北川尚弥が辿る役者の軌跡「作品との出会いで自分が変われた」【シアダン vol.10】(前編)
THEATER GIRLが注目する“今知りたい若手俳優”へのインタビュー企画「シアダン」。第10回にお迎えしたのは、ミュージカル「スタミュ」シリーズへの出演や、ミラクル☆ステージ『サンリオ男子』で主演も務める「北川 尚弥(きたがわ・なおや)」さん。
5月には、映画「死神遣いの事件帖 ‐傀儡夜曲‐」が公開、7月からは舞台版「死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-」にも出演される北川さんに前編でおうかがいしたのは、役作りで心掛けていることや、影響を受けた先輩、刺激し合える役者仲間について。屈託のない笑顔で饒舌に語ってくれる姿からは、役者のお仕事への情熱が感じられました。
※取材は3月に行いました。
コンテストがきっかけで飛び込んだ役者の世界
――ではまず、俳優のお仕事をはじめたきっかけについて聞かせてください。
このお仕事を始めたきっかけは、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストです。応募したのは、母か姉なんですけど、いまだにどっちか教えてくれなくて(笑)。でも、そのコンテストがなかったら多分この世界には入っていなかったと思います。高校を卒業するまでは北海道の村に住んでいて、芸能の仕事とは無縁の場所でしたし。人前に立つのも苦手だったので、まさかこの仕事をするとは思っていなかったですね。
当時は「なんで送ったの」という気持ちだったんですけど、このお仕事をやっていくうちに、どんどん魅力を感じるようになって、今は応募してくれたことに感謝しています。オーディションや撮影も最初は苦手で、初めての撮影では笑えなくて口が痙攣していたんです。 今は流石に慣れましたけど(笑)。
役作りで大切にしているのは「あえてイメージを固めすぎないこと」
――役作りをする上では、どんなことを大切にしていますか?
原作があるものに関しては、 特徴を掴んで演じるように意識しています。ただ、 イメージを固めすぎちゃうとその枠から出られなくなっちゃうので、事前情報から膨らましていくことが多いです。アニメだったら一話を観て、役の特徴をつかめたらあとはあえて観ないようにするとか。
それから、原作がないものに関しては、演出家さんや監督とのフィーリングだと思っているので。ある程度自分の中で大きく作って、あとはもう削っていくような感覚でやっています。
――ちなみに原作があるものとオリジナルでは、どちらの方が役作りしやすいのでしょうか?
自分的には、原作がある作品の方が、自分で作らないといけない部分が少ないので役作りのしやすさはありますね。オリジナルの場合、結構奥深くまでバックボーンを作っていかないと、辻褄が合わなくなってきたり浅いものになってしまうので、そういうところを大切にして作るようにしています。