという思いがあるので。だから自然とそうなりました。
――再演を迎えられて、藤ヶ谷さんにとってもより大切な作品になったのではないでしょうか。
藤ヶ谷:そうですね。(初演とは)状況が全然ちがいますし、まず僕らが表現できる場所があることに対して、本当に感謝をした上でですけども。観劇に来てくださるみなさまも、細かいルールがたくさんあったりする中で、それをしっかり守っりながら来てくださっているんですよね。すごく嬉しいですし、みなさまの期待にしっかり応えられるようにしたいですね。それから、本当は会場に来たいけれど、いろいろな事情で来られないという方もいらっしゃると思うんです。来られなくてもきっと応援してくれているんだろうなという気持ちを感じながら、毎回毎回ステージに向けて暴れることができています。日本だけじゃなく、海外の方にも『ドン・ジュアン』という素晴らしい作品、みんなが命を削って作っている作品のエネルギーを、いろいろな形でたくさんの方々に感じてもらえたらと思いますね。まだ再演の段階ですけど、自分にとっても胸を張って代表作だといえる作品にに出会えたなと、生田さんにもとても感謝しています。