『阿呆浪士』出演宮崎秋人さん特別インタビュー

2020.01.07

INTERVIEW

実在する人を演じる場合は、必ず「お墓参り」に行く

――役者として、お互いを刺激し合えるような方はいらっしゃいますか？

松田凌ですね。役者の養成所の同期で、当時からそんなに仲がよかったわけじゃないんですけど、デビューが同じ作品だったんですよ。そこから、ずっとプライベートでも一緒にいたりとかして。本当に青春を一緒に過ごしたようなヤツなんです。舞台とか作品を見ても、自分にないものをすべて持っているようなタイプですし。

その代わり、アイツが持ってないものをぼくが持ってるなって思えるというか。向こうもよく自分の舞台を見にきてくれるんですけど、「今回は悔しがってもらえるかな？」って思いながらやってますね。楽屋にきて「クソッ！言うことない」って帰ったりもするので（笑）。そういう意味で特別な存在かなって思います。

――素晴らしい関係ですね（笑）。舞台の本番前に必ず行っていることはありますか？

幕が上がる直前に、自分の役名を呪文のように繰り返したりはしてますね。「今からお前はこの役だぞ」って自分に言い聞かせる作業というか。5年くらい前に、本番をやりながら同時に稽古してっていう時期があったんです。それこそ年間で10本以上舞台に出るみたいな。

そのときに切り替えができずに、「今、なにやってるんだろう？」って混乱しちゃったことがあって。それから、舞台に立つ前は必ずやるようにしてますね。

あと、実在する方を演じるときは、本番を迎える前と舞台終わりに必ずお墓参りに行きます。役をいただいたら、まずはお墓の場所を調べる。「遠いよ！」って思うこともありつつ（笑）。仕事がなければ記念日とかにも行ったりしますね。

周囲もドン引き。酔って「部屋のスペアキー」をあげた過去

――今回の作品『阿呆浪士』にちなんで、「自分、アホだな～」と感じた経験があれば伺えますか？

お酒を飲むと、友だちと「お前、いくつだよ！」って思うくらいはしゃいだりはします。人様に迷惑かけることはないですけど、家のなかで追っかけっこしたりとか（苦笑）。

それから、酔うと気が大きくなっちゃうトコもあって、人に物をあげがちですね。あとで「あーあげなきゃよかった……」って服とかもけっこうあります。一番ひどかったのが、役者の友だちがいるんですけど、ソイツと何年か前に今度共演するってなって一緒に飲んだときのことで。

「あ、たしかコイツ家遠かったよな」と思って、「家住む？」って自分の部屋のスペアキーをあげちゃったんです。当時、ぜんぜん仲よくなかったのに、アイツも「ありがとう！」とか言って受け取るから、しばらく一緒に住んでました（苦笑）。一緒に生活してから仲よくなったっていう珍しいパターン。周りに言ったらドン引きされましたね。

――お酒には要注意ですね（笑）。では、最後に読者のみなさんにメッセージをお願いします。

『阿呆浪士』は、赤穂浪士の吉良上野介（きら・こうずけのすけ）とか、浅野内匠頭（あさの・たくみのかみ）を知らない人でも分かるエンターテインメント時代劇です。そのなかで、役者のみなさんがいろんな挑戦をしていて、個々の魅力が爆発しています。

最初は誰かのファンで見にきても、また別の役者さんのファンになってもらえる作品なんじゃないかと。ぜひ見にきて、特に小倉さんを感じていただけたら宮崎は幸せですね。僕たちが頑張るほどに小倉さんが引き立つのは悔しいんですけど（笑）。メチャメチャいいチームワークでつくってるので、ぜひ年明けにぴったりな作品を見にきていただけたらなと思います！

取材・文：鈴木旭
Photo：青木早霞（PROGRESS-M）

公演概要

『阿呆浪士』

脚本：鈴木聡　演出：ラサール石井

［出演］

戸塚祥太（A.B.C-Z）
/福田悠太（ふぉ～ゆ～）
/南沢奈央伊藤純奈（乃木坂 46）宮崎秋人堺小春八幡みゆき新良エツ子
/佐藤誓おかやまはじめ松村武
/西海健二郎おおたけこういち辻大樹堀田勝 MAEDA 立川ユカ子安川里奈木下桜
/玉川奈々福/竹内都子/小倉久寛
※1/12（日）の東京公演及び、大阪公演については、玉川奈々福に代わり真山隼人（浪曲）・沢村さくら（曲師）が代演。

【東京公演】
日程：2020年1月8日（水）～2020年1月24日（金）
会場：新国立劇場中劇場

【大坂公演】
日程：2020年1月31日（金）～2020年2月2日（日）
会場：森ノ宮ピロティホール

『阿呆浪士』公式サイト