山崎大輝×赤澤遼太郎インタビュー ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』「年初めにふさわしいとても贅沢な作品」(前編)
2023年1月7日より明治座にて、ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』が上演されます。
本作は、明治座創業以来、初めてオーケストラピットを稼働させることでも注目されていましたが、2020年4月に新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発令を受けて全公演中止となり、この度2年半の時を経て、満を持して上演されます。
原作は、15世紀のルネッサンス期イタリアを舞台に、イタリア半島の統一、次いで欧州の統一の野望を抱いた名門ボルジア家の後継者・チェーザレ・ボルジアの戦いを描き、大ヒットとなった惣領冬実さんが描いた歴史大河コミック「チェーザレ 破壊の創造者」。
脚本は、ストレートプレイ・ミュージカル・ショーなど幅広く活躍する荻田浩一さん、演出は第25回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した小山ゆうなさん、音楽をミュージカル『ジャージー・ボーイズ』や『キンキーブーツ』の音楽監督も務めた島健さんが務めます。
そして、主人公のチェーザレは、20年に引き続き、中川晃教さんが演じます。共演に、橘ケンチ(EXILE)さん、別所哲也さんら豪華キャストが揃い、さらに若手俳優陣の山崎大輝さん、風間由次郎さん、近藤頌利さん、木戸邑弥さんがスクアドラ ヴェルデ、赤澤遼太郎さん、鍵本 輝さん、本田礼生さん、健人さんがスクアドラ ロッサとしてチェーザレの友人、そしてライバルという要となる役どころをWキャストで演じます。
THEATER GIRLは、Wキャストでアンジェロ・ダ・カノッサ役を演じる山崎大輝さんと赤澤遼太郎さんにインタビュー。前編では、3年の時を経て上演に挑むお気持ちやお互いの印象など、たっぷりと語っていただきました。
少しパワーアップした状態で挑めることが嬉しい
――山崎さんは、2020年に引き続きの出演、赤澤さんは今回からの参加になりますが、改めて本作へ挑むお気持ちはいかがでしょうか?
山崎:2020年の時は、ミュージカル作品への出演がほぼ初めてに近い状態だったんです。そんな中、アンジェロという重要な役を任せていただいたので、自分にできる精一杯で演じられたらと思いました。僕の中でもすごく思いの強い作品だったのですが、残念ながらコロナ禍で上演が叶わなくなってしまって……でも今回こうして3年の時を経て上演が決まって、 少しパワーアップした状態でこの作品に挑ませていただけることを、すごく嬉しく思いますね。
赤澤:前回公演の時に、大輝さんをはじめ、平野良さんなど尊敬している先輩方も出演されていて、「すごく勉強になった」と聞いていたので、今回お話をいただいてめちゃくちゃ嬉しかったですし、この作品に出ることはものすごく意味のあることだなと感じました。
もちろん、全力でやらせていただこうと思っているのですが、同時にめちゃくちゃ緊張しています。ただ、今までと違うフィールドの方々と出会えるチャンスでもあるので、すごく楽しみですね。
――すでに歌稽古に入られているとのことですが(取材時)、山崎さんは前回を思い出しながら稽古をされている感じでしょうか?
山崎:そうですね。ただ、前回を思い出しつつも、さらに新しいことをやろうと意識してやっています。でも、やっぱり楽曲を聴くとあの時の情景がパッと浮かんで懐かしくなりますね。
――赤澤さんは、今回からの参加になりますがいかがでしょうか?
赤澤:新しい事だらけですし、僕はこういったザ・ミュージカルという感じの作品に出るのがほぼ初めてなので。歌い方や表現方法も今まで出演した作品とは全く違いますし、歌稽古からすごく勉強になることばかりです。
ブレスの取り方一つにしても、「ちゃんと芝居の気持ちで取ってほしい」と言われたり、 新しいことばかりで情報量がものすごいです。歌稽古の様子を録音して、家に帰ってからも復習して、今は頑張って追いつこうとしているところです。
Wキャストは「全部大輝さんと」
――お二人は、朗読劇『#ある朝殺人犯になっていた』でもWキャストを務められていましたね。
赤澤:そうなんです。僕、人生で2回しかWキャストをしたことがないんですけど、全部大輝さんとですね(笑)。
山崎:朗読劇のときは一緒の舞台には立っていませんが、稽古では一緒に取り組んでいたので、今回も切磋琢磨しながらやれたらと思いますね。
――山崎さんは、今回Wキャストで演じられることについてはどうお感じでしょうか?
