小南光司×日向野祥×白又敦インタビュー　舞台『殺人の告白』「どのキャラクターにフォーカスを当てても面白い作品に」（後編）

2022.06.19

INTERVIEW

2022年6月17日（金）よりサンシャイン劇場にて、舞台『殺人の告白』の幕が開きます。本作は、新鋭チョン・ビョンギル監督が、韓国史上最悪の連続殺人事件とも言われている実際に起きた「華城(ファソン)連続殺人事件」からインスピレーションを得て描いたサスペンス映画「殺人の告白」の初の舞台化作品。

映画「殺人の告白」は2012年に韓国で公開後、270万人突破の大ヒットを記録し、その後日本でも公開。2017年には藤原竜也さんと伊藤英明さんのダブル主演により映画「22年目の告白-私が殺人犯です-」としてリメイクもされた人気作です。

時効成立後、突然自らの罪を告白し、世間の注目を集める容姿端麗な連続殺人犯と事件を執拗に追う刑事。そして愛する人を失った残された者たち、それぞれの思惑がぶつかり、国を揺るがす犯罪ショーへと発展します。

本作で主演・連続殺人犯【イ・ドゥソク】を演じるのは、韓国出身の男性ダンスヴォーカルグループ「SUPERNOVA(超新星)」のリーダーで、歌手活動以外にもドラマ、映画、ミュージカルなどマルチに才能を発揮しているユナクさん。ドゥソクを追う刑事【チェ・ヒョング】を演じるのは、ブロードウェイミュージカル『アナスタシア』やミュージカル『RENT』などに出演し、歌手としてだけではなく俳優としても活躍をみせているCHEMISTRYの堂珍嘉邦さん。

また、連続殺人事件の真犯人を名乗る人物 J を前川泰之さん、ヒョングの婚約者・スヨンの父でウリ物産会長チョン・ウヌを岡田浩暉さん、出版社の女社長・オ・ソヨンを大林素子さんと個性豊かな役者陣が演じます。そして、脚本・演出・映像はジョン・キャメロン・ミッチェル主演の『HEDWIG AND THE ANGRY INCHSPECIAL SHOW』などの演出も担当したヨリコジュンさんが務めます。

今回、THEATER GIRLでは堂珍嘉邦さん演じるヒョングとともに連続殺人犯を追う刑事・グァンスを演じる小南光司さん、連続殺人犯に家族を殺された遺族のカン・ドヒョクを演じる日向野祥さん、チョン・テソクを演じる白又敦さんにインタビューを敢行。後編では、それぞれの役の印象と、今だから言える過去の罪深い出来事を明かしていただきました。

インタビュー前編はこちら

遺族チームもJ本部チームも個性あるキャラクターが揃っている

――みなさんの役柄で、見どころだと感じる部分やシーンについてうかがえますでしょうか。

白又：自分は、真犯人がわかった時にお父さんと会話をするシーンですかね……でも、全部がいいんですよ。本当にどのシーンも素敵だと思います。

日向野：僕が演じるドヒョクも遺族で、実際に身内を殺された人の気持ちは計り知れないと思っていて……。なおかつ、そんな人間が目の前にいたときに、人ってどうなっちゃうだろうと純粋に思います。遺族チームという言い方をしてはいますが、キャストそれぞれに個性があって、そのなかでもドヒョクとしての個性や自分の色も出していけたらいいなと。役としては、キレっぽいんですけど、そういった部分ってきっと人間誰にでもありますし、ドヒョク自身、もとはそういう人間じゃなかったと思うので、そういった部分も見てほしいですね。

小南：僕は原作にいない役なので、物語にどういうふうに関わってくるんだろうと、初めは気になっていました。

白又：小南くんの役って、一番普通の人だと思うんだよね。

小南：そうなんですよね。僕が一番フラットな警察官役なので、一番お客さんが共感しやすい立ち位置なんじゃないかなと思います。あとは、カーアクションで、僕のハンドルさばきを見ていただきたいですね。

白又：本当、グァンスって一番難しい役だと思う。あまり感情の波もないしね。

小南：そうなんです。なので、キャラクターを自分で作らなきゃいけなくて。僕はもうずっと堂珍さん演じる先輩に対して、この人が道を外さないように支えなきゃという気持ちしかないので。先輩への愛を見せられたらいいなと思います。

悪いことは自分に返ってくる！？

――では、本作の内容にかけまして、皆さんが今だから言える「過去に犯した小さな罪深い出来事」はありますか？

小南：僕が中学生の頃の話なんですけど、その頃はおじいちゃんとおばあちゃんと住んでいて、家に酸っぱくて少し高い梅干しがあったんですけど、それがすごく好きで盗み食いをしていたんです（笑）。そしたらある日、梅干しの食べ過ぎで腹痛と高熱を出してしまって、学校を休んでしまって。数日して久々に学校に行ったら、朝礼の場で「小南くんは、梅干しの食べ過ぎで腹痛を起こして、休んでいました」とクラス全員にバラされて、すごく恥ずかしかったです。そのときに、悪いことっていうのは自分に返ってくるんだなと思いました（笑）。

白又：僕は……もう、生きていることが罪ですね（笑）。いろんな人を魅了してしまっていて。

小南：おい！　それはみんなあてはまるよ、全員罪になっちゃうよ！（笑）

白又：じゃなくて（笑）。昔の話で、俺もありますよ。僕は学生の時から芸能活動をやっているんですけど、学校に行きたくないときってあるんですよ。そういうときは、仕事を理由にして、親にも嘘をついて「今日は稽古がいつもより長いから学校は休む」と言っていました（苦笑）。高校生のときの話なんですけど、単位は足りているから休んでも問題はなくて、嫌なときだけ。今になって悪いことをしたなと思いますね。学費も出してもらってましたし。今となっては「お母さんごめんね」と思います。

日向野：俺は、20歳過ぎぐらいのときに、地方に仕事で泊まったんです。そのときのホテルは5人それぞれシングルの部屋で、ホテルに着いた人から部屋に入っていてくださいと言われて、1番目か2番目くらいに着いたんですけど。チェックインして、ロビーで鍵をもらって、部屋に入ったら、部屋の中でなにかが動いて……。多分ゴキちゃんがいたんですよね（苦笑）。俺、ゴキちゃんが、本当に苦手で。

小南：そんな体大きいのに？（笑）可愛い！

日向野：そうなの。本当に苦手で鳥肌立っちゃって。それで、一度入った部屋からスーツケースを持って、フロントに戻って「すみません。ここの部屋は違ったので別の部屋にしてください」と言って、変えてもらいました（笑）。何にも言わずに、同期の子がその部屋を使ったと思います。