長妻怜央インタビュー 舞台 「アクダマドライブ」「親近感が湧く感じで役柄を表現できたら」(前編)
――今、お話にも出ましたが、改めて演出の植木 豪さんと一緒に作品を作られてみての印象はいかがでしょうか?
豪さんは、演出されている他の作品を何回も観させてもらったり、僕たちのライブでも演出をしていただいたりと、繋がりがけっこうある方なんです。でも、本当に現場の空気作りが素敵だなと思いますね。
やっぱりピリピリした現場だと、本当にやりにくいんですよ。お芝居や挑戦したいことがあっても意見をしにくいと言うか……、とにかく成功させなきゃいけない感じが、僕はあまり得意ではなくて。だからそういう面で言うと、すごく僕と感覚が似ているなと思います。
そういう空気感を作らないと、いいものってできないよねというのをちゃんと分かっている方だなと感じるので。だからみんな和気あいあいとした空気感の中でやれていて意見もしやすいです。その代わり、自分で頑張らなきゃいけない部分はありますけど。
――植木さんとは、似ている部分があるとお感じなんですね。
勝手にですけど。すごく周りを見られているなと思いますし。稽古場での居方なんかも多分見てるんだろうなって。
おそらく稽古場全体を見ているから、気を抜けないというか。和気あいあいとしているけど、お芝居の仕事をしているときは、自分が出ていないシーンでも見るのが僕の仕事だなと思うし、多分そこを豪さんは見ていらっしゃるので。
お芝居をしていない間は何をしているのかっていうところも見てるんだろうなと。だからこそ、「この人はこういうことができるからここまではさせるけど、後はこっちでカバーするよ」みたいな感じで考えてやってくれてるんだろうなと思いますね。とにかく今は自分のできることを全部出して、そういった部分で貢献したいなと思っています。
黒沢ともよさんの言葉は「めちゃくちゃ刺さる」
――本作では多彩なキャストの方が揃っていますが、共演者の皆さんの印象やカンパニーの雰囲気はいかがですか?
すごく素敵な雰囲気ですね。でも、大変なことも挑戦することもたくさんある作品なので、楽しいだけじゃない現場だなと思います。それから自分的には、黒沢ともよさんの言葉が、めっちゃ刺さるんですよね。
僕、人の話を聞いてはいるんですけど、スルーッと流れたりすることも結構あるんです(笑)。でも、「これって稽古場のこの出来事を言ってるんだろうな」とか、「これは俺に対するこの言葉について言ってるんだろうな」みたいな。
ともよさんはそんなに意識はしていないかもしれないですけど、多分めちゃくちゃ人を見ているんだなと感じます。だから僕も話すとき、発言に気をつけようと思ってます。変な捉え方をされたら嫌だなと思うので。
――黒沢さんとお話しされるときは、けっこう発言に気を付けていらっしゃるんですね。
でも、廣野凌大くんは、ぜんぜん気を使わないで話しています(笑)。そういうのもいいんだろうなとは思いますけど。もっとみんなとコミュニケーションが取れたら嬉しいですね。
今回、唐橋(充)さんがめっちゃ殺陣をやるんですよ。すごく大変そうで毎回死にそうになってるんですけど(笑)。唐橋さんも自分のことを多分すごく考えていらっしゃる方だと思うんですけど、それでもこうしていろんなことに挑戦してると思うと、僕らもすごく元気や勇気をもらえますし、落ち着いたらいろいろお話ししたいです。
みんなと話してるのを、ちょいちょい盗み聞きはしてるんですけど(笑)、まだ全然お話できていないので、もっとお話できたら嬉しいなと思ってます。