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福士誠治、田中俊介、新原泰佑ら出演。『インヘリタンス-継承-』製作発表会レポート!「作品を通して「愛」を伝えられたらと思っています」

REPORT

2024年2月に東京芸術劇場プレイハウスにて上演される舞台『インヘリタンス-継承-』。この度、製作発表会が開催された。

今回は、キャストを代表して製作発表会に登壇した、福士誠治、田中俊介、新原泰佑、柾木玲弥、山路和弘、麻実れいのコメント、ビデオ・音声メッセージを寄せた演出の熊林弘高、篠井英介のコメントをお届けする。

コメント

【演出】 熊林弘高  ※ビデオメッセージ

本作品の演出を担当させて頂きます、熊林弘高です。
初めて出会ったクィア作品(※)は、映画「蜘蛛女のキス」でした。ヴィスコンティ、アン・リー、フランソワ・オゾン、グザヴィエ・ドラン、ベルトルッチの「暗殺の森」、ウォン・カーウァイの「ブエノスアイレス」、「ムーンライト」…ふと思い出すだけでも様々な国のすばらしい映画が浮かびます。ボルヘスは“書物は人々の記憶で歴史だ”と記しました。
私にとって‘クィアの歴史’とは‘映画’だと言えます。エベレストを装備なく登らないように、『インヘリタンス』という巨峰(葡萄じゃないです)を偉大な映画監督から継承したはずのものに背を押されながらこれから登頂しようとしております。
福士(誠治)さん、柾木(玲弥)さん、山路(和弘)さん、麻実(れい)さんは、何度か時間を共に過ごした大切な仲間です。以前より存じ上げていた篠井(英介)さん、映画を観て惹かれた田中(俊介)さん、信頼する方のご紹介で出会った新原(泰佑)さん、と「よくぞこの作品を引き受けていただきました」とまずは感謝を捧げたくなる勇敢な俳優とスタッフと共に辿り着いた頂きからの眺めがどんなになるかを考えると、今はその過程の困難さに怖気づくより、楽しみな方が日に日に勝ってきております。

(※)LGBTQ+を登場人物にした作品や当事者たちが制作した作品のジャンル

福士誠治 / エリック・グラス役

熊林(弘高)さんの演出作品に出演するのは三本目です。僕の中では熊林作品の稽古場は楽しいイメージがあり、また、自分がイメージする作品の読み方や表現の仕方を越えてくださる演出家さんだと思っています。2本目にご一緒した『イントゥ・ザ・ウッズ』というミュージカルでは、3メートルくらいの高さから歌いながら跳ぶという初めての経験もさせていただきました(笑)。本作は6時間半の大作ですが、その中で何度驚かされるのだろうと、今から楽しみです。
いろいろな「愛」という言葉がありますが、人が人を愛する美しさ、または愚かさといった、止められない気持ちをこの作品から感じました。それを自分なりに表現して、作品を通して「愛」を伝えられたらと思っています。こちらにいらっしゃる皆さんと一緒に、素晴らしい作品になるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。

田中俊介 / トビー・ダーリング役

僕の人生経験ではたどり着けない痛みや苦しみを背負った役を演じます。難しいと思いますし、作品作り自体も相当な覚悟がいると思っています。でも、コロナ禍で味わった人との距離感、それによって人との関わり方が分からなくなっている現在の感じは、この作品にとてもリンクする部分があるなと思いましたので、出演を決めました。熊林(弘高)さんの演出作品は初めてで、初対面では優しさや温かさを感じたのですが、「通し稽古は一、二回しかやらないよ」とご本人から言われまして、「まじか」という表情で新原(泰佑)くんと顔を見合わせてしまいました(笑)。今、皆さんのお話を聞いてビビっております(笑)。通し稽古が5回でも6回でもできるよう、なんとかしがみついていきたいと思います。

新原泰佑 / アダム役・レオ役(二役)

この作品で僕は、顔は瓜二つですが、正反対の二人の人間という二役を演じさせていただきます。とても大切な役をいただけて大変光栄です。演出の熊林(弘高)さんとはオーディションでお会いしたのが初めてで、とても気さくな優しい感じの方なのですが、田中(俊介)さん同様、熊林さんの作品経験がある諸先輩方のお話を伺い、今からワクワクしつつビクビクしております。
キーパーソンともいえる役ですし、自分自身も作品のキーパーソンとなるよう稽古を頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