山崎:やっぱりWキャストならではの難しさはありますね。自分の持っているものと別の軸で演じられているのを見ると「それもいいな」と、持っていかれそうになる瞬間もあったりします。だんだん自分のものとして確立はできるんですが、そういった難しさはありますね。相手が魅力的に見えるからこそ焦ってしまう部分もあるけど、 自分は自分で頑張ろうということは毎回思います。
赤澤:今回に関して言えば、一度上演前まで稽古をされている状態なので、より恐ろしいですよね。ちゃんとそこに追いつかないと、圧倒的に大輝さんの方が良かったねとお客様に思われてしまうので。すでにアドバンテージがあるので、それを取り返すための稽古期間にできるように頑張りたいです。
――山崎さんは前回も出演されている分、いろいろと頼りがいがありそうですね。
赤澤:本当にいろいろ教えてください!
山崎:いやいや、何一つ教えることなんてないよ(笑)。
赤澤:何一つってことはないでしょ(笑)。
挨拶がめちゃくちゃ面白い
――前回、朗読劇でもWキャストを務められていましたが、改めてお互いの印象について聞かせてください。
山崎:すごく器用だなと思いますね。でも、たまに少し不器用な面も見えるので、それがいい個性だなと、前回のWキャストの時から思っていました。
赤澤:ありがとうございます。僕は、すごくいい人だなって。ユーモアもあって誰に対してもこの感じなんだろうなというか、本当に誰とでも分け隔てなく話している印象があります。しかも挨拶がめちゃくちゃ面白くて(笑)。大輝さんの親しみやすさや壁を作らない感じがすごく嬉しかったですね。
――今回、主演の中川晃教さんをはじめとした、豪華なキャストの方々が揃っていますが、出演者の顔ぶれをご覧になっていかがでしたか?
赤澤:ミュージカルの第一線で活躍されている方々がたくさんいらっしゃるので、戦々恐々としています。逆に大輝さんに「どんな感じなんですか?」と聞きたいです。
山崎:中川さんをはじめとした、ミュージカルを作ることを何度も経験している方々が揃っていて。前回の時に、稽古場は学ぶ場所ではなくテストする場所なんだということを教えられたんです。当時は、こんな状態で来るんじゃなかったと感じたことをすごく覚えていて。でも、特にそれを言う訳でもなく、体現して教えてくださるんですよね。だから、3年の時を経て、もう一度チャレンジさせてもらえることがすごく嬉しいし、今度こそはという気持ちがあります。
赤澤:本当に楽しみですね。とにかくあまりビビらずに楽しもうと思っています。緊張して本来の力が出し切れないのも違うし。今まで自分が積み上げてきたものをしっかりと表現しつつも、謙虚にいろんな姿を学べたらなと思いますね。
取材・文:THEATER GIRL編集部
Photo:梁瀬玉実
公演概要
ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』
原 作 : 惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』(講談社「モーニング」所載)
原作監修 : 原 基晶
脚 本 : 荻田浩一
演 出 : 小山ゆうな
音 楽 : 島 健
出 演 : 中川晃教
橘ケンチ(EXILE)
[スクアドラ ヴェルデ] 山崎大輝 風間由次郎 近藤頌利 木戸邑弥 (Wキャスト)
[スクアドラ ロッサ] 赤澤遼太郎 鍵本 輝 本田礼生 健人 (Wキャスト)
藤岡正明/今 拓哉 丘山晴己 横山だいすけ/岡 幸二郎
別所哲也
山沖勇輝 [スクアドラ ヴェルデ]、稲垣成弥[スクアドラ ロッサ]、武岡淳一
石井雅登 植木達也 大久保祝臣 小原悠輝 後藤光葵 高山裕生
中島大介 溝口雄大 矢木俊也 山川大智 渡部又吁
安里 唯 小野田真子 篠崎未伶雅 平川はる香 横関咲栄 (五十音順)
日 程 : 2023年1月7日(土)~2月5日(日)
会 場 : 明治座(東京都中央区日本橋浜町2-31-1)
料 金(税込) : S席 13,000円(1階席・2階席正面)/A席 8,000円(2階席左右・車イススペース)/
B席 6,000円(3階席正面)/B席左右 5,400円(3階席左右)
※B席左右は演出の都合上、舞台の一部が見えづらい可能性のある席となります。
※B席左右は先着先行販売から受付を開始いたします。
お問い合わせ : 明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00〜17:00)
公式ツイッター : @cesare_stage
公式サイト : https://www.cesare-stage.com