蒼井翔太×鈴木勝吾インタビュー　ミュージカル『DOROTHY(ドロシー)～オズの魔法使い～』「原作の良さに加えて新しい良さを発見できるはず」（後編）

2022.09.16

INTERVIEW

――今回、宮川彬良さんが書き下ろした楽曲の印象はいかがでしょうか？

鈴木：素晴らしいとしか言いようがないですね。僕に音楽的な教養があるわけではないので、音楽的な評価は非常に難しいのですが、すごい才能とセンスだとめちゃくちゃ感じています。聴いているだけでなく、実際に歌うと、より素晴らしさがわかるというか。負けないように頑張らなきゃなと思います。歌にいろんな解釈をつけて、いろんな歌い方を試して、どの声でどんな風に歌うのかを探っていくのが楽しくなる楽曲ばかりなので。また、これが今後オーケストラバージョンになったらさらに素晴らしいものになるなって。これらの音楽に出会えて幸せです。

蒼井：楽曲もすごく楽しみにしていただきたいなと思っています。歌稽古の段階から、本当に心からワクワクする曲ばかりだったので、きっと皆さんも「あ、この曲好きだな」っていうのが見つかると思います。家に帰った後でも頭の中で僕たちの演じた“彼らの物語”が浮かんでくるような、そんな楽曲たちばかりなので、早く皆さんに聴いていただきたいですね。

――本作は音楽が支配する“魔法の国”での冒険物語となりますが、普段の生活の中でご自身が支配されているものや、これがないと生活できないというものはありますか？

鈴木：やっぱりお芝居ですね。20代半ばで俳優の道を選んで、俳優として”真面目に仕事をする”という訳でもないのですが……。俳優として人生を歩んでいくということに支配されていると思います。鈴木勝吾という人間が俳優として生きているのではなく、表現者であるために動物の鈴木勝吾として生存しているだけというか。自分が納得できない存在であるなら、ネガティブな意味ではなく、表現者として短く太く生きたいなって思いますね。

あとはお酒とご飯ですよね。ずっと飲んでいます（笑）。しがらみの多い世の中でご飯ぐらいは食べたいものを食べたいので、あまり人に合わせてご飯を選ぶことはないですね。値段が全てじゃないけど、好きなものを食べられるくらいにお金が回る人生でありたいとは思っています。食べ物もお芝居も、自由に表現したいし。そして、お酒はやめられないので（笑）、この3つはなくてはならないものですね。

蒼井：僕は時間ですね。遅刻がめちゃくちゃ嫌いなんです。時間に対して支配されているというか、自分の中で恐怖心があるんでしょうね。寝る時にアラームをかけるんですけど、アラームで起きたことがないんです。アラームの前に必ず起きちゃうので「明日起きられるかな」っていう心配はしたことがないですね。

時間の使い方が下手で、もうちょっと時間にルーズになってもいいかなって思うくらい。声優の仕事でいうと、朝11時のアフレコがあったとしたら、7時半とか8時に起きてすぐに出られるようにしておいて、現場近くのカフェに9時くらいには着いて2時間くらいカフェで過ごすみたいな。かなり前に現場の近くに着いていないと、落ち着かないんですよね。

パワーと輝きのある世界観にあふれた作品になる

――では、最後に作品を楽しみにしている方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。

鈴木：オリジナル要素がどう作用するのかすごく難しいところではあるのですが、音楽が良くて、翔太くんもいて、本当に素敵な環境が整ったと思っています。そういう現場で生まれた作品は、間違いなくいいものになるので。そういった場にいられることもすごく光栄ですし、自分もその一人にならなきゃとプレッシャーの日々ですが。一番大事にしている感覚のまま物作りをしていければ、観てくださるお客様が辛いことも全部はねのけられるくらいのパワーと輝きのある作品が、きっとこのカンパニーなら作れるはずです。ぜひ観に来ていただいて、素敵な気持ちで帰っていただけたら。劇場で会えるのを心から楽しみにしています。

蒼井：原作を知らない方も楽しめると思いますし、原作を知っている方にとっては新たな発見のある作品になっていると思います。作品の中で、あなただけの良さをきっと発見できるはずです。そして、素敵な音楽が作品の世界観をより一層広げてくれると思うので、ぜひ観に来ていただけたら嬉しいです。会場でお待ちしています。