柾木玲弥 / ジャスパー役

熊林(弘高)さんとは2021年の『パンドラの鐘』に出演させていただいて、またこうしてご一緒できることをとても嬉しく思っております。そのときには、あまり稽古をされない演出家さんという噂を聞いていたのですが(笑)、『パンドラの鐘』ではしっかり稽古していただきました。本当に映画やお芝居の知識が豊富な方で、稽古中に歓談させていただいた際には、役の参考になる作品などいろいろと教えていただいてとても助けていただきました。僕はここにいらっしゃる皆さんより舞台経験は少ないと思いますし、6時間半というここまで長い作品は初めてです。稽古も長期にわたる中で、今から何を準備したらいいのか、何を頑張ったらいいのかなども見当もつきません。とりあえず、健康管理をしっかりとして作品に臨みたいと思います。

篠井英介 / ウォルター役・モーガン役(二役)  ※体調不良で欠席のため音声メッセージ

本日は発熱してしまい、皆さんにお会いできず残念です。この作品は一生にあるかないかというくらいの大作です。心して、皆さんのお力を借りながら、足手まといにならないように一生懸命務めたいと思っております。ご覧になる方々にとっても大変な作品だと思いますが、熊林(弘高)さんのご指導のもと、皆一丸となってよい作品になることを願っております。よろしくお願いいたします。

山路和弘 / ヘンリー・ウィルコックス役

まだこの作品がどのような物語なのかも知らないときにお電話をいただいて、演出は誰でどなたが出演されるのかをお聞きしまして、そのメンツでは断ることはできないなと(笑) ご一緒するのは三本目になりますけれども、信頼できる演出家の熊林(弘高)さん、さらに麻実(れい)さんも出演されるとお聞きして、喜んで引き受けさせていただいた次第です。私は来年で70歳になりますが、この仕事をしてきた中で、多くのマイノリティーの方々とお会いしてきました、既に亡くなった方もいます。そんな彼らが、これが観たかったんじゃないかと思える恋愛感情を表現できたらいいなと、心密かに考えています。楽しみにしていてください。

麻実れい / マーガレット役

この繊細な作品に参加させていただきますこと、とても幸せに感じています。熊林(弘高)さんと初めてお会いしたのはまだ演出家でなかった当時のことでしたが、その後演出家として立たれて、『おそるべき親たち』という作品で初めてご一緒したときには、「仲間」の一人として好きなことを言わせていただきました(笑) でも、役者を緊張させずに好きなようにやらせながら、最後はまとめていくという素晴らしい演出家さんで、この歳になってもまだご一緒させていただけるなんてとても幸せなことです。今回はどんな”熊ちゃん”を見せてもらえるのだろうと期待しております。

公演概要

『インヘリタンス-継承-』

作: マシュー・ロペス
E・M・フォースターの小説「ハワーズ・エンド」に着想を得る。

訳: 早船歌江子
ドラマターグ 田丸一宏

演出:  熊林弘高

出演:

福士誠治
田中俊介
新原泰佑
柾木玲弥
百瀬 朔
野村祐希
佐藤峻輔
久具巨林
山本 直寛
山森大輔
岩瀬 亮

篠井英介

山路和弘

(後篇のみ)
麻実れい

東京公演:
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
日程:2024年2月11日(日・祝)~2月24日(土)

<地方公演>
大阪公演:
2024年3月2日(土) 前篇12:00 後篇17:00  
森ノ宮ピロティホール

北九州公演:
2024年3月9日(土) 前篇13:00 後篇18:00  
J:COM北九州芸術劇場 中劇場

主催 東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場
特別後援 公益財団法人日本国際交流センター/グローバルファンド日本委員会
後援 世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)/アメリカ大使館
助成 ビル&メリンダ・ゲイツ財団/Fund for the Global Fund
企画制作: 東京芸術劇場

お問い合わせ: 東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296 (休館日を除く10:00~19:00)
https://www.geigeki.jp

公式サイト: https://www.inheritance-stage.jp

THEATER GIRL編集部

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