平間壮一インタビュー ミュージカル「ドン・ジュアン」「少し大人になったことで、内側にある怒りを表現したい」(後編)
10月7日(木)から大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて、その後10月21日(木)から東京・TBS赤坂ACTシアターにて、ミュージカル「ドン・ジュアン」が開幕します。
2019年、Kis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔さんが初めてミュージカルに挑み、さらに主演を務めたことでも話題となった本作。今回は 、マリア役に宝塚歌劇団卒業後初めてのミュージカル出演となる真彩希帆さんをむかえ、2年ぶりに上演されます。
物語の舞台はスペイン・セビリア。欲望の赴くままに女と酒を求めて放蕩の限りを尽くす色男、ドン・ジュアンが「真実の愛」によって変貌していく様を描いています。前回と同様、潤色・演出は宝塚歌劇団の生田大和さんが担当。藤ヶ谷太輔さん、真彩希帆さんのほか、上口耕平さん、天翔愛さん、吉野圭吾さん、上野水香さん、春野寿美礼さん、鶴見辰吾さんなど豪華キャストがそろいました。
今回THEATER GIRL編集部がお話をうかがったのは、マリアの婚約者・ラファエルを演じる平間壮一さん。インタビュー後編となる今回は、作品や役柄の魅力、楽曲の印象、さらに平間さん自身が感じる2年前と比べて変化した部分などをたっぷり語っていただきました。
「愛している」と本人にぶつかっていけるラファエルの強さ
――これからさらに役を深めていく段階だと思いますが、再演ということで改めて気付いた役柄の魅力はありますか?
ラファエルに関して言いますと、愛する力というのは大変勉強になりますね。愛ってそこら中にたくさんあるからこそ、難しいことだなと思っていて。
よく考えてみると、戦地から帰ってきたら、婚約者が知らない男と愛し合っていたなんて結構ひどい話じゃないですか。それでも「俺はまだ愛してる」と本人にぶつかっていける強さといいますか……。自分だったら諦めますね(笑)。他の人と愛し合ってる姿を見せられちゃったら、恥ずかしくてそんなこと言えないので素直に負けを認めるかなと。それでもラファエルは「俺は愛してるんだ」と本人に言えるので、その強さみたいなものを学びました。
普通だったら、どうであれ多分相手を嫌いになると思うんです。一番の味方だったはずの人が敵に感じてしまうような。それでもまだ愛してると言えるなんて、「器が大きいな」と感じます。
――そこは少しご自身とは感じ方が違う部分でしょうか?
そうですね。だから「ラファエルはそう考えるんだぞ、壮一」と自分に言い聞かせています(笑)。そういれたらかっこいいなと思うので、ラファエルは憧れの人でもありますね。
――理想像でもあるのですね。
でも「ドン・ジュアン殺す」とか言っちゃうので、それは駄目ですけど(笑)。