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ともさかりえインタビュー「命、ギガ長スW(ダブル)」「この年齢でこの作品に関わることができたのは、とてつもなくラッキー」(前編)

INTERVIEW

――本作のテーマや役柄に関して、不安やプレッシャーは感じられますか?  

初演で松尾さんと安藤さんがやられていた時は、同じ時期に別の芝居の本番をやっていたので直接観には行けなかったんです。とても評判だったし観れなくて残念だなと思っていました。

これだけ面白い台本を、役者二人だけの濃密な空間の中でできるというのは、本当に楽しみです。素直に面白いと思える台本に出会えることは幸せなことですし、そこに関われるのは、ちょっとご褒美みたいな感じだなと。

まだ、噓でしょ? という信じられない気持ちと、楽しみだなという気持ちがぐるぐるしています。どんな作品でも始まる前は緊張もするし、不安もあるんですけど。やっぱり初めてご一緒する演出の方とのお仕事はどんなお稽古になるのだろうと、またちょっと違う不安のギアが入りますね。

二人芝居は覚えても覚えても終わらない

――本作の台本を読まれた印象についてはいかがでしょうか? 

二人芝居はちょっと特殊なものだと思うんですけど、その設定も含めて、どこかずっと体をくすぐられているような感じがしました。松尾さんならではの独特の言葉の面白さというか。

でも、実際に描かれている根底にあるものは、なかなかヘビーでしんどいものだったりして。それをこれだけ面白おかしく、こんなに軽やかに描けるってすごいなぁと。

お話をいただいたタイミングで台本ももらっていたのですが、怖くて読めていなかったんです。稽古の1ヶ月くらい前になってからやっと読み始めたんですけど、そしたら大号泣してしまって。なんて素敵な本なんだろうと思いました。

二人芝居は、覚えても覚えても全く終わらないし途方に暮れていますけど(笑)、でも本当に素敵な台詞ばかりで。何年経っても言いたくなる台詞や忘れたくないと思える台詞に出会えたら幸せだと思っているのですが、既に松尾さんの台本には忘れたくないなと思う台詞がいっぱいあるので、まだ稽古も始まっていないですが、それは幸せだなと思いました。

――台本を読んで大号泣されたとのことですが、どういった部分がポイントになりそうでしょうか?

「ここがポイント」と言ってしまうとつまらないのでまだ言えないのですが……やはり私には息子がいるので、どうしても母親の気持ちになって感情移入してしまう。遠くに息子を透かして見てしまうんですよね。この芝居に登場する親子を、自分と息子に置き換えると、本当にたまらない気持ちになる。自分と親の関係性とかを考えてもそうで、ちょっと他人事には思えないというか。

この歳になると、女友達と話していても美容の話よりも自分の老後や親の介護の話ばかりしているんです。自分が20代の時にこの台本を読んで、こんなに胸打たれたかと言われると分からないですが、今のこの年齢で、息子との関係性やこれからのことを考えた時に、より深度の深いところで、この台本を受け止められた気がします。

面白い本だからつい笑っちゃうんですけど、実際は笑えないというか。人それぞれ刺さってくるところが違うとは思いますが、今のこの年齢でこういうご縁があって、ラッキーだったなと思います。

――事前に台本を読んだ時と、今後変わっていきそうな部分もありそうでしょうか?

全然想像がつかないです。松尾さんがどういう稽古をするかも分からないですし。演出家の方が変われば、作品毎に共通言語もルールも変わってくるので。だから特に事前の準備はしていないですね。「こうでなくちゃ」みたいなのものも、自分で背負いすぎると身動きが取れなくなりそうなので。

でも、三宅さんは本当に真面目ですごく誠実で、ちゃんと心で受け止めてくれる方なので、そういう意味では安心しています。信頼というのかな。

不安もありますが、これはもう考えても仕方ないので……。私も舞台経験がすごくあるというわけでもないし、割とこれまで同じ演出家さんとご一緒する機会が多かったんです。何度もご一緒している方であれば、なんとなく稽古場の空気感も想像できるけど、松尾さんとご一緒するのは初めてなので。

