ともさかりえインタビュー「命、ギガ長スW(ダブル)」「この年齢でこの作品に関わることができたのは、とてつもなくラッキー」(後編)
2022年3月4日(金)から「命、ギガ長スW(ダブル)」が東京ザ・スズナリで開幕し、その後、大阪・北九州・松本にて上演されます。
本作は、2019年に松尾スズキさんと安藤玉恵さんの出演で上演され、今回松尾さんは演出を担当。ギガ組”の宮藤官九郎さんと安藤玉恵さん、”長ス組”の三宅弘城さんと、ともさかりえさんによるWキャストでの上演となります。
“8050問題”をテーマに、認知症気味の八十代の母とニートでアルコール中毒の五十代の息子を主軸にした、シリアスなテーマながらも笑いや切なさが詰め込まれた、二人芝居です。
今回THEATER GIRLがお話をうかがったのは、あらゆるジャンルで活躍を続けるともさかりえさん。後編では、共演者・三宅さんへの思いを語っていただきました。
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三宅さんは前世で私の弟だった……?
――本作は二人芝居とのことですが、お相手が三宅さんだと知った時はどんなお気持ちでしたか?
不思議な運命を感じました。まだお会いしたことがない役者さんもたくさんいるなかで、三宅さんとの共演率が不思議と高いんです。自分の中でもとても強く記憶に残る作品でご一緒することが多いので、三宅さんと聞いた時はなにか不思議な運命のようなものを感じて。三宅さんがいるんだったら大丈夫かなと思えましたね。もし、宮藤官九郎さんだったら、またちょっと悩んでしまった気がします(笑)。宮藤さんのことも大好きですけど、でも、三宅さんだって聞いた時に、これはやっぱりやるしかないんだなと、自分のなかで覚悟が決まった大きな要因でした。
もしこの作品に参加せずに芝居を観に行った時に、別の方がこの役をやるんだと思ったらすごく寂しいんだろうなと思ったんです。
ただ三宅さんは、きっと私がパートナーだと心もとないと思って「すみません、私、やってもいいですか?」と最初に謝りました(笑)。
――ともさかさんにとって、三宅さんは背中を押してくれる存在なんですね。
三宅さんと私は、絶対に前世でなにかあったんだろうなと勝手に思っているんです。恋人でも夫婦でもなくて、姉弟……? お兄ちゃんではなくて、弟? 家族だったんじゃないかな? と勝手に思っています(笑)。
三宅さん主演の『鎌塚氏シリーズ』でご一緒していますが、三宅さんのことが好きすぎて、キスシーンまで作ってもらったくらいで(笑)。三宅さんが、「ロミオとジュリエット」でキスシーンをいっぱいやっていらっしゃったので、私ともまだしていないのに、何をしているんだ? と嫉妬してしまって(笑)。
二人芝居は初めてなので、これだけ信頼できる人でパートナーで良かったですし幸せです。私は三宅さん=スーパーマンだと思っているんです。なんでもできちゃうし、本当にカッコいいなぁと日々惚れ惚れしています。
私達は似ているなと密かに感じていて。ちょっと後ろ向きというか、責任を背負ってしまいやすいところとか。プレッシャーとか不安な気持ちとか、そういう飾らない思いを吐露できる人だから。無理せず心のままに向き合えるから、そういう意味でもリラックスしてご一緒しています。
先日、三宅さんのお誕生日に連絡をしたら「引っ越したばかりだし、グループ魂のライブもあるので台詞あんまり覚えないでください」と言われました(笑)。と言いつつも、三宅さんは覚えてくると思いますけど。