何年か前に、松尾さんと舞台の客席でお会いして「『すいか』というドラマがすごく良かった」と言っていただいて。奥様がそのドラマをお好きだったみたいで、観てくださったんだと、とてもびっくりしました。

どなたに聞いても、松尾さんは優しいし、ちゃんと見てくれるから絶対に大丈夫だよ」と言ってくださるんですけど。今はなるべく不安を消すために、そういう安心材料をいろんなところからもらって、大丈夫だと言い聞かせている段階です(笑)。

取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:渡辺美知子
ヘアメイク:伴まどか
スタイリスト: 斉藤くみ

衣裳
ブラウス¥28,600/ノーブル(ノーブル 有楽町マルイ店)
デニム¥18,000/ノーク バイ ザ ライン(ノーク)
イヤーカフ(右)¥103,400•リング¥77,000/ブランイリス(ブランイリス 東京)
その他/スタイリスト私物

お客様お問い合わせ先
■ノーク/03-3669-5205
■ノーブル/03-6738-3710
■ブランイリス 東京/03-6434-0210

ストーリー

80代で認知症気味の母親エイコと、ニートでアルコール依存症の50代の息子オサム。
貧困生活を送っている2人を撮影するために、ドキュメンタリー作家志望の女子大生アサダが密着していた。
エイコの年金を当てにして酒を飲み続けるオサムと、パチンコに依存するエイコ。アサダが撮るドキュメンタリーのVTRを見て、彼女の所属ゼミの教授キシは、ある問題を指摘する。エイコとオサムには、ある秘密があったのだ…。

東京成人演劇部vol.2「命、ギガ長スW」ライブ配信詳細&配信特典

【配信対象公演】 2022年3月16日(水)
【長ス組】13:00の回 開場12:30/開演13:00
【ギガ組】18:00の回 開場17:30/開演18:00

【販売期間】
【長ス組】~3/16(水)13:00まで
【ギガ組】~3/16(水)18:00まで

【配信チケット料金】
3,500円(税込)

【チケット取り扱い】
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/gigaw/

【配信特典】
宮藤官九郎×安藤玉恵×三宅弘城×ともさかりえ キャスト4名による座談会!
「稽古どうだった?」「お互いの本番観た?」など、稽古場で交わることがなかった2組のクロストークを前編後編に分けて
配信限定でお届けします!
【長ス組】開演13:00本編終了後に《前編》
【ギガ組】開演18:00 本編終了後に《後編》

【ライブ配信ご注意】
□チケットは、お一人様1枚のみ購入が可能です。
□ライブ配信チケット1枚につき閲覧できる端末は1台となります。第三者への譲渡・転売はできません。チケットのご購入は必ず視聴するご本人様が行ってください。
□配信チケットのご購入にはチケットぴあへの会員登録が必要となりますので予めご了承ください。
※既にチケットぴあの会員の方は、改めてのご登録は不要です。
□視聴環境や通信環境などについて各配信サービスのHPに記載の注意事項を事前によくお読みの上、ライブ配信チケットをご購入ください。

【ご視聴に関するお問合せ】
電話:017-718-3572
メール:event@linkst.jp
平日10:00-18:00
※公演日当日の問合せ対応は該当公演(土日祝含む)の終演後1時間程度で終了とさせていただきます。

公演概要

東京成人演劇部vol.2『命、ギガ長スW(ダブル)』

【作・演出】松尾スズキ

【出演】
ギガ組…宮藤官九郎×安藤玉恵
長ス組…三宅弘城×ともさかりえ

【公演日程】
2022年3月4日(金)~4月3日(日) 
東京 ザ・スズナリ

2022年4月7日(木)~4月11日(月) 
大阪 近鉄アート館

2022年4月15日(金)~4月17日(日) 
北九州 北九州芸術劇場 中劇場

2022年4月23日(土)~4月24日(日) 
松本 まつもと市民芸術館 実験劇場

【公式HP】https://otonakeikaku.net/stage/2007/?preview=true

【企画・製作】大人計画 (有)モチロン

THEATER GIRL編集部

観劇女子のためのスタイルマガジン「THEATER GIRL(シアターガール)」編集部。観劇好きの女子向けコンテンツや情報をお届けします。

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